仮想基盤構築事例株式会社DMM.comラボ様

2016年06月17日

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サービス仮想基盤にCisco UCS サーバー+Tintri VMstoreを導入
安定性と運用性を両立、マルチベンダー・ワンストップ保守で「DMM.com」を支える

会員数1,700万人、月間約25億のページビュー数を誇る総合エンターテインメントサイト「DMM.com」をICTで支えるDMM.comラボ。同社はサービスを担うICTインフラに関して、サービス仮想基盤を個別最適から全体最適へ再構築し、システムの統合を進めている。同社が目指しているのはリソースをサービスとして提供するXaaS(X as a Service)だ。
サービス仮想基盤の中核にはCisco UCS サーバーと仮想環境専用ストレージTintri VMstoreを導入し、課題だった短期間構築と少人数での運用を実現。またサーバーとストレージの保守における窓口をユニアデックスに一本化することで、システム障害時の対応の迅速化を図っている。

  • DMM.comラボ
    インフラ統括本部
    XaaS部 エンジニア
    高橋 尚史氏

導入前

  • 個別最適でICTインフラを導入していたが、運用が複雑化し変化への迅速な対応が困難だった
  • 仮想環境において、システム障害時の対応の迅速化が課題となっていた
  • 仮想環境専用ストレージTintri VMstoreを高く評価したが、導入実績の少ない点が懸念された

導入後

  • Cisco UCS サーバーとTintri VMstoreを中核にサービス仮想基盤を構築し、運用効率化と安定稼働を両立
  • Tintri VMstoreを社内導入しているユニアデックスの実績に基づく提案とサポートにより、安心して導入
  • サーバーもストレージもユニアデックスに保守の窓口を一本化し、対応の迅速化を実現

システムの特徴

  • Tintri VMstoreによりチューニングレスで安定したパフォーマンスを実現
  • 仮想マシン単位でパフォーマンスを可視化しボトルネックの特定を迅速化
  • ピーク時も1ミリ秒のレイテンシーを維持しサービス品質を確保
  • Cisco UCS Managerのサービスプロファイル機能により、迅速なサービス提供
  • Cisco UCS サーバーによりシンプルなケーブリングを実現

経緯

事業の変化にスピーディーに対応するために個別最適から全体最適への転換を図る

DMM.comラボは、事業の企画、営業を行うDMM.comと一体化し、総合エンターテインメントサイト「DMM.com」の要であるシステムの開発・運営から、ネットワークインフラの提供、Webマーケティング、カスタマーサポートといった事業の基盤を担っている。
従来、同社ではサービスを支えるICTインフラを案件毎に提供していた。しかし、サーバー台数が2,000台に増大する中でICTインフラの運用は限界を迎え、加えて事業の変化にともなうスピーディーな対応が求められるようになったという。2014年10月、同社は事業全体に共通するシステム基盤最適化の観点から、サービス仮想基盤を構築し、必要なときに必要なリソースを提供できる仕組みづくりに着手した。「今回のプロジェクトはリソースプールをつくり運用していくことですが、目指しているのは必要なリソースをサービスとして提供するXaaSです」とインフラ統括本部 XaaS部 エンジニア 高橋尚史氏は話す。
まずは新たなサービスからサービス仮想基盤上で動かし、既存システムの更改のタイミングで徐々に統合していく。2015年夏の本稼働を目指す短期間構築と少人数での運用が大きな課題となった。

プロセス

ユニアデックスの社内実践に基づく提案とサポートにより
仮想基盤の中核にCisco UCS サーバー+Tintri VMstoreを導入

将来のXaaSを見据えたうえで構築と運用の課題を解決するべく、ユニアデックスはマルチベンダーとして培ってきた豊富な経験とノウハウのもと、サービス仮想基盤の中核にCisco UCS(Unified Computing System)サーバーと、仮想環境専用ストレージTintri VMstoreを組み合わせた提案を行った。
Cisco UCSサーバーについて高橋氏はこう評価する。「ネットワーキングやストレージアクセスおよび仮想環境を統合し、管理ツールUCS Managerにより一元管理の実現、またサービスプロファイル機能により迅速なサービス提供が可能となりました。また、サーバー管理の簡素化はもとよりシンプルなケーブリングを実現し、一度配線処理を行えば構成変更があっても再度作業を行う必要がないこともポイントになっています」
Tintri VMstoreとは、VMwareが開催するイベントで出会ったと高橋氏は振り返る。「仮想マシン毎の稼働状況を把握しストレージ自身で性能チューニングを自動的に実施するといった特長を高く評価しましたが、当時国内での導入実績が少ない点が懸念材料となりました。導入できたのはユニアデックスの後押しがあったからです」
社内のICTインフラにTintri VMstoreを導入し、その実績をふまえたユニアデックスの提案は説得力があったという。「当社の疑問に丁寧に答えていただき、不安は徐々に払拭されました。また機器の貸し出しも受けて様々な検証も実施しました」と高橋氏は話す。
2015年1月、同社はユニアデックスの提案を採用。Tintri VMstoreはLUN(Logical Unit Number)やボリュームを意識する必要がなく設計段階を省略できるため、構築期間短縮に大きく貢献したという。設定方法もIPアドレスを設定するだけで、数分で完了するほどの簡単さだ。
2015年夏、サービス仮想基盤は本稼働を開始。当初100台のCisco UCSサーバーでスタートし、現在160台まで拡大。仮想基盤上で1,000台の仮想マシンが稼働しており最大2,500台まで増大していく計画だ。またTintri VMstoreを複数台導入し、仮想マシン全体を振り分けることで、万が一の故障時は残った1台に仮想マシンを移動させ業務継続を図っていく。

効果・今後

チューニングレスで1ミリ秒未満のレイテンシーを維持
- ユニアデックスに保守の窓口を一本化し迅速な対応を実現

導入後10カ月の間、サービス仮想基盤はチューニングレスで常に安定したパフォーマンスを実現している。「ピーク時2万IOPSの負荷がかかっても、1ミリ秒未満のレイテンシーを維持しサービス品質を保っています。インライン方式の重複排除と圧縮機能により圧縮率は1.9倍、通常フラッシュヒット率もほぼ99%です」(高橋氏)
仮想マシン単位でホスト、ネットワーク、ストレージのパフォーマンスを可視化できるため、ボトルネックの原因を迅速に究明することが可能だ。またCisco UCS サーバーもTintri VMstoreもユニアデックスに保守の窓口を一本化し、システム障害時の迅速な対応を実現。さらにTintri VMstoreのレプリケーション機能を利用しDR(Disaster Recovery)の強化も検討している。
今回の実績を踏まえ、2016年夏には別のデータセンターで同じ構成のサービス仮想基盤が稼働する予定だ。「運用の効率化と安定稼働を両立できたことで、次世代インフラを考える時間を創出できました。今後、サービスポータルの導入やサービス要件によっては、Tintri VMstoreの仮想環境専用オールフラッシュストレージの検討も行っていきます。ユニアデックスには、当社の事業の根幹を担うサービス仮想基盤を守っていただくことに加え、先進的な提案を期待しています」と高橋氏は話す。

お客さまの評価

マルチベンダーとしての豊富な実績とノウハウに基づく提案力に今後も期待

今回、サービス仮想基盤の構築では短期間構築と少人数での運用が大きな課題でした。ユニアデックスから提案を受けたCisco UCS サーバーとTintri VMstoreの組み合わせは、XaaSを視野に入れたうえで当社の課題を解決するものでした。Tintri VMstoreの導入は、ユニアデックスの後押しがなければ実現は難しかったでしょう。社内実践に基づく提案の説得力に加え、当部にはストレージの専門スタッフがいなかったため「ストレージとは何か」といった基礎知識から説明していただき、国内の導入実績が少ないことから生じる不安や疑問を徐々に解消できました。これからもマルチベンダーの豊富な実績とノウハウのもと、当社の視点に立った先進的な提案に期待しています。

保守に関してサーバーもストレージもワンストップサポートにより対応を迅速化

個別最適で導入していた当時、システム障害が発生した際に、どこに問題があるのかを特定するのに膨大な時間と手間を要しました。サービス仮想基盤でシステムを統合し、Cisco UCS サーバーもTintri VMstoreもユニアデックスで保守を行っていただくことで対応の迅速化を図っています。保守の窓口一本化により、当社で問題を切り分ける必要もなくなりました。
2016年夏には、別のデータセンターで同じ構成のサービス仮想基盤が稼働します。仮想基盤上で動く「DMM.com」のサービスが増えていくことから、ユニアデックスの保守の重要性はますます大きくなるでしょう。今後も当部と密に連携し、当社の事業の根幹を担うサービス仮想基盤をしっかりと支えていただきますようお願いいたします。

2016年06月取材

Profile

本社所在地
東京都渋谷区恵比寿4-20-3 恵比寿ガーデンプレイスタワー
設立
平成12年4月3日
資本金
3,000万円
従業員数
1,214名 ※2015年12月末現在
企業内容
  • システム開発・運営
  • ネットワーク/インフラの提供
  • Webマーケティング
  • 記載の会社名、製品名は、各社の商標または登録商標です。
  • 自治体・企業・人物名は、取材制作時点のものです。