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Case Study

ネットワーク/サーバー構築

2009年2月25日号
QRコードを利用した モバイル生産支援システム
現場を知ること。素材と加工品の動向を個単位でつかむこと。
つかんだデータをリアルタイムに現場に「見える化」すること。
オペレーションに欠かせない電話通信基盤を整備すること。
この命題の解決が、無線LAN対応型携帯電話の活用にあった。
カメラ付ケータイを情報端末として活用。約2,000種におよぶ鋼材の加工作業指示と作業進捗を一台の端末からアクセスすることで、 迅速性と正確さの両立を実現し無駄と間違いを排除。




システムと特徴
 
情報端末に携帯電話を活用し、QRコードを利用したデータベース連携と音声通信環境を無線LAN上に実現。納品された鋼材に貼付のQRコードタグを無線LAN対応型携帯電話で読み込み、入庫/在庫参照、作業指示/確認、対象鋼材確認、加工進捗確認、出庫確認、棚卸しといった一連の作業の指示/確認から加工内容や在庫の動きなどの作業スケジュールを現場の作業担当者はもちろん営業マンも携帯電話で確認でき、間違いのない加工と顧客対応が可能に。さらに、構内PHSや携帯電話など一人が数台の携帯電話を持ち歩いていたものが、音声だけでなくデータ通信も一台の端末に集約することで、迅速性、正確性、安全性そしてコスト削減が実現できた。
  • 個体情報と作業情報をQRコードで管理するから、状況をリアルに把握できる。
  • QRコードデータを基幹システムのデータベースに取り込むことで棚卸しも迅速にできる。
  • 音声通信も一台の携帯電話に集約できるから、安全かつ通信コストも削減できる。
  • 工場内の異状発生時にもEメールで一斉通達ができる。

青柳鋼材興業株式会社 様
システム構成図



導入前の課題

リアルタイムにできなかった進捗管理
千葉県船橋市と浦安市に厚鋼板の加工工場を持つ青柳鋼材興業。船橋市の主力工場は奥行き200m、幅60mの広大な空間を持つ規模である。ここに、厚さ4.5mmから180mmまでのさまざまな寸法と材質の鋼材が積み上げられている。この加工は、図面を基にCADオペレーターが指示書を作成、現場はこれを基に鋼材を探し加工を行っていた。しかも鋼材の種別情報は表面に書込まれているため、重ね置かれた鋼材を都度クレーンで吊り上げての非効率な確認作業。確認後、機材の確保、作業内容の確認、対象進捗管理を行い、これら情報を現場のほか営業マンにも反映の必要があったが、作業情報反映に遅れがあった。しかも確認・入力作業は翌日以降だったため、リアルタイムな作業進捗把握ができなかった。これが異材混入などを招く可能性があり、品質上の大きな課題であった。


棚卸しに多大な労力と時間
素材と加工後の端材の的確な把握で、経営コストを削減するための年1回の棚卸しに一週間を要していた。しかし約5000枚/7000トンの確認には、一枚一枚をクレーンで吊り上げるために多くの時間が割かれていた。また端材の製品情報が不明となり、在庫割り出しは入出荷データとの突き合わせをしながらの手作業であったため、 正確性の確保に課題が残っていた。


一人が数台の音声コミュニケーション端末機を携帯
構内通信用のPHSのほか、外部連絡用の携帯電話を所持し、さらに在庫管理用PDAを持つことは、現場での安全性の妨げが懸念された。



導入後の効果

無線LAN対応携帯電話の活用、QRコードでデータ管理
リアルタイムな進捗管理と棚卸しには、入荷時の鋼材把握、加工指示、出荷という一貫システムと履歴管理のトレーサビリティー確保が必要だった。こうした仕組みの構築のためには、一般的にRFIDの利用を考えるが、工場内完結でコストを考慮するとその利用の必然性を見いだせなかった。そこで注目したのが、携帯電話に対応するQRコードを鋼材と作業確認の情報源として活用することであった。入荷時に発注データを基にしたQRコードタグを鋼材に貼付、それを読み取り受注物件情報を表示させることで、鋼材選択や加工内容の取り違えを無くした。また重なった鋼材でも見えるようにしたタグの貼付で吊り上げを不要とし、正確性と共に迅速性、労力の軽減も図った


現場の正確性がビジネス効率を向上
型番、サイズ、保管場所の把握で、加工作業はもちろん、出荷から営業・経理処理まで正確なデータ連携が可能となった。現場で正確なデータを捉え発信することで、一連の業務効率化が実現。これは棚卸しにも活かされた。以前のように工場を停止せずに随時把握が可能となり、トレーサビリティーの観点からも信頼性向上がなされた。


無線LAN環境の障害を解決
工場や現場で、無線LAN対応携帯電話を情報端末として活用するには、安定した運用環境が求められた。しかし鋼材の山は著しい電波障害を引き起こす。これで情報が停滞したのでは、正確性も迅速性も実現できない。これを払拭したのが、ユニアデックスの無線LAN環境構築技術だった。構内では内線電話として、社外では携帯電話とし、携帯電話一台でデータ連携から音声通信までが可能となった。



お客様の評価
ストレスのない基幹業務システムへのアクセスをEMAで実現

「携帯電話によるアプリケーションアクセスのネックが"レスポンス"」と、情報システム室室長の浅水忠己氏は語る。「QRコードリーダーの起動やアクセス不全、操作性などは工場で作業するオペレーターにとってのストレス。これを払拭したのがEMAアプリケーションプラットフォームで作成されたBREWによるアプリケーションだ。携帯網経由のWEBアプリとは違い携帯に搭載するアプリで基幹業務システム端末として機能させ、数個のキーを画面に従い操作するので現場でもストレスのないリアルタイム処理が可能となった。」カメラの起動・読み取りも応答が速く、まったくストレスを感じさせないという。

アプリケーションの開発もユニアデックスがツールを提供

一方「高度なスキルレベルが要求される携帯のアプリ開発に不安はあった」と浅水氏。開発費抑制と業務プロセスの迅速な変更には自社開発が前提。これに応えたのがEMAアプリケーションプラットフォーム。その簡便性は、5回の開発講習受講で、社内開発・運用可能になったことからも証明される。

品質向上、取引先の信頼も得、コスト削減などに大きな期待

カットオーバーし3ヶ月の試験運用後では、携帯操作に不慣れな部長職など6名が参加したシミュレーションで1時間500枚の棚卸ができた。初めは一人40枚/時間の読み取り作業が、慣れると150 〜 200枚/時間を見込めるとのこと。「今回の開発で棚卸しの大幅改善と迅速化が図れた。更に異材混入防止対策確立、品質向上、取引先への工程進捗状況開示など、お客様からの信頼に応えられると大いに期待している」と社長の高橋雅雄氏。さらにPHSや携帯電話を複数台持ちながらの作業は必要無くなり、安全性の向上はもちろん、通信機器コスト節減も実現できたのである。






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