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―岡田―
みなさん、こんにちは。オープンソースの標準は産業、経済社会に新たな価値と大きな変化を生み出し続けています。本日の「オープンソースによるビジネスイノベーション -インパクトのある打ち手を探る-」では、昨年の「BIT2006」でもご好評いただきましたOSSパネルディスカッションの第2弾として業界を代表する屈指のメンバーをお迎えして、オープンソースの今と将来を分かりやすく掘り下げていきます。ここでしか聞けない話が満載です。エンジニアの方々はもちろんのこと経営者層の方々にも大変興味深いディスカッションになることでしょう。
どうして今回のセッションのテーマが「オープンソースによるイノベーション」となったかですが、ITの歴史を振り返ってみるとわかります。ITの世界には、これまでに大きく3つの波がありました。1つ目は計算機の波、次が計算機から機能を伸ばして垂直統合したメインフレームの波、その次がレイヤーを分けて水平に広がっていったオープンシステム化の波です。IT業界の歴史は短いにも関わらず、すでに3つもの波が来ています。そして2010年を3年後に迎えようとしているときに、もっと広い意味で「オープン」という考え方が機能する、「情報のオープン化」の波が来ることを多くの人が期待しています。それが「イノベーション」と関連して取り上げられているわけです。そこで本日のパネリスト4名はそれぞれの立場でイノベーションを起こしてきた、「4人のイノベーター」と名付けています。 また、本日のサブタイトルは「インパクトのある打ち手を探る」ですが、「打ち手」とは何か? 「ブルーオーシャン戦略」という書籍によると、現在の状況から何かを「減らす」「取り除く」「足す」「付け加える」ことによって、新たな「打ち手」を生み出せるとされています。つまり、これらの組み合わせが「打ち手」です。たとえば、企業ならコストは「減らしたい」、新しいサービス・機能は「付け加えたい」ですよね。この考え方が、いかにオープンソースと親和性があるかのということを4人のイノベーターの方々にお伺いできればと思っています。 さて、本題に入りましょう。今年のトピックスとして、外部環境の大きな変化から見ていきましょう。この辺りについて、まずは、松隈さん、どう思われますか?
―松隈―
「マクロ環境」という大きな枠組みを捉えてみた場合、例えば世界の経済や産業構造の動きは「クローズド」から「オープン」に移り変わっているという潮流が見て取れます。また、地球規模の課題となっている国際テロや地球温暖化への対策は国際的な協力関係が構築できなければ解決は難しい状況です。つまり、「オープン化」、「コラボレーション」はマクロ的にも必然的な流れであると言えます。オープン化するということは、様々な連結部のインターフェース統一や基盤となる規格の標準化を行うことであり、また、そのことによって効率化をはかり、コラボレーションを進めやすくするということですよね。私は「オープンソース」のムーブメントは「オープン化」、「コラボレーション」といったマクロ環境の大きなうねりの中において必然的に生まれた、ひとつの現象であると捉えています。
―宇佐美―
近年、日本政府もオープンソースソフトウエア(以下、OSS)の価値に注目していますね。総務省の「情報システムに係わる政府調達の基本方針」でも、従来の特定ベンダーへの一括調達ではなく、共通基盤、個別業務、ハード、運用、保守を別々のベンダーに分離調達して、システムの透明性や柔軟性を向上させる等の試みを行おうとしています。 そのコンポーネント間の“インターオペラビリティ(相互運用性)”は『オープンな標準』に基づく要求要件の記載を求めています。オープンな標準とは、「1.開かれた参画プロセスの下で合意され,具体的仕様が実装可能なレベルで公開されている」「2.誰もが採用可能である」「3.技術標準が実現された製品が市場に複数ある」標準であると定義されています。オープンな標準の実現にあたってOSSの親和性が高いため、非常に注目されています。
―吉岡―
ここ20年くらいでOSSを巡る環境は大きく変わってきました。少なくともお客様に決めていただく選択肢が増えました。組み合わせも自由になりました。しかも、OSSはWindowsのようにブラックボックスではないから、透明性が高くなったといえます。そうなると、それだけ製品の価格にも競争原理が働きますし、その結果が今のような1社独占ではない健全な状態になってきているのでしょうね。
また、製品としてのOSSが普及している以外に、運用と保守のサービスに関しては、製品を提供しているベンダーとは違うベンダーから提供されるようになってきたというのが大きな特徴です。政府の調達でもシステム全体を分けて考えて、運用の部分と保守の部分、それぞれ違うベンダーを選定しています。メンテナンス、サービス、サポートの部分が、さまざまなベンダーで可能になったというのが大きな違いです。そういう変化が出てきているわけですね。
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