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Feature Story
2008年4月28日号

■サンの作り出すサーバーのこだわり
- 松隈 -
「もうひとつ、サーバー作りに関して、サンがこだわっていることがありますよね? RAS(ラス)機能というか、設計思想というか…。そのあたりをお話いただけますか?」


RAS(ラス)
Reliability、Availability、Serviceabilityの頭文字を取ったもので、システムの信頼性を向上させるための、技術的背景を示す概念。
Reliability…「信頼性」
Availability…「可用性」(障害時にいかに速やかに復旧するかなどシステムの稼働率の向上を目指すもの)
Serviceability…「保守性」
- 的場 -
「x86系のサーバーは、「PCサーバー」と言われるように、どうしてもPCからのボトムアップというイメージがついて回り、安くてそこそこ使えればいいよね、と考えられがちですが、我々はそうではなく、今日現在も数多くの企業で基幹システムとして稼動しているSPARCエンタープライズサーバーで培ってきたRASの設計思想をx86系サーバーにもきっちりと受け継いでいます」


- 的場 -
「たとえば、サーバーの中で壊れやすい部分はどこかというと、やはり電源周りや冷却ファンだと思うんです。どんなに良い部品を使っていたとしても、回転すれば摩耗もするし、消耗もします。そんな場合に備えて、片方が壊れたとしても、片方が動いていればサーバーとしては機能するように、どのメーカーでも電源周りに関しては作ってあるのですが、我々が今、こだわったのは、「サーバーを止めずにすべての冷却ファンを交換できるようにする」ということです。これはまだうちの製品しか実現してません」


- 的場 -
「具体的に申しますと、冷却ファンを本体のフロント部分に一列に並べていて、それぞれに“フタ”をつけています。ですから筐体の箱を開けなくても、壊れた冷却ファンの部分のフタを開けさえすれば、交換が可能なのです。もちろんサーバーを止める必要もありません」


- 松隈 -
「それは画期的ですよね。先ほど「サーバーの設計からこだわっている」というお話が出ましたが、こういうカタチで生かされているんですね。なるほど…」


- 的場 -
「さらに、これはこだわりというか、サンが好きなんだと思うのですが、交換可能なデバイス一個一個に、すべてLEDをつけているんです。メモリスロット、CPUソケット、冷却ファン、ディスクといったものには全部付いています。しかも前面と背面の両方のパネルにLEDをつけたので、「どこがおかしいのか」が一目でわかるようになっているんです。この機能も他社に先駆けサンが一歩先に出ている部分だと思っています」


- 松隈 -
「LEDランプの存在は、情シス部門やエンジニアにとって、本当に有り難いですよね。今まではどの部品が壊れているのか、どの部分のメンテナンスが必要なのかを見極めるために、ログを解析したりなど、どれだけの時間を費やしたことか…」


- 松隈 -
「サーバーを止める時間も短縮できるし、作業時間も思いっきり短縮化できる。これはかなりの効率化と言えるでしょうね。何しろムダな時間を思いっきり削減しているわけですから」


- 的場 -
「そうですね。おかげさまで現場の皆さんには、大変喜んでいただいています。しかしながら、管理部門や経理部門の方々には、この良さがなかなかわかってもらえない…というところはありますね(笑)」


- 松隈 -
「確かに…。逆に現場の人間はCPUやメモリなどのスペックは非常に気にしますが、毎月いくら電気代がかかっているかなんてことは、日々まったく考えていませんからね。そういう具体的な数字を把握しているのは、経理や総務部門の人間で、彼らはサーバー管理の実作業がどんなものかはよくわからない…。この温度差というか、理解の壁、さらには目的意識が違うところこそ、グリーンITを推進する上で大きな課題になっているのかもしれませんね」

■グリーンITは機器の効率化だけではない
- 松隈 -
「ちょっとデータセンターの話しに戻ってしまうのですが、本当に今データセンターが抱える問題は、今、かなり逼迫しています。とにかく、場所もなければパワーも足りない。でも需要は増えている…という、早い話がアップアップの状態なんですよね」


- 的場 -
「そのようですね。おまけに、IT資産の単位面積あたりの熱放出量はどんどん大きくなっているし…」


- 松隈 -
「ですから、今後、サーバーを入れ替える必要が出てきた場合、省スペースで、なおかつ電力効率が良いハードウエアをオススメしていくことはもちろん大切ですが、それだけではなく、運用の仕方、お客様自身がどうグリーンITに取り組んでいくかを支援する…そんなおつきあいをして行けたらなぁと考えています」


- 松隈 -
「“ITが人と社会に出来ること”というのが、ユニシスグループのスローガンです。我が社はまだサンさんのように、具体的にグリーンIT化に向けてプロダクトやサービスを体系的に整理するというところまでは来ていませんが、いろいろいとお話を聞いていると、今我が社が推進している技術って、グリーンITに結びつくなぁと思うんです」


- 的場 -
「おっしゃるとおりだと思います。御社の推進する、サーバー仮想化の技術にしても、最小限のハードウエア構成で効率よくサーバーを動かそうというものですから、これは省スペース化にもつながるし、省電力化にもつながりますよね」


すいません…。サーバーの仮想化がどう省電力化につながるのか、もう少しわかりやすく説明していただいてもよろしいですか?

- 的場 -
「今、サーバーの実稼働率は大体20%くらいだと言われています。早い話が1000万円のサーバーを買ったのに、実際には200万円分しか使っていないというわけです。これじゃもったいないので、仮想化の技術を使って1台の物理サーバー上で5台分の仮想サーバーを働かそう! 5台分動かしたら1000万円まるまる使え、元は取れますよね、というのが、サーバー仮想化の基本です。当然ハードウエアを5台買うよりもコストを押さえることができますし、省スペースにもなる」


- 松隈 -
「シンクライアントにしてもそうですよね。従来のクライアンをシンクライアント化して、サーバー側で一局集中管理することで、クライアントにインストールするソフトの費用もかからなくなるし、運用管理コストがはかなりの勢いで削減できます。これも立派な省電力化です。また、クライアントのハードウエアの構成も軽くなるので、電気もかからないし、温暖化ガス放出の削減にもつながる…と。そう考えていけば…。なんだかグリーンITというものに対して、我が社がどう貢献できるか、見えてきたように思います」


- 的場 -
「今後、データセンターそのものもどんどん変わっていくと思います。現に今、地下の廃坑にデータセンターを作ったらどうかという構想も持ち上がっているようで…。10年後にはそうなると言われていますし…」


- 松隈 -
「地下は温度が一定してますからね。冷却するためのエネルギーやコストも、そうすることによってだいぶ押さえられるでしょう。良いところに目をつけた人もいるものですね」


- 的場 -
「ええ。エコフレンドリーなデータセンターの登場ですよ。すでに優れた良い部品は揃っているし、実現できる技術もある。あとは人々の意識次第ではないでしょうか」

■「エコ」は儲からない、は間違い
- 松隈 -
「そうですね。しかし「エコ」っていうのは、大切であることはみんなわかっているものの、どうしてもまだボランティアというイメージが強いのか、エコは儲からないというイメージがあるからなのか、企業としてのグリーンITへの取り組みは、まだまだ活発ではないように思うのですが…」


- 的場 -
「そうですね。実際、サンが主催するエコをテーマにしたセミナーを何回か開いているんですが、まだあんまり響く人が少ないのが現状です。エコ的な観点よりも、これを導入すると、どれだけ経費が削減できるかといったところには、興味を持たれている方は多いんですけどね」


- 松隈 -
「そうでしょうね〜。弊社のことを振り返ってみても、やはりサーバーはCPUの性能がよく、そしていかに価格が安いかといった「価格対性能」の観点しかなく、省電力性能がいかに大事かという、エコ的な観点については、なかなか気付きませんでしたから…。でも、弊社でも各フロアに分散していた部門サーバーを一箇所に集めようとしておりまして、それをやることによって、ずいぶんと電気代や他のコストが削減できると聞いています」


- 的場 -
「その通り。サンは少し前から実際に行っていて、世界中に分散しているサーバーを、どんどん一箇所に集めています。そうやって集中させることによって、実際にかなりのコストダウンになりました。そのノウハウはしっかり持っていますし、お客様にもお伝えしています」


- 松隈 -
「なるほど…。コスト削減とエコは相対するものではないということに、早く気づいて欲しいですよね」


- 的場 -
「そうなんです! 今はまだ“エコ=我慢”みたいなところがあるんですよね。「○○しない」とか「経費削減」とか…。確かにそれも大切ですが、「○○しない」という側面だけでなく、「エコ的にITを使うことによって、もっと生産性を上げていきましょう!」と、皆さんに訴えて行きたいですよね。コストが下がるだけでなく、生産性も上がり、ひいては企業の利益にもつながるというのが、我々が伝えたい一番のメッセージです」






- 松隈 -
「そしてみんなが幸せになると…(笑)そのためのシンクライアントであり、仮想化であり…。それを効率よく実現できるのが、サンのサーバーなんですよね」


- 的場 -
「ありがとうございます。やっぱり人類の最も貴重な資産は、地球ですからね。それを守り、共存してこそのITなんだと…」


- 松隈 -
「次の世代のためにも、今、できることからやっていかないと…ですよね。」


貴重なお話、ありがとうございました!
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  高橋浩子(たかはし ひろこ)
プロフィール:
「くすっと笑ってタメになる」をモットーに、パソコン・IT関連の本を書き続けるテクニカルライター。書籍・雑誌・Webサイトの連載など、幅広い執筆活動を中心に、メールマガジンプロデュース、ホームページ制作アドバイス、小さな会社のPCコンサルタント、講演などを手がける。今年はライターデビュー10周年である。
毎週木曜日に、腰が抜けるほどの長さを誇る『高橋浩子の日本一“お気楽”なパソコンマガジン』を配信中。
【ティー・キューブ http://www.t-cube55.com


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