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Feature Story
2008年7月11日号

SLAのエバンジェリストが本を出しました! 

日本版SOX法(以下J-SOX法)の適用が2008年4月からスタートしました。いよいよ本格的に企業の内部統制の強化が求められる時代に突入したわけですが、適切な内部統制を実現するためにはITの役割も多く、特にITの運用管理面でまだ課題を抱えている企業も多いと聞きます。 そこで、今各企業が注目しているのが「SLA(エスエルエー)」、サービス・レベル・アグリーメント(Service Level Agreement)です。 ユニアデックスはいち早くSLAの重要性に着目し、2004年頃からお客様にSLAの考え方を提案し、その策定の支援をしてきました。今回はそのスタート当初からサービスの中心となって動いてきた、ユニアデックスきっての「SLAエバンジェリスト」であり、ITILマネジャーである古川博康さんに話を伺いました。

古川さんは2008年1月31日に「SLAの作成法〜サービス・レベル・アグリーメント〜」という著書を出版したばかりです。SLAを聞くなら、SLAを語るなら彼しかない! そんなベストパーソンに、SLAについての様々なことをズバリ、お聞きしました。
それでは参りましょう!!


■SLAって何だ?!
SLA(えすえるえー)とはITサービスを提供する側と、そのサービスを受ける側(委託者)との間での取り決めを「文書化」したもののこと。「どんなサービスを提供する(される)のか」、サービス内容や範囲、サービスの品質について細かく取り決めを行い、双方が合意した上で文章にするものです。「サービス」の「レベル」を「合意(Agree)」したものだから、「サービス・レベル・アグリーメント」。専門用語なので難しいのかなと思いきや、実はひねりなしのストレートなネーミングなんですね。

そんなSLAですが、「サービスのレベルの合意」と言われても、一般的にはまだピンとこない部分が多いのも事実だと思います。「IT系のことなら、私たちには関係ないし…」と思われている方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?

ということで、しょっぱなからズバリお聞きしちゃいます。「SLAって、一体どんなものなんでしょうか?」エバンジェリストとしてわかりやすく解説してください。
◎SLA:えすえるえー
「Service Level Agreement(さーびす・れべる・あぐりーめんと)」の略。IT関連のサービスを提供する側と、サービスを受ける側で合意の上作成するサービスの保証に関する文書のこと。サービス内容、サービスの範囲、品質などが、システムの開発・運用はもちろんのこと、ネットワークの構築からデータのバックアップなどの運用方法、サービスデスクなど幅広いサービスが対象になっている。企業内におけるIT部門と利用部門間にて策定されていたのがルーツと思われるが、最近ではネットワークサービスや本社とグループ会社間でも策定されるようになっている。
- 古川 -
「そうですね。大きく分けて3つの効果があると思っています。ひとつは、SLAを導入することによって『お客様との良好な関係を保つ』ことができること。SLAはお客様に“満足”していただくために、とても有効な方法だと考えています。二つ目は『運用管理業務を“見える化”して、運用部門のモチベーションを上げる』ことができるということ。そして三つ目は『IT全般統制の“要”』として機能するのがSLAである…と。こんな感じでわかりますか?」

SLAを導入すると、3つも良いことがあるんですね。特に「モチベーションがあがる」などと言われると、俄然興味が湧いてきます。なにやら素人にも噛み砕けそうな予感が…。でも、SLAのどのあたりが「お客様と良好な関係を保つ」ために役立つのでしょうか?

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■SLAはお客様の“満足”を引き出す画期的な方法だ!
サービスの質やレベルを取り決めて文書化する…。それがSLAなのですが、それがどうして人間関係に良い影響を及ぼすのでしょう?

- 古川 -
「IT部門を担当している方は、どうしてもシステム管理、もっというと技術的な考え方に傾いてしまいがちです。今まではそれでもなんとかなったのですが、これからはそうは行かない。多くの企業様が参考にしている「ITIL(あいてぃる)」では、『もっとお客様の視点に立ちなさい』と言われているんですよ。」

ここでいきなり大切なキーワードが出てきました。「ITIL(あいてぃる)」です。ITIL抜きにしてはSLAは語れないというほど、深い関係にあるものなので、この機会にぜひ言葉だけでも覚えてみてください。決して損はしないと思います。

◎ITIL:あいてぃる
「IT Infrastructure Library(あいてぃー・いんふらすとらくちゃ・らいぶらりー) イギリス政府が1980年後半に策定した、コンピューターシステムの運用・管理業務に関する体系的なガイドライン。数冊の書籍の形でまとめられており、全世界における実際のIT運用のノウハウが集約されている。いわばIT業界のデファクトスタンダード。日本ではITILの普及を目的として作られた非営利団体(NPO)itSMF Japan(http://www.itsmf-japan.org/)が日本語版を作成している。
「ITIL(あいてぃる)」というのは、英国政府が作ったIT運用管理の国際的お手本のこと。古川さんがおっしゃるとおり、多くの企業が「ITの手引き書」として参考にしています。そのITILもバージョンアップを重ね、最新版はVer.3。現在日本語化を猛烈な勢いで進めており、今年の5月以降から、翻訳が完成し、順次発行されています。

- 古川 -
「ITILというのは、今までは“プロセス管理”に焦点があてられていたんですね。いかに効率良く管理・運用するためにはどうすればよいかということですよね。でも、最新版になると、さらに違った視点というか、価値観が強調されてきます。それは何かというと“サービスの価値”なんです。つまり、“お客様に対して、価値あるサービスを提供するためには…?”ということが論じられています。

サービスの価値ですか。さきほどの「お客様の立場に立って」ということと合わせても、なんだかI T分野とはちょっと距離感がある言葉のような気がしてしまうのは、私だけでしょうか。「お客さまのタメに」とか「顧客満足」といった言葉は、飲食業などを含むいわゆるサービス業界ではよく耳にする言葉ですが…。

- 古川 -
「ええ、確かにそうですよね。でも、ITとはいえ、サービスを提供するにあたって“何が一番大切か?”というと…。“お客様が何を求めているか?”なんですね!!」

なるほど…。お客様の期待通りのものを提供できなければ、お客様は満足してくれません。当たり前のことのようですが、とても深くて大切なことだと思います。

- 古川 -
「これをITILでは、 【 顧客満足 】=【 顧客の期待 】−【顧客の認識 】 という図式で表しているんです」

「こっちがいくらがんばっています!と、言ったところで、お客様が求めているものとかけ離れていたのでは、『何をやっているんだ』ということで、決して満足してはもらえません。そりゃそうですよね。ですから、サービスレベル管理は、お客様の期待を管理すること。そして、その期待に応えられるサービスレベルを提供していくことが、目的なんですね」


とはいっても、お客様のニーズにばかり応えていたのでは、大変なケースも起きてしまうのではないですか?確かに顧客あってのサービスですが、無理を通せば道理が引っ込むというか…。

- 古川 -
「その通りですよ。だからこそ、SLAが大切なんですね。『ここまでやりますよ』『こんな時にはこうしますよ』と、お互い納得の上で細かく決めていき、それを文書化しておく…。こうすることによって、無理な要求もなくなるし、不必要、不適切な対応もなくなります」

おお。それでSLAが「良好な関係を保つ」ための、素晴らしい方法ということなんですね。
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