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Feature Story
2008年8月7日号

屋久島が実現した次世代“情報共有基盤”
〜Web2.0時代の情報共有のカタチを提案する NetCommons(ネットコモンズ)〜

天然記念物の屋久杉で有名な屋久島が、情報共有基盤システム「NetCommons(ネットコモンズ)」を採用して、屋久島のホームページを構築しました。導入費用はナント、サーバーのレンタル費用を含めて100万円。制作期間に至っては、わずか1カ月というのですから驚きです。

これだけの内容で、なぜこのような費用と期間で作成することができたのか?しかも、屋久島町という自治体が作ったというところに、ぐっと関心度が高まります。

しかも、このプロジェクトには、ユニアデックスが縁の下の力持ちとなって、協力しているとのことで、NetCommonsの開発者であり、NetCommonsプロジェクトを牽引している国立情報学研究所(NII)社会共有知研究センターのセンター長である新井紀子教授にお話を伺いました。また、この「社会共有知研究センター」の産学連携研究員として同センターの活動をしている、ユニアデックス商品戦略部マーケティング室プラットフォーム戦略グループの松隈基至(まつぐま もとゆき)さんにもご登場いただきました。NetCommonsとは何か?
なぜ屋久島町のページを作るに至ったのか?導入してどうなったか?といった素朴なところから、将来の展望についてざっくばらんにお話頂きました。お二人の軽快な会話のやりとりの中で、教育現場、公共機関という、企業とはまた違うフィールドでのICTの活用のいろんな可能が見えてきました。  



■「NetCommons(ネットコモンズ)」って何?

屋久島の話に入る前に、まずは「NetCommons」とはどういうものなのか、その概要から簡単にご説明いただけますか?

- 新井 -
「NetCommons(ネットコモンズ)」とは、小中学校、高校、大学のような教育機関、図書館、市区町村や地方自治体などの公共機関をターゲットに開発をした情報共有基盤システムです。2001年から開発がスタート。様々な実証実験を重ね、2005年にオープンソースソフトウエアとして世の中に発表しました。2007年10月現在の実績では、教育機関をはじめとして、約1,500の各種団体に導入されているんですよ」

1500もの団体が実際に使っているんですか。それはすごいですね。

- 新井 -
「私たちがNetCommonsの開発に着手したのは、2001年に入ってからですが、その少し前、2000年にスタートしたe-Japan構想でも、「学校の情報化」「教育のIT化」というのが大きな柱となっていました。といっても、当時の情報化といったら、パソコンを導入してプリンターをみんなで使うとか、WordやExcelなどのソフトを使えるようになるとか…(笑)もっぱらインフラの整備に焦点が当たってたんですよね。」

- 松隈 -
「学校にパソコンを導入しよう、ネットワークを作ろう、インターネットにもつないで、学校のWebサイトを作ろうといった数値目標がやっと出そろった、というのが、2000〜2001年頃だったように記憶しています」


- 新井 -
「さぁ、パソコンもプリンターもひととおり導入できた、ネットワークも完備されている、一応ソフトも使えるようになった、となったときに“さーて、この後は一体どうすればいいんだ?!”と、立ち止まってしまうところが多かったんですね。一口に「情報の共有化」とか「情報発信」と言われたところで、“どんな情報を発信すればいいのか?”“情報を共有することで、何が良くなるのか?”といったイメージが、たぶん湧かなかったのだと思います」

- 新井 -
「最初は学校がホームページを持っているだけでも「エライ!」って褒められていたのに、社会のIT化のスピードに合わせて、保護者の方々の要望も、どんどんレベルアップしていったんです。たとえば、不審者情報などを学校側から提供して欲しいとか、学校の行事の様子をブログで公開して欲しいとか、ホームページを作っても情報が更新されないのでは、いずれ誰もみなくなるとか…」


それは先生方も大変ですね。一般社会では当たり前のようにできていることが、学校でもできて当たり前。保護者の方がそう思うのも、もっともな話ではありますが、言われた方はたまりません。

- 松隈 -
「学校でのパソコンの管理や、ホームページの運用は、だいたいパソコンに詳しい先生が担当してるケースが多いんですよ。他の先生方は「よくわからないから、◎◎先生におまかせ…」みたいな。でも、任された先生だって、ITのプロではないし、パソコンやサーバーの運用業務が本業ではない中で一所懸命に頑張っていらっしゃる。そして、日々の業務に追われたあげく、運悪くトラブルに遭遇したときには、その人の責任だ、みたいなことも言われ…」


まさに踏んだり蹴ったりですね。なまじパソコンに詳しかったばっかりに、そんな大きな負担を背負わされることになるなんて…。でも、現実にはそんな先生方も、たくさんいることでしょう。

- 新井 -
「そこで、学校の情報化を一手に引き受けて、“これひとつ操作を覚えれば、情報の発信や共有化ができますよ”というワンストップのツールを作ろう、ということになったんですね。ワープロが使えるくらいの知識とスキルがあれば、Webページを作れるようになり、またグループウエアとして情報の共有化ができるようになる。先生全員、学校全体がひとつになって、みんなが情報発信や情報共有ができるようになると思ったんです」


誰でも作れるわけですから、今までのように「パソコンのことはよくわからないから…」と、逃げるわけにはいかなくなると(笑)

- 松隈 -
「そうですね。でも、そのくらいやらないと、当然のごとく、情報の共有化もうまくいきません。“詳しい人だけが使う”“一部の人のもの”という感覚では、いつまでたっても真の意味のIT化は進みませんから」

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