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屋久島の話に入る前に、まずは「NetCommons」とはどういうものなのか、その概要から簡単にご説明いただけますか?
- 新井 -
「NetCommons(ネットコモンズ)」とは、小中学校、高校、大学のような教育機関、図書館、市区町村や地方自治体などの公共機関をターゲットに開発をした情報共有基盤システムです。2001年から開発がスタート。様々な実証実験を重ね、2005年にオープンソースソフトウエアとして世の中に発表しました。2007年10月現在の実績では、教育機関をはじめとして、約1,500の各種団体に導入されているんですよ」
1500もの団体が実際に使っているんですか。それはすごいですね。
- 新井 -
「私たちがNetCommonsの開発に着手したのは、2001年に入ってからですが、その少し前、2000年にスタートしたe-Japan構想でも、「学校の情報化」「教育のIT化」というのが大きな柱となっていました。といっても、当時の情報化といったら、パソコンを導入してプリンターをみんなで使うとか、WordやExcelなどのソフトを使えるようになるとか…(笑)もっぱらインフラの整備に焦点が当たってたんですよね。」
- 松隈 -
「学校にパソコンを導入しよう、ネットワークを作ろう、インターネットにもつないで、学校のWebサイトを作ろうといった数値目標がやっと出そろった、というのが、2000〜2001年頃だったように記憶しています」
- 新井 -
「さぁ、パソコンもプリンターもひととおり導入できた、ネットワークも完備されている、一応ソフトも使えるようになった、となったときに“さーて、この後は一体どうすればいいんだ?!”と、立ち止まってしまうところが多かったんですね。一口に「情報の共有化」とか「情報発信」と言われたところで、“どんな情報を発信すればいいのか?”“情報を共有することで、何が良くなるのか?”といったイメージが、たぶん湧かなかったのだと思います」
- 新井 -
「最初は学校がホームページを持っているだけでも「エライ!」って褒められていたのに、社会のIT化のスピードに合わせて、保護者の方々の要望も、どんどんレベルアップしていったんです。たとえば、不審者情報などを学校側から提供して欲しいとか、学校の行事の様子をブログで公開して欲しいとか、ホームページを作っても情報が更新されないのでは、いずれ誰もみなくなるとか…」
それは先生方も大変ですね。一般社会では当たり前のようにできていることが、学校でもできて当たり前。保護者の方がそう思うのも、もっともな話ではありますが、言われた方はたまりません。
- 松隈 -
「学校でのパソコンの管理や、ホームページの運用は、だいたいパソコンに詳しい先生が担当してるケースが多いんですよ。他の先生方は「よくわからないから、◎◎先生におまかせ…」みたいな。でも、任された先生だって、ITのプロではないし、パソコンやサーバーの運用業務が本業ではない中で一所懸命に頑張っていらっしゃる。そして、日々の業務に追われたあげく、運悪くトラブルに遭遇したときには、その人の責任だ、みたいなことも言われ…」
まさに踏んだり蹴ったりですね。なまじパソコンに詳しかったばっかりに、そんな大きな負担を背負わされることになるなんて…。でも、現実にはそんな先生方も、たくさんいることでしょう。
- 新井 -
「そこで、学校の情報化を一手に引き受けて、“これひとつ操作を覚えれば、情報の発信や共有化ができますよ”というワンストップのツールを作ろう、ということになったんですね。ワープロが使えるくらいの知識とスキルがあれば、Webページを作れるようになり、またグループウエアとして情報の共有化ができるようになる。先生全員、学校全体がひとつになって、みんなが情報発信や情報共有ができるようになると思ったんです」
誰でも作れるわけですから、今までのように「パソコンのことはよくわからないから…」と、逃げるわけにはいかなくなると(笑)
- 松隈 -
「そうですね。でも、そのくらいやらないと、当然のごとく、情報の共有化もうまくいきません。“詳しい人だけが使う”“一部の人のもの”という感覚では、いつまでたっても真の意味のIT化は進みませんから」
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