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現在一般的に使われているビル用マルチエアコンは、一台の室外機に複数の室内機を接続するタイプ。各部屋や各フロアごとに室内温度などを調整できる使い勝手の良さから、中規模以下のビルのほとんどに導入されています。皆さんの会社にも入っているのでないでしょうか?
ビルの中には複数の室外機・室内機のユニットを取り付けますが、残念なことにそれぞれが連動しているわけではありません。個々の制御のみとなるため、ビル全体で空調効率を高め、省エネ効果を上げるのが難しいのが現状でした。
地球規模での省エネが叫ばれている現在、企業が省エネに積極的に取り組むことは必要不可欠です。そんなニーズを受けて今回の共同開発が始まったのですが、今までバラバラに動いていたマルチエアコンを同時に制御し、最も効率の良い空調システムを実現したのは、なんと「センサー」と「インターネット」という、すでに私たちの身近にあるものだったのです。
そんな身近なものを使ったシステムが、なぜに「日本初」なのか。なぜ今まで誰もやってこなかったのか。興味は深まるばかりです。まずはその辺りからお話していただきました。
- 吉田 -
「そもそもの始まりは、「おもしろいことを開発している会社があるぞ」と、社内の者が見つけてきたところから始まります。それが今回一緒にやったアイピースクエアだったんです」
何がどうおもしろいのか? それは「逆転の発想」でした。
インターネットや社内のLANで使われているインターネットプロトコルであるTCP/IP、特にIPの部分は、ソフトウエアで制御しています。しかし、ソフトで制御するということは、パソコンやサーバーなどのマシンが必要になり、しかもそのリソース(メモリやCPUなど)を非常に多く使用します。場合によっては本来の計算業務や画像処理などに悪影響を及ぼすことも考えられます。
そこで、もっと効率よくリソースを使えないものかと、アイピースクエアが考え出したのが、「IPをハードウエアで制御する」というものでした。「エーシック※1」と呼ばれるICチップに制御プログラムを組み込み、ハードそのものでIPを制御するという、常識を覆す極めてユニークな研究開発に取り組んだのです。
彼らは見事そのチップの開発に成功し、「エージェントプロセッサー」という名の独自のLSIを世に送り出しました。今回開発した「インテリジェント空調システム」の要となっているのも、このチップです。
※1 エーシック(ASIC)
「Application Specific Integrated Circuit」の略。特定の用途のために設計、製造される集積回路のこと。カスタムIC、カスタムチップなどとも呼ばれる。
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