Top Leading Talk Feature Story Case Study Inside UNIADEX Learning Back Number
NexTalk image メールマガジン購読のお申込み
Feature Story
2009年4月30日号

学校のWebサイトを保護者視点から勝手に表彰?!
〜見えてきた学校の情報発信の現在と今後〜

学校の「情報発信」の場として、Webサイトが利用されつつあります。お子さんの通われている学校のサイトを覗かれた方も多いのでは?
今回はいつもとちょっと視点を変えて、「教育現場」というステージでの情報発信について、考えて行きたいと思います。

学校のWebサイトをエントリーなしで、選考・表彰しているユニークなコンテストがネットには存在します。 それがJ-KIDS大賞(全日本小学校ホームページ大賞

学校のWebサイトづくりや、情報発信についてサポートしているユニアデックスとしては、大変興味があるところ。そこで、J-KIDS大賞の実行委員であり、学校に特化したポータルサイト 「i-learn.jp」*(注1)
■i-learn.jpとは?
豊福先生が管理人を務める「学校」に特化したポータルサイト。1995年2月から運営し、現在全国3万7千件を超えるWebサイトを見守り、毎日、リンク状況と更新履歴を巡回調査・記録している。このサイトを見るとそれぞれのWebサイトが今どういう経過にあって、どのくらい動いているのか客観的に把握できる。一方、Webサイトの意義と内容充実を促すため、損保ジャパンが事務局をつとめる「J-KIDS大賞(全日本小学校ホームページ大賞)」を2003年からスタートさせた。
の管理人でもある、国際大学グローバル・コミュニケーション・センター准教授、豊福晋平先生に取材を試みました。

十数年以上も学校のWebサイトの研究を続けていらっしゃる豊福先生。学校という独特な環境における情報発信の傾向や変化が見えてきたと豊福先生は言います。ユニアデックスも国立情報学研究所の「NetCommons(ネットコモンズ)」と深い関わりを持つようになってから、情報発信の現状と課題を、ごく身近で見てきました。どの方向に行けば、みんな幸せになれるのか。そのためには企業は何をすればいいのか?

今回のお話で、教育現場とITの新しい関わり方が、見えてきたように思います。



■極めてユニーク!ネットならでは「勝手選考」のJ-KIDS大賞
★J-KIDS大賞
- 豊福 -
「他の教育系のコンテストは、ふつう「応募」するところから始まりますが、J-KIDS大賞が選考する学校Webサイトは最初から公開情報ですから、わざわざ応募してもらう必要がありません。主催者側が勝手に評価し、賞をさしあげる「勝手選考」スタイルです。極めて斬新だと思っているんですが…(笑)」


ええ。そう思います。J-KIDS大賞は新しいコンテストのカタチなのかもしれませんね。

- 豊福 -
「あまりに斬新すぎて、当初はあまりわかってもらえませんでした。文部科学省にも話しに行ったことがあるんですが、「コンテストって言うのは応募してナンボでしょ」という回答をもらったりして…」


新しいことをやるときは、必ず壁があるもの。しかし、地道な活動が認められて05年には文部科学省、総務省、経済産業省の後援を受け、08年度には第6回目の表彰式を迎えることになったのです。でも、なぜ「応募なし」というスタイルを採用したのですか?

- 豊福 -
「そもそも、学校のWebサイトというものは、生徒や保護者のみなさん、教員や教育関係者といったユーザーを想定して作られるべきですよね。それがコンテストに応募してしまうと、賞を取らんがために作るサイトになってしまう危険性があると思ったんです。FLASHや写真などを多用し派手かつ奇抜に作りあげる、いわば「コンテストの審査員が見るページ」になってしまっては、一般のユーザーをかえって遠ざけてしまいます。つねに、様々な人から見られることを意識してもらうために「勝手選考、勝手表彰」は、いい手段だと思ったわけです」

評価は、地域や関係者に向けて、しかるべき情報をきちんと提供しているかを重点的に見ているため、選考基準のなかではデザインや技術の配点がそれほど高くありません。

- 豊福 -
「なぜかって? 学校のサイトは得意な先生のおもちゃじゃないからですよ」


たとえ、FLASHを駆使してプロ顔負けのWebサイトを作ったとしても、そのほとんどが製作者(ほとんどが担当の先生)の自己満足である場合が多いもの。見栄えやカタチ、デザイン性といった「外見」よりも、まず大切なのは「中身」だ。この内容重視の姿勢はJ-KIDS大賞スタート当初から、今も変わっていない。

- 豊福 -
「Webサイトの中身を問うのは、なかなか難しいものはありますが、校長先生の言葉がちゃんと語られているか、教員達の日々の教育活動をまめに発信しているか、子ども達が情報発信にちゃんと参加しているかなど、幅広い観点から客観的に、しかも誰もが判断できるようなカタチで評価しています」


ところで、実際には「勝手選考、勝手表彰」は、どのような仕組みで動いているのでしょうか? 学校の数も相当なものだと思います。まとめるのはさぞや大変なのではないかと…。

- 豊福 -
「現在J-KIDS大賞の選考対象は全国に18,000校以上ありますが、当初から多くの社会人ボランティアのみなさんに参加していただくことで活動が成立しています」

現在アップされている「選考のようす」には、18,964校が選考対象になり、その全校をボランティアが評定したと表示されています。

- 豊福 -
「関わる人が多くなると、評価の安定性が問題になります。目線がずれると評価も変わってしまうので、「これがあると何点」というように、細かく項目別に点数を決め、その合計点で評価していきます。非常にシンプルかつ合理的な選考方法だと思っています。」


「受賞校は注目されるようになりましたが、コンテストの仕掛け自体には誰も関心を向けてくれないですねぇ」と笑う豊福先生。7年目を迎える今年あたり、今までの活動を多方面から大々的に、評価されて欲しいものです。

▲ページTOPへ

メールマガジン購読のお申込み 〜真価を起動する〜 UNIADEX - NexTalk