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Feature Story
2009年5月22日号

コスト削減に効くIT
〜IT分野にはまだまだ”ぬれ雑巾”がある!


100年に一度の危機」を迎え、ITシステムのコスト削減も重要な課題となっている。その一方、ITを有効活用すればビジネスの多様な領域でコストを削減できる。どちらも果たしていくには、ITとどう向き合うべきなのか、ユニアデックス株式会社商品戦略部隆が語る。




あらゆる企業があらゆる領域でコストダウンを強化しています。なかでもITに対する企業の動向はどうですか?


「昨秋のリーマン・ショックを境に「攻めのIT投資」といった戦略は影を潜めました。多くの調査会社が例年、IT投資額の統計を発表しますが、昨年まではたとえ前年比1%でも増加傾向だったのに、2009年、2010年の予測はマイナス成長に傾いています。


ただし、やみくもに削ろうとするのは、むしろTCO(Total Cost of Ownership:導入、維持・管理などに要する総費用)低減には得策でない場合もあります。また新たなIT投資により、企業活動全体としてコストダウンに成功するケースもあるという視点を、いまこそ持つべきでしょう。」


ITコストを削減しようというとき、経営層が押さえるべきポイントを聞かせてください。


「こういう時期ですから、「一律10%削減」といった大号令のもと、どんなコストも横並びに減らそうとしている企業が少なくないでしょう。しかし、コスト削減を「ぬれ雑巾を絞る」となぞらえれば、ある雑巾はもう乾ききっているかもしれず、別の雑巾ならまだ10%以上絞れるかもしれません。「一律」の削減措置にはそういう落とし穴がつきものなので、どこかにある「びしょぬれの雑巾」を見逃さないことが一番大事でしょう

IT分野の「ぬれ雑巾」は、主に3つの観点から見極められると思います。第1に統合化の余地。第2に運用・保守のあり方。第3は先ほど触れた、コストを減らすための新たなITシステム導入です。

第1の観点について、コンピューターシステムの歴史を振り返ると、かつて集中から分散への流れが起こり、再び集中へと戻っているのが最近のトレンドです。もしもサーバーやストレージが社内の各部門別に分散した状態のままなら、それらの統合が考えられます。既存のIT資産をいっそう有効に活用でき、以後のランニングコストが低減されるのはもちろん、システムの更新や拡張にかかるイニシャルコストも低く抑えられるのです。

また分散配置されたサーバーなどを1カ所に集めたり、1台のサーバーに機能を集中させれば、当然のことながら設置スペースも合理化され、そうした面でも負担を軽減できるわけです。」

分散化しているほど、運用・保守のコストもかさむことになりますね。


「そういう悪い連鎖も起こります。さらに、ITの運用・保守コストといっても情報システム部門関連のものばかりではない。これが厄介です。例えば、社員一人一人が使うPCなどは、そもそもIT設備というより、業務用の備品としてカウントしている企業があるでしょう。「OSにパッチ(修正プログラム)を当てる」「セキュリティー対策をアップデートする」「トラブルの解決にあたる」等々、積み上げていけば実際はかなりのお金と時間もかかっているにもかかわらず、これらがあまりITのコストとして認識されていません。

大規模な企業ですと、1万台超〜数万台ものPCを使っていますが、弊社ではそれらすべての日常的な煩わしい管理業務を代行するサービスを展開しています。加えて電源コントロールやオフィス設計なども提案し、単なるコストカットでなく「グリーンIT」化を目指す企業のお手伝いもしていきます。」


3つ目の観点、コストを減らすための新規システム導入については?


「厳しい不況は、事業基盤を見直すべきタイミングともとらえられます。ITは本来、事業基盤を支えるものですから、安易に攻めから守りのIT投資へシフトチェンジするのでなく、基盤強化のために最善の策を考えるべきでしょう。

不況を迎える前も、各企業がITにかけるお金のうち7〜8割はシステムの運用・保守に向けられていました。新規導入にかける割合は相対的に小さい。しかし、厳しい時期だからこそ将来を見据えた前向きな投資も重要だと思います。例えば業務を標準化するシステム構築を通じ、効率アップ(コストと時間の削減)がもたらされます。また仮想化*技術の導入によって、古くなったシステムの延命・有効活用と、その運用コスト削減も可能になります。

また、運用・保守の占める割合がそこまで高いのは、新規システムを入れるとき「それは後で考えよう」と先送りした結果です。システムの設計段階で運用・保守も十分に考慮すべきですし、運用管理ツールを使った自動化や、アウトソーシングも選択肢となるでしょう。 *仮想化:1台のサーバーやストレージを論理的に分割し、あたかも複数あるかのように活用する。 」


社内コミュニケーションのコストを削減するシステムの新規導入も考えられますね。


「電話、ファクス、メール、テレビ会議、ウェブ会議と、いまやコミュニケーション手段は多様を極め、これらを連携・統合する動きも始まりました。コスト削減にとどまらず、コミュニケーションの活性化にもつなげ、オフィスワーカーの生産性を向上させることが狙いです。

例えばウェブ会議システムを整えるだけでも、出張費の削減に貢献してくれるでしょう。一方、ブログやSNS(ウェブサイト上のコミュニティー)を自宅で楽しむ社員の方々は多いと思いますが、そうした仕組みをビジネスに応用し、情報や知恵の共有に役立てようという発想も見られます。セキュリティーや倫理の面でクリアすべき課題もあるとはいえ、近い将来有望なアイデアです。 」

企業のIT活用には今後どんな方向性が予想されますか?


「すでにITは「所有から利用へ」というパラダイムシフトのただ中にあり、クラウドコンピューティングという形で具現化しつつあります。これは、企業が手元に持つIT資産は最小限にとどめ、ネットワークを介して外部のさまざまなコンピューター処理サービスを利用する仕組みです。近年よく見聞きするSaaS、PaaS、HaaSといったサービスもこれに当たり、普及が進んでいます。

もちろん手元に置いたほうがいいシステムもあります。あくまでも最適な「利用」を目標とした、「所有するシステム・しないシステム」のハイブリッド化が今後の趨勢となるでしょう。 」


そうしたハイブリッド化によって、各企業の実情によりふさわしい形でコスト削減も実現されるものと思います。
本日はありがとうございました。

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