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(第15回:最終回)再見 上海
2004.07.01
再見(ザイジェン)、一般的に“さようなら”という意味で使われる。また、会うことを期待しての想いがこめられておりなんともさわやかなあいさつではないか。中国語は、同じ発音でもイントネーション(声調)により意味が違う漢字(内容)になる。声調(意味)を正確に伝えるため、会話は大きな声になる。手振り身振りを交えての会話が、はたから見てけんかをしているのではないかと思うのはこのためである。さて、2003年2月より活気あるこの上海で暮らしてきたが、いかに中国に関する知識がなかったか、大変反省させられたとともに「これが社会主義の中国か」と驚かされたのというのが率直な感想である。約1年半を振り返り、また、米国での駐在生活と比較して私なりに感じた上海での感想を述べたい。
上海の中心街を歩いていると、中国というよりは欧米の国にいるような錯覚に陥る。街には化粧品やデパートの広告が溢れ、美しい女性がこちらを見て微笑んでいる。アメリカのようなショッピングモールはあるし、バスはスウェーデンのボルボ製、タクシーはドイツのフォルクスワーゲン製、高層ビルディングは、中で使用している備品や内装などから欧米人の設計者によるものとすぐに分かる。
街中の道路には必ず名前が付けられ、その道路には番地に相当する番号があり、それが住所となる。米国の住所とまったく同じ仕組みである。近代的な高層ビルが立ち並び、夜には東洋的ではあるが、圧倒されるくらいのネオンがきらびやかに輝き、まさにニューヨークのマンハッタンを思い出させる。ニューヨークのタクシーのように運転手のための防御カバーもあるし、荷物があるときは運転手がわざわざ降りて手助けしてくれる。チップは払わなくてもいいが、サービスは日本より徹底していると思う。日本人と同じ肌の色、同じ宗教的観念をベースとしているため、ある面では親近感があるが、中国人の考え方は合理的かつ個人主義であり、全体主義の日本人とは明らかに違う。どちらかというと米国人に近いと思う。新天地を開拓し、国をつくっていった米国のフロンティアスピリット、中国こそが中心であるという中華思想、それぞれに強烈な主義主張が隠されていると感じる。社会主義でありながら市場経済を導入し、豊かな明日を目指し、朝早くから夜遅くまで働く人々、わずかな寝具、衣類一式を背負い、仕事を求めて田舎から出てくる多くの人々。昭和40年代の高度成長期に父が家族のために働いてくれた後ろ姿を思い出させる。経済大国“中国”と呼ばれる日も遠い未来ではないだろう。世界で一番エネルギッシュな上海にいて、私自身色々なパワーをもらった感じがする。長い間、本コラムにお付き合いいただいた皆様に感謝申し上げます。
最後に一言、
「再見上海、加油、我的朋友、謝謝!」
以上
【筆者プロフィール】
ユニアデックス(株) 在上海
沼田忠雄
日本ユニシス米国駐在員(96年−00年)
ハードウエアプロダクト部(01年)
ユニアデックス株式会社事業推進部(02年)
上海リエゾン(03年〜)
趣味:三国志読破に挑戦中。
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