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IP電話で柔軟性のあるコンタクトセンターを構築したサイバードの事例

企業データ
企業名:株式会社サイバード
代表者:堀 主知ロバート
本社所在地:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー22F
設立:1998年9月
社員数:246人(連結)/2003年3月末
サイバード
事業内容:国内外におけるインターネット対応携帯電話向けコンテンツサービス、モバイルを活用したマーケティングソリューションの開発/運営、ならびに次世代プラットフォームの研究開発。

コンシューマー向け携帯電話コンテンツの配信を主業務とし、携帯電話を使ったマーケティング・ソリューションの提供およびコンサルティングまでを手がける株式会社サイバード(以下サイバード)では、2003年4月の「沖縄統合モバイルオペレーションセンター」開設を機にIP電話の導入を開始。約50台のIP電話を導入しました。システムの構築はデルコンピュータとユニアデックスが担当。沖縄の産業情報ハイウェイや、低い賃借料などを有利に使うことで、低コストでのユーザーサポートを実現させるとともに、内線電話化による大幅なコストダウンにも成功しました。今回は、IP電話導入に踏み切った背景や導入のメリットについて、サイバード モバイルコンテンツ事業部運用統括部の小嶋勇志マネジャーと、同廣田千尋マネジャーにお話をうかがいました。

小嶋氏
廣田氏
株式会社サイバード
モバイルコンテンツ事業部
運用統括部 運用統括グループ
小嶋勇志マネジャー
株式会社サイバード
モバイルコンテンツ事業部
運用統括部 運用統括グループ
廣田千尋マネジャー

地方ならではのメリットを活かした選択

今回構築したシステムでは、東京と沖縄にそれぞれIP電話サーバーを設置し、産業情報ハイウェイを使って接続しています。オペレーションセンターはコールセンターとデータセンターの機能を併せ持っており、2002年10月から設計を開始したのですが、構築完了までは約1カ月半程度と非常にスピーディでした。

オペレーションセンターでは、サイバードが配信しているコンテンツの携帯電話によるチェックと、掲示板などの書き込み情報のチェック、利用者からの電話やメールによる問合せの応対といった業務を、24時間無休で行っています。以前は都内で行っていたのですが、センターを沖縄に移すことで、さまざまな経費削減が実現できると見込みました。まずは賃借料。沖縄のオフィス賃料は、都内で個人が部屋を借りる程度で済みます。続いて人件費。沖縄県の政策により雇用補助が受けられるため,約3分の1にまで削減できます。そして産業情報ハイウェイ。無料で利用可能な100Mbpsの広域Ethernetで都内と接続できました。こうした数々のメリットによって、沖縄のオペレーションセンター構築が可能になったのです。


PBX採用に比べIP電話は約半分のコストで

オペレーションセンター構築にあたり、従来のPBXとIP電話を比較検討しました。導入コストが変わってくるからです。サイバードでは、最初の導入こそ数十台ですが、最終的には本社での利用を含め、全体として数百台導入する予定があったため、1000台程度は対応できる機種を必要としていました。PBXの場合、最初は数十台しか使わないとしても1000台に対応できる交換機を購入しなければなりません。そのため、台数が少ない状態で運用している間は、大きな無駄が生じていることになるのです。これに対しIP電話サーバーは後から追加することも可能であるため、初期コストは非常に小さくて済みました。ちなみにPBXで同等のシステムを作った場合に比べ、約半分以上のコストで採用できたと試算しています。

また、ランニングコストも変わってきます。オペレーションセンターでは利用者からの電話を受けるのですが、サイバードでは都内の電話番号を公開しているために、フリーダイヤルについても東京で受けるようにしていました。東京で受けた電話を沖縄に転送する必要があるのです。従来のPBXで行うと、個々の問い合せごとに東京から沖縄までの通話料がかかってしまいます。しかしIP電話の場合は、無償で利用できる産業情報ハイウェイを使えば通話料はかかりません。利用者には、電話が東京から沖縄まで転送されていることを意識させることもないのです。


モビリティユーザー機能でフリーアドレス・コールセンターを実現

今回設置したコールセンターでは、オペレーターは3交代制、一つの席で座る人が次々に入れ替わることで、24時間無休で業務を続けます。通常コールセンターでは、オペレーターのスキルや専門分野により役割を決め、スキルの高い人や知識のある人に、業務を優先的に割り振るといった処理をします。また、お客様から掛かってきた電話を自動音声応答装置で受けたり、相手の電話番号を取得したりして、相手の情報を収集し、過去に担当したことがある場合など最適なオペレーターを割り出すといったことも行います。これには、着信させる電話機とオペレーターの紐付けが必要になってきます。そのためコールセンターシステムでは、現在どの電話機をどのオペレーターが利用しているかを分かるように管理することが必要になってきます。従来のシステムでは、たとえば内線番号0001番には午前中はベテランのA氏が、午後は中堅のB氏が着いているといった情報を管理して、これに従ってコールセンターシステムが、午前中は内線番号0001番が最優先されるが、午後は優先されない、といった具合にしていました。

しかし今回導入したIP電話のモビリティユーザー機能を使うと、内線番号とユーザーは固定したままで済みます。物理的な電話機自体には内線番号を持たず、これを利用するオペレーターがログオンすることで、その電話機に内線番号が割り振られます。つまりA氏やB氏の内線番号は常に固定されているのです。A氏が電話機を利用しているときは、その電話機の内線番号はA氏の番号に、B氏が座ったときはB氏の番号に変わるというわけです。

コールセンターシステム側で、電話機と現在の利用者の関係付けを管理する必要はありません。オペレーターがどこに座っても、的確な電話の割り振りが可能なシステムを低コスト・短期間で実現できるのです。


Webの利用

サイバードではIP電話ならではの、便利な機能も多数使っています。その一つがIP電話のアドレス帳機能です。従来の多機能電話でもアドレス帳は利用可能ですが、基本的にはキーボードよりも少ないボタンしか使うことができず、操作性は低いものでした。会社名や部署名・名前・電話番号といった項目を多数入力するのは大変面倒な作業。しかし今回導入したIP電話では、同じLANに接続されたパソコンを使用することで電話番号帳の管理が可能になりました。これによってアドレス帳の利用が非常に簡単になりました。

なお、システム検討段階ではモニタとカメラ付きの電話を導入する考えもありました。カメラで撮影した画像を、相手の電話のパソコンモニタや電話機に付いているモニタに表示する仕組みです。これは結局、予算と効果の兼ね合いにより導入しないことになったのですが、その代わりにIP電話にはWebブラウザ機能を搭載した機種を選択しています。このブラウザは携帯電話に搭載されるブラウザとほぼ同等程度の機能があります。コンテンツ制作はサイバードの専門分野であるため、ブラウザを使って社内連絡のための情報やニュースを表示させる予定です。オペレーターは必ずしもパソコンのスキルが高いとはいえないのですが、携帯電話と同じようなGUIで操作できるのであれば、特に問題はないでしょう。こうしたことから、社内で活用できる操作性の高いIP電話向けのコンテンツを計画しています。


あえて地名入りアカウントを配布

IP電話のモビリティ・ユーザー機能は、電話の利用者がどこにいても、その相手を的確に呼び出すことができるため、特定の個人を呼び出すには大変優れた機能であるといえるでしょう。

沖縄と東京の拠点でIP電話を導入したのですが、現在呼び出したい相手が、どこにいるのか調べることなく呼び出せるために、非常に便利です。

ただし、呼び出す相手が特定の個人ではなく、特定の機能を持ったグループという場合には多少無理が生じてきます。たとえば、沖縄にいるはずのグループをグループ代表番号で呼び出す場合、このグループに所属する人が、沖縄におらず東京にいたとしても、その電話は着呼してしまいます。こうしたことを避けるため、サイバードでは、沖縄と東京とを行き来する社員に対しては、地名を識別できるアカウントを配布しています。たとえばkojima_tokyoとkojima_okinawaといった具合です。東京で電話を使う場合には、東京用のアカウントを使ってログインし、沖縄では沖縄用のアカウントを使う。さらに拠点が増えた場合でも、拠点名を判別できるアカウントを使うようにします。こうすることで、東京オフィスのグループ番号が着呼した場合に、東京に属しているが沖縄に出張しているスタッフの電話が呼び出されることはなくなるのです。


24時間365日無休にする

通常のオフィスビルは年に数回、法定定期点検を行う必要があります。このときは停電してしまうため、コールセンターなどは業務を停止せざるを得なくなるのですが、沖縄のオペレーションセンターでは、自家発電装置などを使って無休のコールセンターを設置することが可能になりました。また、コールセンター機能は現在の所いくつかに分散していますので、すべてのコールセンターが同時に業務を中断してしまうことはありません。

また、コールセンターでは顧客との電話のやり取りを録音しておく必要があるのですが、PBXによる録音装置などは非常に高額です。IP電話向けのシステムでも、高度な検索機能や分類・問題解決までの追跡機能など、豊富な機能を持つものがありますが、これも非常に高額です。このためサイバードでは、今回ユニアデックスに依頼して、単純に会話内容をパソコン上に音声ファイルとして保存する機能をお作りいただきましたが、主に録音に機能を絞っているため、非常に低価格で構築できました。

サイバードとしては、IP電話をはじめとする最新技術を今後も取り入れながら、コールセンター業務の効率化ならびに有効なITインフラ整備を推進していく予定です。


本内容についてはユニアデックスIPフォンセミナーでも詳しく紹介いたします。


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