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IPテレフォニーに対するユーザーの本音。メディアの視点。

セキュリティサービスから施設管理、マンション管理、システム開発まで、総合マネジメントサービスの提供と時代を先取りした積極的な事業展開により、東海地区で高いシェアを誇る総合ビル管理企業の御園サービス株式会社(以下、御園サービス)では、この度IPテレフォニーを導入。構築をユニアデックスが担当しました。今回は、「IPテレフォニー導入の本当の目的は通信費の削減ではない」とする先進ユーザーである御園サービス(株)取締役本部長の各務修造氏、市場動向を俯瞰的に捉えている日経BP社 技術情報戦略室プロデューサーの小松原健氏にご登場いただき、それぞれの立場からIPテレフォニーの現状と未来について語り合っていただきました。聞き手は、ユニアデックス役員補佐の津田喜人が務めます。

各務氏
 
小松原氏
 
津田氏
         
御園サービス株式会社
取締役本部長
各務 修造(かがみ しゅうぞう)氏
 
日経BP社
技術情報戦略室
プロデューサー
小松原 健(こまつばら たけし)氏
 
ユニアデックス株式会社
役員補佐
津田 喜人(つだ よひと)氏

【プロフィール】
セキュリティサービスから施設管理、マンション管理、システム開発まで、総合マネジメントサービスの提供と時代を先取りした積極的な事業展開により、東海地区で高いシェアを誇る総合ビル管理企業、御園サービスの取締役本部長。IPテレフォニー導入の推進者。

【プロフィール】
先進の技術情報をタイムリーにマーケットへ提供するため、ネットワークを活用した新チャネル開発を目指して設立された戦略的な新部門技術情報戦略室のプロデューサー。現在、総務や経営層も容易に理解できるIPテレフォニー専門サイト「IP電話start」
(http://ipdenwastart.jp/)の立ち上げ準備中。

【プロフィール】              ユニアデックスにおける、IPテレフォニー事業部門の責任者。

通信コスト削減は、IPテレフォニー導入の本当の目的ではない

津 田
まず、御園サービス様がIPテレフォニーを導入したきっかけからお話しいただけますか。
各 務
10年以上酷使してきたレガシーPBXに経年劣化がみられ、電話システムをどうにかしなくてはいけないというのが、きっかけのひとつでした。そのまま最新型のPBXを導入する案もありましたが、当時、IPテレフォニーが話題になっていたので、選択肢として検討してみようということになったのです。
小松原
やはり通信コストの削減を念頭に置かれていたのでしょうか?
各 務
実はそうではありません。結果的に通信コストが下がったという事実はありますが、狙いはもっと戦略的なところにありました。今後、5年10年というスパンで市場をみたとき、お客様とのコミュニケーションをどうするのか、CRMをどう考えていくのかは、経営戦略上、非常に重要な課題です。結論として私どもは、業務アプリケーションも、ネットワークも、デバイスも、すべてがIPに統合されている流れの中で、電話だけ非IPで残すのはリスクが大きいと判断しました。高価なPBXをニーズに対応できないからといって、3年程度のサイクルで更新する余裕はありません。投資する以上、5年先、10年先まで利用できることが大前提です。そう考えれば、今PBXに投資すべきなのか、IPにシフトすべきなのか、自ずと答えは見えてきます。5年以内、いえ遅くとも3年以内に、音声がIP化され、業務アプリケーションと密接に連携して、きめ細かなカスタマーサービスが提供されるだろうことは、容易に想像できます。同じことをレガシーPBXで実現するには、膨大な開発コストと時間を要しますが、IPであれば、安く、早く、新しいソリューションを導入できます。つまり、IPテレフォニー導入の決断は、先進技術への前向きな取り組みであると同時に、市場から取り残されまいとする危機感が大きかったということで。
小松原
座談会世間一般ではIP電話というと、コスト削減にばかりスポットが当たっていますが、私もそれは違うと思っています。確かに、今のIP電話は固定電話に比べて通話料が安いのは事実です。しかし、固定電話も何年かすればIP技術を取り入れるなどして、きっと通話料金は今のIP電話レベルになるでしょう。ですから、中長期的に見れば、通信コスト削減だけを目的にIP電話を導入しても、そのメリットは薄れていくでしょう。やはり、ポイントは、IP統合によるアプリケーション連携でしょうね。
津 田
IPテレフォニーが経営戦略の重要なインフラだという理解は、社員にも浸透しているのですか。
各 務
日々電話を利用していますが、社員の大半は、それがIP電話だと知っていても、その仕組みは理解できていないようです。それどころか、ほとんどの社員は、BBフォンさんやフュージョンさんのようなIP電話の仕組みを使っていると誤解しています。もちろん、経営陣のほとんどは、企業の競争優位を築くインフラとして導入しているとの理解はあるでしょうが、実感を得るまでに、時間がかかるのは仕方がないのでしょうね。


IPにしたら既存の電話より音声品質が格段によくなった

小松原
一口にIP電話といっても、サービスや機器の構成などによってさまざまです。たとえば、コンシューマー向けのIP電話の多くは、公衆インターネットを利用するので、音声品質が不安定になりがちです。IPテレフォニーをよく理解していないユーザ企業の担当者は、こういった情報から音声品質に不安を抱いていると聞きますが、各務さんの会社はいかがでしたか。
各 務
やはり導入前は、そのような意見は多かったですね。しかし、実際に使ってみると、既存の電話より音質がいいというのが実感です。特に、ハンズフリーフォンは、まるで相手がそこに立っていると感じるくらい、音質にリアリティがあり驚きました。
津 田
それは、シスコ製Un-PBXがワイドバンド音声にコーデック対応しており、CiscoのIPフォンが、オーディオクラスの高品質なアンプとスピーカーを採用しているからなんです。既存の電話は、人の声を認識できる狭い範囲の音域しか使いませんが、CiscoのIPフォンは幅広い音域をカバーしているのです。
小松原
IP電話は端末の性能やセッティング次第で音質が変わってくると、私も聞いたことがあります。ところで、信頼性についてはいかがですか。PBXとIP-PBXの関係は、よくメインフレームとパソコンの関係に例えられ、レガシーは信頼性に優れるがクローズドでコストが高く、柔軟性・拡張性に欠ける、その反対に新しい仕組みは、オープンで安く、柔軟性や拡張性に優れるが、信頼性に不安があるといわれていますが。
各 務
座談会当社では、シスコ製Un-PBXを冗長構成にすることによって信頼性を高めています。考えてみれば、レガシーPBXはシングル構成でしたから、かえってリスクは小さくなったと考えています。それに、IPテレフォニーには十分な実績がありますから信頼性は問題ないと私は思っています。
小松原
確かに、ルーターと同じ通信機器という見方をすれば、IPデバイスは十分に信頼できる実績がありますよね。


組織変更時に目に見えない効果をはっきりと実感

各 務
導入後の効果として、もう1つ大きなメリットは、レイアウト変更の容易さです。これだけ時代の変化が激しく、市場ニーズも変わりやすい時代ですから、社内組織もそれに合わせて変更していかないと時代から取り残されてしまいます。当社では、年に2、3回の組織変更を行っているのですが、その際の管理が非常に楽になりました。以前は、カーペットを剥がし、線を抜き、番号変更をPBXベンダーに依頼して・・・と、コストも時間も労力も大変なものでした。IPにしてからは、各自がIPフォンを持って新しいデスクにつき、LANケーブルを差し込んで、すぐ仕事ができます。設定変更も、各自がWebからシスコ製Un-PBXにアクセスして行えるので、管理者は本当に楽になりました。
津 田
実際にペイするコストだけではなく、そういった目に見えないコストを削減できるのも、IPテレフォニーの大きなメリットです。


ボイスだけではないIPコミュニケーションの可能性

津 田
生産性を高める戦略的ツールとしてのIPテレフォニーの狙い、そして、さらに範囲を広げて、IPコミュニケーションを活用した今後の展開についてお伺いしたいのですが。
各 務
私どもの業態は、クロージングしてからのサービスやサポートが柱ですから、やはり、CRMは重要なターゲットです。お客様の電話に応じて、データベースを連携させ、ポータルサイトにポップアップで情報を出し、CRM機能をフルに使うことは、すでに構想に入っています。また、ボイスデータを担当者や関係部署に配信するなどの利用法も視野に入れています。サービス開発という側面で言えば、ボイスだけではなく、IPカメラなども複合的に取り入れ、ビルおよびマンション等の管理システムにも取り組んでいます。防犯、防災はもちろん、空調、照明まで、すべてを遠隔地のセンターから一元管理し、ひと部屋ごとのきめ細かな設定までIPで制御するサービスは、すでに研究・開発を進めています。
津 田
いわゆるユビキタスの世界ですね。
各 務
そうです。今後、IPv6が普及すれば、業界は必然的にそういった方向に向かうでしょう。IPというオープンな共通言語を使えば、大手でないサードパーティでも、コストを抑えながらきめ細かなサービスを実現できます。今は、時代の転換点だと思います。ですから、電話システムの刷新一つとっても、今判断を間違えてはいけないのです。


ユーザーにとって最適な電話システムのインテグレーションがこれからのキーワード

津 田
最後に、IPテレフォニーの今後に対する期待や要望をお聞かせください。
各 務
現時点で、社内の内線電話と外線発信はIP化されていますが、着信はPSTNです。今後は050サービスも本格化してくるので、その使い分けを考えていきたいですね。幸い私どもが導入しているCiscoの7940や7960は、1台の電話機で複数の回線を収容できるマルチライン対応なので、PSTNも050も1つの端末で収容できます。今後もIP化の流れは必然ですが、PSTN回線がなくなることはないと思うのです。ミッションクリティカルというか、信頼性を重視する部分はPSTNで、営業部門などは050でコスト削減し、アプリケーション連携が重要な部門や内線は自営のIPテレフォニーを進めていきたい。こうした棲み分けを進めていくのが、今後の課題でしょう。
小松原
現状ではIP電話とPSTNはまるで敵対関係のように考えられていますが、各務さんのおっしゃる通り、そこは各自の役割があり、棲み分けが進むと我々も考えています。そうした複数の電話サービスを融合していくのは、ユニアデックスさんのようなシステムインテグレータの役割ではないかと思うのですが。
津 田
確かに我々にとっては、そこが非常に重要な部分です。『IPセントレックス』の長所、050でコスト削減する部分、アプリケーション連携でITツールとして戦略的に活用していく部分を、我々がインテグレートしていかなくてはいけません。その点に関しては、すでに研究・開発を進めており、秘策を準備中です。実現できれば、きっと多くのユーザー様から支持していただけるはずです。ソリューションが完成しましたら、真っ先に御園サービス様にご提案させていただきますので、是非、楽しみにしていてください。




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