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オーソン・ウェルズの教訓とセキュリティーホールパッチ

1938年10月30日それはハロウィンの前日の夜8時のことであった。

「CBSネットワークが今夜、皆様にお送りするのは、オーソン・ウェルズとマーキュリー劇場によるラジオドラマ、HGウェルズの“宇宙戦争”です。」

オーソン・ウェルズ無名の23歳の新人俳優であったオーソン・ウェルズが“宇宙戦争”の火星人襲来シーンをラジオニュース仕立てに演出し、臨時ニュースとして放送した。それは最初にアナウンサーが天気予報で原因不明の気象条件を伝えるところから始まり、その後、中継でホテルにて開催されているオーケストラの音楽放送を流し、その途中で臨時ニュースを読み上げるという手の込みようだった。

聴取率(ラジオ番組における視聴率)の低迷していた「マーキュリー劇場(3%台)」だったが、40%の高聴取率を誇る「エドガー・バーゲン・ショー」で人気のない歌手が登場し、「バーゲン・ショー」の約15%の人がチャンネルを「マーキュリー劇場」に切り替えたところ、何と「隕石が落ちてきたという緊急ニュース」を報じているではないか。ウェルズのドラマは、さらに盛り上がり、「アメリカのニュージャージー州グローヴァーズ・ミル(Grovers Mill=現在のウエスト・ウインザー)では6人の州兵を含む40人が火星人の侵略によって、死体は焼けただれ、変形している・・・」と報じた。

グローヴァーズ・ミル記念碑 ドラマであることを知らされていないラジオのリスナーは、それを信じて考えられない行動をとるのであった。実際にグローヴァーズ・ミルズでは、猟銃を持った市民たちが火星人から町を守るためにグループが結成され、火星人と間違えられた風車が発砲されてしまうという事件が巻き起こってしまったのだ。
1938年といえば、世界大恐慌(1929〜1933年)の混乱から立ち直りかけたものの、ナチのファシズムが台頭しはじめ、アメリカ人は常に恐慌の記憶とナチスの侵略という恐怖心を持ち合わせていた頃であったから、このとんでもないラジオドラマ寸劇にまんまと乗せられてしまったというわけだ。

全米で約1200万人がこの放送を聞いたことによって各地でパニックが発生した。抗議の電話でCBSの電話回線が落ちたことも、さらにそれを煽る結果となってしまった。テレビのない時代だったため、訂正はウェルズ自身のメッセージで行われ、「これは、大人のためのハロウィンです。今夜の教訓をお忘れなきよう、みなさんおやすみなさい」の言葉で閉められた。しかし、事件はそれだけで終わらなかった。翌1939年に南米エクアドルで同様の「火星人襲来」ドラマのまねをしたラジオ局が、怒り狂った市民に火を放たれ、21人もの死者を生む大惨事を起こしてしまったのだ。情報で煽動されることの怖さを知らされるメディアの事件となったのである。

情報を個人が鵜呑みにすることの怖さや、集団によるヒステリー状態は、簡単にパニックを生んでしまう。

これと同様のことが、コンピューターのシステム上にも存在しうる「事実」をボクたちは、あまりにも気づいてはいない。それは、ウイルス対策やセキュリティーホールパッチ、機密情報の漏洩などの諸問題である。企業において個人のコンピューターリテラシーに依存したままの、コンピューターアップデート作業ほど脆弱なものはない。まちがった情報によって、システムを混乱させる「火星人の襲来」を自ら発生させてしまう危険性を持っているからだ。重要なパッチを適切に管理し、ネットワークに構築するというのは、パニックを未然に防ぐための最も重要な自衛手段の一つと言えるだろう。


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