Top Leading Talk Feature Story Case Study Inside UNIADEX Learning Back Number
NexTalk image メールマガジン購読のお申込み
Leading Talk
2008年9月25日号

NextTalkではITトレンドウオッチャー 神田敏晶の「オルタナペディア」をスタートします。今回は、新連載【特別編】として、ユニアデックスの トレンドウォッチャー 松隈基至との対談をお届けします。いま注目されている「クラウドコンピューティング」とは?

 
「オルタナペディア」のコンセプトはこちら

 

 
 
《 神田 》  
すごい時代になってきましたね。ジャーナリストとしては、また楽しい時代になったと喜んでいますが(笑)。業界の方々は、ダウンサイジング、クライアント/サーバー、ネットビジネス、そしてクラウドコンピューティングといろんな変化に対応するだけでも大変ですね。

それはそうと、クラウドコンピューティング時代のビジネスを想定すると、僕はインターネットって、実は「石油」と同じではないかと最近考えているんですよ。

今、我々日本人が居酒屋で20年前よりも安い値段で食事ができているのは、人件費の安い国から、野菜や肉を買って、飛行機でガンガン空輸してきたから。その結果、人件費の安い国も経済発展を遂げ、序々に暮らしも豊かになってきました。今、中国の人たちが、一斉に贅沢になり、いい生活を目指し始めています。しかしここへきて、突然、石油の価格が上がったことで世界の食糧が安く買えなくなってしまった。

一方ネットの世界では、いまや、世界の情報にアクセスする料金はタダ同然、いろんなサービスもGoogleさんのおかげで広告さえ見れば、無料で提供される。電子メールもタダで送れる。しかし、その結果、僕の電子メールの大半はSPAMメールで、SPAMの中から必要なメールを掘り当てている状態。また無料ブログが増えたことにより、RSSの量も半端ではない(笑)。

これは良くも悪くもネットという石油が安いからこそ成り立っている生態系です。しかし、いざネットが現在の石油のように高騰してきたらどうでしょうか?Googleの株価がサブプライムのような影響で万一落ちただけで、もしかすると突然、来月からすべてのサービスを有料にします!と宣言されたとしたら…。
現在の広告の上に成り立つビジネスモデルがガラガラと音を立てて崩壊していきます。「自分をGoogle化」してしまった人たちは、すべて有料でそのコストを支払うか、切り捨てるかを迫られます。

そして、さらに電子メールが発信者課金で一通あたり10円と課金されるとしたら、SPAMメールは採算が取れなくなり、SPAMで苦しむことがなくなるのかも。もしかすると、ビジネスメール便として、出し元は100円かかるけれど、メールを読むと50円もらえるというような新たなコミュニケーションビジネスもありなのかもしれません。

ブログも広告ビジネスが崩壊すると、有料となり情報量が激減します。同時にアフリエイトのみが目的の人も減ります…。それはそれでいいことかもしれませんが、なんだか、今の投機的側面が強い石油バブルを見ていると、何でもかんでも無料というネット社会も、少しは適正なコストを払ってでも、是正しておかないとその未来の代償の方がきっと高くつきそうに感じています。

   
《 松隈 》  
それは面白い視点ですね。ICTの進化がいいことも悪いことも引き起こす、という意味では地球温暖化などの現象でも同じことがいえますね。ICTの普及によってCO2が増加しているといわれていますが、仮想化技術を使ってコンソリデートすることによって、CPUソースを有効に利用できるんです。現在、サーバーのCPUの稼働率は20%程度といわれていますから、まさに“もったいない”資産の使い方をしているわけです。クラウドコンピューティングは、さらにそのサーバーリソースを多数のユーザーがクラウドの向こう側に持つことによって、複数のユーザーで共有化できますので、世界規模でサーバーの台数が減り、電気使用量が減り、結果としてCO2の削減につながるという考え方ができます。
   
《 神田 》  
なるほど、現在、複数のユーザーでハードやソフトウエアを共有するということは、エコにもつながるんですね。
   
《 松隈 》  
情報共有といった視点でみると、現在、ユニアデックスで文部科学省管轄の国立情報学研究所と教育機関向けのNetCommonsというCMS(Contents Management System)とLMS(Learning Management System)とグループウエアを統合したコミュニティウエアを産学連携で開発しており、今後、これをベースにしたSaaS事業を展開する予定です。これにより、校務の情報化が推進され、かつ先生たちがサーバーの運用、保守といった面倒を自ら見なくてもよくなります。これも、先生たちに本来の仕事をしていただくために、わずらわしいことの肩代わりするソリューションとなっています。 NetCommonsはオープンソースソフトウエアとして配布されていますので、ライセンスコストは無料なのですが、それを安心、安全に運用していくためには、データバックアップ、セキュリティー対策、サーバーハードウエアやOSのメンテナンスなど、知識とスキルに加え、コストが必要になります。我々ICT基盤のプロが提供するNetCommonsのSaaSをクラウドコンピューティング的にご利用いただくことで、ユーザーは情報発信、情報共有といった本来のICT化の目的に集中できます。
ICTは本来、コミュニケーションを円滑化するとか、業務の効率化をはかるためのツールであるはずなのですが、昨今ではセキュリティー、事業継続、グリーンITなどの観点から、検討、対策しなければならないことがあまりにも多すぎて、ユーザーにとってICTというツールを安心、安全に運用することそのものが高度化、複雑化し、非効率化されてきている状況にあるといえます。


ユニアデックスがお客様の運用をサポートする オープンソースソフトウエア「NetCommons」
クラウドコンピューティングが解決するいくつかの課題のなかで効果が大きいのが、これら高度化、複雑化、非効率化といった運用面の課題です。逆に言うと、これらを確実に解決できる分野から適材適所に導入を進めていくという観点が大事かと。 いずれにせよ、「所有することから利用すること」という大きな流れを止めることはできません。クラウドコンピューティングという新たな潮流も単なるバズワードとしての理解ではなく、その本質を見極めておくことがとても重要だと思います。
   
 
編集後記  
クラウドコンピューティングは、いまICT業界でもっともセンセーショナルで注目されているコンピューティングスタイルです。オルタナペディアのテーマにふさわしく、とっても興味深いお話でした。実は、松隈さんとは、趣味のバンドで知り合った仲間。活動するグループは違うのですが、こうして面と向かってICTの話をするのは、何だか妙な感じでした。ビジネスとしては、まだまだ立ち上がったばかりで、進化の途中というところでしょうか。10年後、いや5年後には、クラウドコンピューティングが当たり前の時代がやってくるかも知れませんね。

 
神田敏晶氏 神田敏晶(かんだ としあき)

KandaNewsNetwork,Inc. 代表取締役
impress.TVキャスター
早稲田大学非常勤講師

プロフィール:
ビデオジャーナリスト。神戸市生まれ。ワインの企画・調査・販売などのマーケティング業を経て、コンピュータ雑誌の企画編集とDTPに携わる。その後、CD-ROMの制作・販売などを行った後に、1995年よりビデオストリーミングによる個人放送局「KandaNewsNetwork」を運営開始。ビデオカメラ一台で、世界のIT企業や展示会取材に東奔西走中。
現在、impress.TVキャスター、早稲田大学非常勤講師、デジタルハリウッド特別講師、イノベーションラボ講師。2002年4月1日より法人化。

ホームページアドレス http://www.knn.com



▲ページTOPへ

メールマガジン購読のお申込み 〜真価を起動する〜 UNIADEX - NexTalk