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Leading Talk 2009年9月3日号  

神田敏晶の「オルタナペディア」 Vol.07“つぶやくメディア”、twitter大流行の兆し、
企業はソーシャルメディアとどのようにつきあうべきなのか?
「オルタナペディア」のコンセプトはこちら  
 
twitterの第二次ブーム到来

最近、「twittter(ツイッター)」という言葉をよく目にするようになってきた。

twitterとは、140文字以内で構成されるミニブログのサービスのことである。 「What are you doing?」という問いかけに対して、自分のステイタス(状態)を「つぶやく(tweet)」というスタイルで2006年7月から米国サービスが開始された。
2007年頃に日本でもアーリーアダプターを中心に第一次ブームを迎え、2008年4月から日本語版が公開された。そのtwitterが今年に入ってからは、俄然注目を集めだしている。 それが、twitterの第二次ブーム到来といえる現象なのである。

twitter

事件報道で加熱するソーシャルメディア

Janis Krums氏が救援に向かうフェリー船の中からiPhoneで撮影した写真2008年11月、オバマ(当時)候補が、大統領選で16ものソーシャルメディアを駆使したことは非常に有名な話だが、その頃は、twitterもその中の1サービスに過ぎなかった。

むしろ、今回のtwitterの第二次ブームを象徴する事件が2009年1月15日に起きた。
極寒のニューヨークのハドソン川にUSエアライン1549便の飛行機が緊急不時着をした事件である。

Janis Krums氏が救援に向かうフェリー船の中からiPhoneで撮影した写真がtwitter API対応の写真共有サイトtwitpicにアップロードされた。
そこからの情報の展開がtwitterの新しい情報伝達方法だ。
変化したのが、この3つの展開。

【1】1対n
この写真は、Janis Krums氏をフォロー(登録)している人々に対してJanis Krums氏によって配信がなされた。

今までのブログなどのソーシャルメディアであれば、発信者のサイトやブログに、たくさんの人々が集中していく。SNSであればコミュニティの中で盛り上がる。
しかし、twitterの場合は少し事情が異なってきた。

MSNBC【2】n対n
Janis Krums氏をtwitterでフォロー(登録)した人たちが、その情報を自分のtwitterで「RT(リトゥイート)」と呼ばれる「再度同じつぶやきをくりかえすこと」をおこなった。すると、フォローは親子関係から、孫、ひ孫関係へと、さらに並列で連続していく。
この時点で、Krums氏は何もすることなく、情報は人から人へ伝播されていくこととなる。
これがtwitterの最大の特徴となりつつある。

さらに、不特定多数の人が「RT」を行うことによって、まるでニュースのようにハドソン川の状況が人から人へと伝えられた。さらにその状況をメディアまでがtwitterで話題と取り上げた。

ハドソン川の状況が人から人へと伝えられた【3】n対n対n
マスメディアが情報ソースとしてtwitterを紹介することにより、情報の信頼性の担保が取れたことにもより、さらに情報の速さが増加する。

今までのSNSであれば、取り上げられた事象は、そのコンテンツに対してコメントが集まったが、twitterの場合は、それぞれの人的なフィルターを経由し、コメントによる世論形成も同時になされていく点に注目したい。

また、twitterの場合、現在のところは、自分の登録者(フォロワー)に対しての浄化作用が働き、掲示板のような乱暴な発言はスルーされ、荒れることもすくなく、極端なデマは自然淘汰していくというメリットも見られた。

オバマ大統領の就任演説時にも、大量のtwitterによるtweetが発生した。ある事象に対し、コメントをそえてフォロワーに伝える。それはもう、単なる「個人的なつぶやき」を超えた「tweet」という新たな行為にかわりつつある。

twitterは、誰もがニュースの一時情報について、何かを一言、言及できるという仕組みになりつつある。しかも、モバイル機器の普及によって、ほぼリアルタイムにそれらが実況されていき、人々の関心の高いものほどRTされ、爆発的な勢いとなる。

また、イラン大統領選挙の際には、twitterのAPI公開によるネットワークの外部性のために、当局が情報統制しようとしても、無数にあるtwitterクローンのクライアントを制御できなかったともいわれる。また、北朝鮮の飛翔体発射から、マイケル・ジャクソンの訃報などもtwitterで直接、知る人が増えてきた。皆既日食なども無数の情報がtwitterの中で往来した。

twitterと企業

Dellのtwitterアカウントそんなメディア価値を持ったtwitterに企業も参入を開始している。
もっともtwitterで経験をつんでいる企業としては、米Dell社があげられる。
3年間での商用twitterによる売り上げは、300万ドル(3億円)を超えた。
数あるDellのtwitterアカウントのひとつ、http://twitter.com/delloutletの、フォロワーはなんと90万人を越えている。
140文字のtweetは、90万人に一瞬にして届くことになるのだ。メールやウェブとまた違った宣伝効果を発揮しはじめている。

さらにDellがフォローしているのは、Dellの製品ラインごとのアカウントだ。

Dellをフォローした人は、ほかのDellのアカウントも容易に見つけてフォローすることができる。こうやってDellは約90ものアカウントを駆使して、300万ドルものtwitterの売り上げを達成した。まだ、Dellの規模の売り上げと比較すると小さいが、新たな市場開拓として意欲的だ。

大企業だけでなく、商圏5kmのニューオリンズのピザ屋がtwitterを販売促進で活用したところ、売り上げの15%がtwitter経由であることも判明したそうだ。

家電小売の「BestBuy社」では、新興メディア担当者の採用条件に、twitterの「フォロワー数が250人以上」という条件をつけはじめた。

twitterの特徴は、人それぞれがフォローする情報によって同じニュースではない、実はカスタマイズされたオリジナルな情報を見ている点だろう。

同じ情報をフォローしていても、見る時間帯や端末によって見える世界は大きく変わる。
サンフランシスコ市役所では苦情相談をtwitterで受付けはじめている。

日本でのtwitter先進事例

twitterと政治日本では、twitter議員なども登場し、議員のtweetを一覧できる、twitterと政治/politter」いうAPI活用サイトも誕生した。

すでに行政では、青森県、岐阜県、北海道がtwitterを配信している。

毎日新聞では、ウェブサイトの記事にtwitterボタン(つぶやくボタン)が設置され、記事ごとにtweetできるという手法を開始している。

まだまだ、始まったばかりの日本でのtwitter活用事例。広報、販促、カスタマーサービス、いろんな分野でリサーチをすすめておいて絶対に損はないと思う。


 
神田敏晶氏 神田敏晶(かんだ としあき)

KandaNewsNetwork,Inc. 代表取締役
impress.TVキャスター
早稲田大学非常勤講師

プロフィール:
ビデオジャーナリスト。神戸市生まれ。ワインの企画・調査・販売などのマーケティング業を経て、コンピューター雑誌の企画編集とDTPに携わる。その後、CD-ROMの制作・販売などを行った後に、1995年よりビデオストリーミングによる個人放送局「KandaNewsNetwork」を運営開始。ビデオカメラ一台で、世界のIT企業や展示会取材に東奔西走中。
現在、impress.TVキャスター、早稲田大学非常勤講師、デジタルハリウッド特別講師、イノベーションラボ講師。2002年4月1日より法人化。

ホームページアドレス http://www.knn.com


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