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Leading Talk 2010年1月5日号  

神田敏晶の「オルタナペディア」 Vol.09 “ビジネスにおける「事業仕分け」が効率化につながる
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事業仕分けの効果は、1兆7700億円

WEBでも生中継された行政刷新会議(事業仕分け)
WEBでも生中継された行政刷新会議(事業仕分け)
2009年、事業仕分けの作業で「廃止」や「予算縮減」の削減額は最大で約7,700億円に上り、基金など「埋蔵金」の国庫返納額約1兆円を合わせると「事業仕分け」の効果は、1兆7,700億円と推定されている。

その結果、約95兆円に上る2010年度予算概算要求のうち、行政刷新会議が実施した「事業仕分け」に基づき、約6900億円を削減する方針を政府は確認した。

しかし、これらの税金は、そのまま節約されたワケではなく、事業仕分けの結果をもとに、来年の予算案で閣議決定される題材となった。
つまり、事業仕分けは、予算の決定機関ではなく、行政刷新会議の下調べのプロセス機関なのである。

枝野幸男議員の公式サイトのオープンミーティング
枝野幸男議員の公式サイトのオープンミーティング
「事業仕分けは、よく誤解されるのですが、事業の目的を問いただす場ではなく、なぜ、その予算が必要なのかを公開の場で官僚に直接説明していただく場なのです。そして説明の引き出し役が、事業仕分け人の役目」と事業仕分けワーキンググループの枝野幸男衆議院議員は説明する。

つまり、本当は「事業仕分け人」ではなく、「説明引き出し人」であると考えると、議論がかみ合わなかった理由がみえてくる。

良くも悪くも、事業仕分けによって、税金がどのようにして使われようとしているのかを、目撃できたことは非常に大きい。また、この事業仕分け後の閣議決定で、どのように変わるかというところも来年は注目されることであろう。

ビジネスにおける「事業仕分け」

今回の事業仕分けは、予算決定のための1一プロセスなのだが、重要なポイントが3つあった。
無料動画配信サイトUstream.tv
無料動画配信サイトUstream.tv

【オープン化】
事業仕分けそのものが、国民に広く公開されたということだ。市ヶ谷の会場では定員があるが、誰もがそのプロセスに参加できた。さらにインターネットでも公開され、取材に、入ったネット上のボランティアでもマスメディアと同様に報道ができ、それらの映像がUstream.tvやtwitterなどのソーシャルメディアによって伝搬されていった。誰もが、税金の使われ方の現場を目撃できたことは重要だ。

【プレゼンテーション化】
文書づくりでは慣れていたはずの官僚たちの説明が、口頭では、的を射ていないところが多々あった。予算の必要性を説明するべき部分なのに、終始事業の必要性を説明していた。そのため、そのせいで、1時間のセッションはあっという間にすぎていった。説明できれば取れるはずの予算を、説明力のなさで失っていった。説明するというプレゼンテーション力が官僚にも必要となってきたのである。プレゼンテーションは、一人歩きできるドキュメントとちがい、理解してもらうための工夫と働きかけが重要だ。

【プロセスの可視化】
そして最後に、事業仕分けのこれらのプロセスを通すことによって、例年通りの予算だからという説明だけでは、予算が獲得できないということが明確になった。どれだけ必要という理由を真正面から、説明できないといけなくなった。智恵を絞るというよりも、必要なプロセスを明確にしなければならない。当然、来年の閣議決定の際にもプロセスを明確にし、決定までの説明が要求されることになる。
必要なプロセスを明確にしなければならない。当然、来年の閣議決定の際にもプロセスを明確にし、決定までの説明が要求される。

これらのポイントはビジネスの現場においても同様の効果を持つことだろう。予算削減の厳しいこのご時勢。すべての予算が縮小傾向にあるからだ。

まず、予算がどれだけ、会社のため、社会や顧客のためになっているのか?を数値化してオープン化をはかるべきだろう。
そして、その予算を行使することによって、事業の成長や進化が見えるという具体化されたプレゼンテーション化。
さらに、どの部署からも、その予算は必要であると思わせるだけのプロセスの可視化も重要となるだろう。

いろいろな物議を醸し出した事業仕分けではあるが、今まで何もなされずにきたことをゼロベースで考えられる機会は重要であった。

全体のプロセスを通して、見えないものが、見えてくる。これはビジネスの世界においても、同様だ。ある人にとっては、時間の使い方や、部署や人材の仕分けであり、そして製品やサービスの事業仕分けにいたるまで。予算を考え直す時、さらに、いろいろなものを仕分ける機会が登場する。

まさに、それはICTの得意とするところだ。ドキュメントの共有、コラボレーション、自分のPCのドキュメントフォルダにある文書よりも、クラウドやサーバー上で公開された文書であれば、より多くの人に、そのドキュメントを見せることができる。しかも、リアルタイムに複数の人が同じドキュメントを元に、修正や追加を加え、さらに修正履歴をとりながら公開し、意見を求めることすら可能となっている。

これはまさに事業仕分けのプロセスを見せることの効果とおなじだ。最終的な結論が出る前に、プロセスを可視化し、参加することによってアウトプットへの意識が変わる。文書共有そしてコラボレーションによって、根回しなどを軽減できる。
ビジネスにおける「事業仕分け」は最終的に効率化につながり、スピード、伝達、いろんな場面でのムダづかいをカットできるのではないだろうか?

ビジネスにおける事業仕分けは、細分化すれば、自分の机の周りの小物にまで仕分けすることができる。必要かどうかを、細部にわたり、いろいろ考えてみるトレーニングが日頃から重要だ。

必要を因数分解すると、無駄をはぶくこと。無駄をはぶくことは、効率を上げること。
必要であることを、立証しそれを説明することができると効率も上がる。

それらのサイクルは、ビジネスにおける事業仕分けだけに関わらず、顧客にとっても、その視点があるだけで、自社の必要性を強くアピールできるのではないだろうか?

 
神田敏晶氏 神田敏晶(かんだ としあき)

KandaNewsNetwork,Inc. 代表取締役
impress.TVキャスター
早稲田大学非常勤講師

プロフィール:
ビデオジャーナリスト。神戸市生まれ。ワインの企画・調査・販売などのマーケティング業を経て、コンピューター雑誌の企画編集とDTPに携わる。その後、CD-ROMの制作・販売などを行った後に、1995年よりビデオストリーミングによる個人放送局「KandaNewsNetwork」を運営開始。ビデオカメラ一台で、世界のIT企業や展示会取材に東奔西走中。
現在、impress.TVキャスター、早稲田大学非常勤講師、デジタルハリウッド特別講師、イノベーションラボ講師。2002年4月1日より法人化。

ホームページアドレス http://www.knn.com


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