2010年5月18日号
「オルタナペディア」のコンセプトは
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電子書籍ビューワーなどの搭載などで話題となっているiPadであるが、一足先に、ボクは米国で発売されたiPadを手に入れ、一カ月以上、iPadを毎日、触れていることで、大きく変わったことがいくつかある。
一番大きく変わったのが、「iPhoneを触る時間が減少した」ことだ。
特に40歳を超えて、目が「ローガン」気味になった方々には、iPadを持った瞬間、すべてのiPhoneアプリでのジレンマが解決する。
それは、文字が大きくなって非常に見やすくなったことだ。これは、想像以上に便利だ!iPadを10分触って、iPhoneに戻った瞬間、文字の小ささにショックを受けることだろう。確かに機能としては、「電話機能のないiPod Touchが大きくなっただけ」なのだが、大きくなったことによって(iPhone6面分)、可能性は大きく広がった。
産経新聞電子版
無料で読める「産経新聞」の電子版などは、iPhoneでは、さすがに読みづらかったものの、iPadとなると、新聞の紙以上に、読みやすくなっている。新聞を折りたたむ必要がないからだ。
指でつまんで拡大する、「ピンチアウト」で読みやすいサイズに新聞が変わる。これはもう、紙の新聞よりも、はるかに便利だ。朝食時に新聞をダイニングテーブルで大きく広げて読むなんてことも必要がなくなった。
iPhoneアプリの「産経新聞」を「2倍に拡大」しているだけだが、解像度なども十二分。ここは産経新聞はiPhoneやiPadで読む人向けに、広告をつけるべきだろう。また、記事へのハイパーリンクがついた有料バージョンなども至急検討すべきだ。
また、他の新聞社でも、5月28日のiPad発売後のiPadからのアクセスを期待し、iPad版の有料アプリも登場することが想像できる。ただ、今のような新聞の価格帯を維持できるとはとうてい思えない。電子版は1/5から1/10に価格を下げる必要があると思う。
radiko
ラジオはすでに、「
radiko
」で好きな民放がネットで聞けるようになっている。iPhoneアプリも登場しているので、iPadでラジオを聞くということが実現している。ネットで聞けるので、AM放送であれ、FM放送と音質が変わらない。おしゃべりが多くなったFM放送よりも、普段きかなかったAM放送をよく聞くようにもなった。以外と情報番組が多く、昼間のテレビよりもビジネスマンにとっても有益な番組が多い。
ネット対応することによって、視聴できる時間が増えたラジオに対して、ネット対応の遅れたテレビは、ますます視聴時間を稼げないメディアになりつつある。放送局が、視聴時間がこれ以上は、増えないという現実に対し、ネットを経由してでも、視聴時間を増やしたいという考えに至るのには、それほど時間がかからないのではと予想できる。
ウェブの閲覧についても変化があった。iPhoneでは、ウェブはとりあえず、読めればよいという臨時のブラウズであったが、iPadは、ブラウズなら十二分に機能を発揮する。むしろブラウズに関してはPC以上だともいえる。その鍵はなんといっても「起動時間」だ。
iPadは、スイッチひとつで、起動し、すぐにアクセスできる環境が実現されているからだ。 デスクトップマシンを使用するために、机の前に行くことや、ノートPCを鞄から出し、机において、開いて、スリープが解除されるまでの60秒間も待つ必要はない。iPhoneやiPadでは、それらが、たったの3秒間に短縮される。この毎回、起動するまでの57秒の差はとてつもなく大きい。
さらに、朝のシーンも大きく変わりはじめた…。
ベッドの横で朝の目覚まし時計もiPad専用の「aSleepHD」で心地よく目覚めることもできるようになった。
しかも、寝る時のヒーリングミュージックから、iPadの大きな画面は、夜のやわらかな照明にもなってくれる。それに、目覚まし音まで込みでたったの230円だ。そんなに高機能で安い目覚まし時計は中国でさえも作れない(笑)。
AppStore
AppStoreには、アプリケーション群がまるで、100円均一ショップのようにならび、毎日、膨大な数のアプリが、無料でも提供されている。これらを試しているだけでも、世界中のプログラマーのものすごい威力を感じることができる。
ベストセラー、アプリが登場しても、さらにそれを凌駕するようなアプリが登場する。史上最大の激戦区なアプリマーケットがそこには存在している。当然、googleのアンドロイドのアプリ市場も登場してきた。この両者の切磋琢磨は、規格戦争ではなく、市場の拡大にもつながる。iPadと、電話はアンドロイド携帯という組み合わせで双方のメリットを享受することも可能だからだ。
目覚めてからは、無料アプリの、「
NPR
」や「
BBC News
」をダウンロードし、毎朝英語ニュースを洗面しながら聞く。意味がわからなくても、朝の儀式として聴き続けることにより、なんとなく世界で何がニュースとなっているのかは理解できるようになる。その後、朝のテレビのニュースを日本語で確認することによって、朝のニュースの情報取得方法も大きく変わる。もちろん、twitterのタイムラインも大きな画面で確認できる。
iPhoneよりも、iPadの利用シーンが増えたもうひとつの理由がバッテリーの持続時間だ
iPhoneでは、すぐに電池がなくなってしまったことも、iPadの10時間も持続できるバッテリーだと、すでに充電を忘れてしまうくらいだ。もちろんiPadは、iPhoneのバッテリーを節約するためにも使い、iPhoneの利用は、SMSや電話だけという傾向になっている。…であれば、携帯はアンドロイド端末にしてしまうという選択肢も登場する。もちろん、GoogleもアンドロイドOS搭載のタブレット端末販売を予定している。
iPadの登場は、iPhoneという電話に影響を与えるだけでなく、新聞やラジオ、テレビにも影響を与え、ゲームやカーナビ、パソコン、そしてGoogleやAmazonにまで影響を与え始めている。なによりも、説明書を読まずに、触れればなんとなくわかるというインタフェースは、もしかすると、ハードウェアのキーボードでさえも、そのうち、レガシーなデバイスとしてしまう可能性を秘めている。
iPhoneが登場した2007年、世界を驚かせたスティーブ・ジョブズは、すでにiPadのプロジェクトの指揮をはじめていた。2010年、iPadをリリースした彼のもとには、すでに次世代のiPadプロジェクトがスタートしていてもちっともおかしくない。実際に指揮をとるかどうかは別として、6月には新たなiPhone(HD?)が登場し、2011年には、HDのビデオカメラが搭載されたiPadが当然登場することだろう。さらに、その先には、防水でお風呂の中でも楽しめるような防水iPadや、さらに机の代わりになるようなデスクパッド型のiPadが登場してもおかしくない。そう考えると、あと5年ほどで、私たちの暮らしは、便利なだけのデジタル化から、生活を豊かにするデジタル化を目の当たりにすることができる。
19世紀に、エジソンが研究していた蓄音機や電話機(1877年)の発明の2年後、電球が発明された(1879年)。その後、映画やトースターも発明される。蓄音機や電話機は、もはや、iPhoneでひとつの高機能なデバイスになっている。2年後にLED電球やテレビやトースターもiPadに収納されていても、驚くべきではない。そう、我々はもう、21世紀の1/10を経た時代に生きているのである。
ITの夢は、19世紀の便利さを提供するだけでなく、20世紀のメディアの世紀を超え、新たな世紀の夢を築こうとしている。iPadに触れることにより、21世紀の姿を少しだけ、感じることができた。
これからの未来は、誰かが作ってくれるのではなく、私たち自身が、新たなデバイスから感じ取った何かを、声を大にして表現していき、それを社会に反映していく時代なのかもしれない。
もちろんビジネスシーンにおいても、デバイスとネットワークの進化は、いつでもどこでも、よりリアルタイムなコミュニケーションを可能に、しかも安価に実現できるようになる。すると、フィジカルなリアル空間とバーチャルなネット空間の差異はますます縮小していく。離れていても、近くにいるような新たな感覚が発生することだろう。すると、逆説的に、空間や場所を限定することに対しての、新たな付加価値やビジネスチャンスが生まれる。
新たなビジネスチャンスが新たなデバイスと共に誕生しつつある…。
神田敏晶(かんだ としあき)
KandaNewsNetwork,Inc. 代表取締役
impress.TVキャスター
早稲田大学非常勤講師
プロフィール:
神戸市生まれ。ワインの企画・調査・販売などのマーケティング業を経て、コンピュータ雑誌の編集とDTP普及に携わる。その後、 マルチメディアコンテンツの企画制作・販売を経て、1995年よりビデオストリーミングによる個人放送局「KandaNewsNetwork」を運営開始。ビデオカメラ一台で、世界のIT企業や展示会取材に東奔西走中。SNSをテーマにしたBAR YouTubeをテーマにした飲食事業を手がけ、2007年参議院議員選挙東京選挙区無所属で出馬を経験。関西大学総合情報学部で非常勤講師を兼任後、ソーシャルメディア全般の事業計画立案、コンサルティング、教育、講演、執筆、政治、ライブストリーム、活動などをおこなう。
ホームページアドレス
http://www.knn.com
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