味の素株式会社様 【U-Cloud®事例】

味の素のレシピサイト「レシピ大百科®」が
クラウドコンピューティングサービス「U-Cloud®」を用いてリニューアル

おいしさ、そして、いのちへ。Eat Well,Live Well.

うま味調味料の「味の素®」や、かつお風味だしの「ほんだし®」など、日本人なら誰もが知っている調味料でおなじみの味の素様。本格中華の味を再現した「Cook Do®」から、朝食が手軽に取れる「クノール®」スープまで、日本の食卓には欠かせないベストセラー商品を生み出してきた。

創業のきっかけは、池田菊苗博士が1907年(明治40年)にうま味成分であるアミノ酸を発見したことに始まる。その2年後の1909年には「味の素®」を世界で初めて商品化。以来、新しい食の世界を開拓してきた。

現在は、食品、アミノサイエンス、医療・健康の3事業を軸に展開。特に、アミノサイエンスの分野では、世界トップクラスのシェアを誇るリーダー的存在だ。海外進出も積極的に進めており、22の国・地域に拠点を置きながら、130以上の国と地域にさまざまな商品を供給している。

「地球的な視野に立ち、"食"と"健康"そして"いのち"のために働き、明日のよりよい生活に貢献する」を企業理念に掲げる味 の素様は、2009年に創業100周年を迎えたことを機にグループ一体となって目指す企業像「味の素グループWay」を策定。「新しい価値の創造」「開拓者精神」「社会への貢献」「人を大切にする」の4つの方針を基軸に新たなステージへ踏み出したばかりだ。

サービス導入の背景とねらい

●コミュニケーション機能を強化した新しいレシピサイトへ

味の素株式会社
執行役員
食品事業本部
家庭用事業部長
品田 英明 氏

味の素株式会社
食品事業本部
家庭用事業部
品質・広報グループ長
津布久 孝子 氏

味の素株式会社
食品事業本部
家庭用事業部
販売マーケティンググループ
専任課長
高橋 清仁 氏

企業が情報発信をしていくうえで欠かせない存在となっているWebサイト。味の素様がWebサイトを初めて公開したのは、1996年のことだった。

今では当たり前のように存在する企業のWebサイトだが、当時はインターネットの存在がようやく認知され始めた黎明期。そんな状況の中、味の素様はWebサイトの立ち上げと同時にどこよりも早く「レシピ」を公開した。

同社におけるレシピの位置付けについて、執行役員で食品事業本部の家庭用事業部長を務める品田英明氏は次のように説明する。

「味の素KKの調味料を使ったレシピを幅広く提供し、味の素KK商品の価値を高めることが最大の目的です。従来から、書籍や雑誌を通してレシピを提案してきましたが、Webの進化とともにそのあり方も変わってきました。今や企業の情報発信基地は、TVや新聞などのマスメディ アを使った広告と、レシピなどのコンテンツを提供するWebサイトの2本が大きな柱です」

1990年代後半になるとインターネット人口が爆発的に増加し、Webサイトは一般的な情報ツールとして普及が進んだ。

味の素様でも2001年にレシピコンテンツの「レシピ大百科®」をリニューアルし、「CLUB AJINOMOTO」と呼ぶ会員向けサービスもスタートさせている。

以降10年間で掲載レシピ総数は1万を超え、「CLUB AJINOMOTO」の会員数も60万人を突破。「レシピ大百科®」はWebサイトのキラーコンテンツとして存在感を高めてきた。

ところがその後、他社のレシピ専用サイトやWebサービス会社のレシピサイトが急速に台頭し、激しい追い上げに合う。

食品事業本部 家庭用事業部 品質・広報グループ長の津布久孝子氏は「味の素KKのレシピサイトは先行しているがゆえに、気がつけば後発のサービスと比べてコミュニケーション機能不足などの弱さが目立つようになってきました」と振り返る。

こうした問題を解決するため、味の素様は既存の「レシピ大百科®」を核とする新たなコミュニティサイトの構築を決断。

レシピ情報を一方的に提供する従来の形式から、味の素様とお客様、またはお客様同士で対話ができる双方向型のサイトへの刷新を目指した。

コミュニティサイトの立ち上げ目的を、食品事業本部 家庭用事業部 販売マーケティンググループ 専任課長の高橋清仁氏は「ファンを作るため」と強調して次のように語る。

「お客様に味の素KKのレシピを使っていただくためには、どのようなサイトを作ればよいかについて、チームで真剣に話し合いました。その中で見えた方向性は、料理を作ったお客様においしく食べていただくこと、満足して味の素KKのファンになっていただくことでした」

こうして2010年12月から新たなコミュニティサイトの構築プロジェクトがスタートする。

選定理由

●サービスレベルの高度化に向けて粘り強く取り組む姿勢を評価

NRIシステムテクノ株式会社
システムソリューションセンター
戦略企画グループ
長岡 裕之 氏

新サイトの立ち上げに際し、システム面で課題となったのがインフラ基盤だった。従来のレシピコンテンツは、自社サーバの上に構築し、10年以上にわたって運用してきたが、レスポンスの低下が顕著になっていた。

「特に昼食時や夕食前の時間帯に急増するアクセスに対してレスポンス遅延が発生することがありました。また、60万人の会員に送るメールマガジンの配信にも時間を要するなど、使い勝手の面でも問題がありました」(津布久氏)

既存サーバは柔軟性に欠け、インフラの増強にも新たな投資が発生するなど問題が多い。しかも、システムの設計 上、コーポレートサイトと各種商品のブランドサイトが同じインフラ基盤上にあったため、サーバに変更を加えると他のサイトにも多大な影響を及ぼす可能性も あったという。

そこで味の素様は、新サービスの早期立ち上げを実現するため、インフラ基盤にクラウドサービスの利用を決定する。

インフラ構築を担当したNRIシステムテクノ システムソリューションセンター 戦略企画グループの長岡裕之氏は「今後レシピ数を増やし、コミュニティサービスを強化していくことを考慮すると、柔軟性の高いインフラ基盤が必要でした。 そこで、ユーザ数の増加に対応したサーバが低コストかつ柔軟に構築できるクラウド環境を検討しました」と説明する。

クラウド環境の導入にあたって味の素様は、10数社のサービスの中から日本ユニシスのU-Cloud® IaaSを選定した。

「サービスの会員数、瞬間アクセス数などの数値情報を踏まえたうえで、性能、運用、セキュリティ、データセンターの場所など10項目を比較し、必要要件のすべてを網羅している日本ユニシスを選びました」(長岡氏)

味の素様では、個人情報の漏えい対策に万全を期すため、自前のハッキング防止機器を用意している。他社はこの機器に対応していなかったが、U-Cloud® IaaSは対応が可能であった。

また、災害対策としてディザスターリカバリー(DR)用のデータセンターを用意していることも日本ユニシスを選定した理由になっているという。

日本ユニシスの提案や開発姿勢を長岡氏は「データセンターの運用に対して、SLA以上のサービスレベルを維持しようとする日本 ユニシスの思想が、味の素社のデータセンターを運用している弊社と非常に似ていると実感しました。想定外の事態に備えて万全の体制を整えているデータセン ターを見学してみて、これなら安心して運用を任せられると判断しました」と評価する。

導入効果

●日本最大級の双方向型「食コミュニティサイト」をオープン

2011年4月にスタートしたシステム構築は、2012年7月に終了。7月25日、日本最大級の双方向型"食コミュニティサイト"「AJINOMOTO PARK」がオープンを迎えた。

「AJINOMOTO PARK」は、リニューアルした「レシピ大百科®」、食やレシピに関するテーマについて会員同士がおしゃべりできる「みんなとごはん」、味の素様の社員が商品や業務についてつぶやく「社員のつぶやきリレー」など、4つのコンテンツで構成されている。

「レシピ大百科®」では、約1万のレシピの中から季節の行事、食事する場面、調理法などで簡単に検索できる新機能や、過去のレシピ検索履歴を元にぴったりなレシピをお勧めするレシピレコメンド機能が新たに追加された。

新サイトの特長について高橋氏は「1996年に初めてWebサイトを立ち上げた時の原点に戻り、お客様の作りたいレシピが簡単 に探せるコンテンツを作りました。掲載レシピに評価(グッド!)、コメント、キーワードを付けて、お客様同士でコミュニケーションできる場を新たに設けた ことが従来のサービスとの違いです」と語る。

新サイトオープンから約3カ月が経った現在(取材時)、「AJINOMOTO PARK」に登録した新規会員数は約4万名。既存の「CLUB AJINOMOTO」の会員60万名と、合わせて64万を突破している。
クラウド化によって、レスポンス面でも改善効果が見られた。

「アクセス集中時のレスポンス低下がなくなり、いつでも快適なアクセス環境が提供できるようになりました。また、60万通以上のメールマガジン配信にかかる時間も、従来の1日がかりから数時間に短縮されています」(津布久氏)

今後の展望

●300万人が使うレシピサイトに向けてインフラ基盤を強化


味の素様では今後、「AJINOMOTO PARK」に寄せられた意見や対話を通して、お客様の声を製品やサービスに反映させていく予定だ。また、2017年までに300万人の会員獲得を目指して おり、今後もインフラ基盤を増強しながら、より快適に、楽しく使えるレシピサイトに成長させていく。

「味の素KKのレシピは、老若男女幅広い年代層の方にご利用いただいているので、複雑なサイトにするつもりはありません。基本 機能を使いやすくしながら、お客様満足度を高めていきます。また、ブランド横断的な施策を行うことによって、お客様に「味の素KK」という会社のファンに なっていただき、生涯を通したお付き合いをさせていただきたいと考えています。日本ユニシスには今後も、インフラに関する新たな相談をさせていただく予定 ですので、引き続き万全な支援を期待しています 」(品田氏)



USER PROFILE

 創業   1909年(明治42年)5月20日
 設立   1925年(大正14年)12月17日
 資本金  798億6,300万円 (2012年3月31日現在)
 従業員数 単体3,300名 連結28,245名 (2012年3月31日現在)

               本社所在地 東京都中央区京橋1-15-1
               事業内容  調味料、加工食品、飲料、各種アミノ酸、甘味料、化成品、化粧品、スポーツ栄養食品、
                     栄養ケア食品などの研究開発・製造・販売


本事例に掲載された情報は、取材時点のものであり、変更されている可能性があります。なお、事例の掲載内容はお客様にご了解いただいておりますが、システムの機密事項に言及するような内容については、当社では、ご質問をお受けできませんのでご了解ください。

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