データベース高速化事例社会医療法人財団 白十字会 佐世保中央病院様

2019年12月13日

  • お客さま導入事例
  • 設計・構築
  • サーバー
  • ストレージ

夜間バッチ処理時間60%減、電子カルテの動作速度向上

創立90年を迎えた社会医療法人財団 白十字会 佐世保中央病院は、佐世保県北地域における急性期病院として、年間5,000人を超える救急患者さまを受け入れている。また糖尿病、リウマチ・膠原病、人工透析、低侵襲治療センター(低侵襲心臓手術(MICS)、大動脈ステントグラフト内挿術、胸腔鏡下・腹腔鏡下手術、脳血管内治療、消化器内視鏡治療など)、認知症疾患など、専門医療専門性の高い医療・教育の提供も佐世保中央病院の大きな特徴である。今回、その佐世保中央病院にて電子カルテなどの業務システムを更改し、システムの高速化、および利便性向上と運用・管理の負担軽減を実現した。

  • 理事 副院長 医療情報本部長 地域医療連携センター長
    医学博士
    平尾 幸一氏
  • 医療情報本部 システム開発室
    次長
    竹谷 貴海氏
  • 医療情報本部 システム開発室
    課長
    南里 忠広氏
  • 医療情報本部 システム開発室
    主任
    久保 孝志氏

導入前

  • 電子カルテをはじめとする業務システムの遅延とデータベースのパフォーマンス低下
  • 夜間バッチ処理&バックアップの速度低下
  • システムの更新ごとに長時間のダウンタイムが発生

導入後

  • 電子カルテをはじめとする業務システムおよびデータベースの高速化
  • 夜間バッチ処理が4割程度の時間で完了するなど大幅な時間短縮
  • スムーズなデータ移行作業により患者さまへ迷惑をかけることなく、システムを再稼働

システムの特徴

  • 電子カルテ、およびデータベースのパフォーマンス向上のため、ピュア・ストレージを導入
  • 今まで定期的に実施していたデータベースのパフォーマンスチューニングが不要に
  • 夜間バッチ処理の高速化により、運用負荷を大幅に削減
  • 白十字病院(福岡)との間でレプリケーションを実施し、災害対策性を向上(予定)

経緯

電子カルテの動作速度向上のために行っていたパフォーマンスチューニングの時間を削減したい

佐世保中央病院は電子カルテなど、医療を支える大部分の業務システムを内製化しており、ICTにおいて技術とノウハウがあるが、システム更改を前にさまざまな問題が発生していた。「業務システムの動作速度の遅さが顕著化していました。とくに外来で混雑する月曜日の午前中はアクセスが集中するため、電子カルテが非常に遅くなることがありました。それを改善するために、半年に1回はソフトウエアのパフォーマンスチューニングを行っており、その時間を無くしたいと考えていました。また、速度の問題で週1回のバックアップが業務時間にずれ込んでしまうこともありました。時間をずらすなどして対応していましたが、そもそもはバックアップ時間の短縮化が必須でした。」(医療情報本部 システム開発室 課長 南里 忠広 氏)

プロセス

データベース部分のSSD化は必須

同院がシステムの更改に向けて求めたのは、電子カルテおよびデータベースのパフォーマンスアップ、バックアップ・レプリケーションのスピードアップ、バッチ処理のスピードアップだ。「これらを実現するため、ハードウエアに求めたのは仮想化・基盤統合に加え、データベース用ストレージのSSD化です。まずはハードウエアで性能を上げたいと考えました。」(南里氏)
「重視していたスピードについては要件がSSDだったため、どのベンダーもクリアしていました。そのなかで、データベースのアセスメントを行ない、レポートを当院に提出していただきました。これまでのログ情報を参照してボトルネックをチェックし、既存ストレージが影響している部分を精査。新システムにすれば、どの程度のスピードアップが見込めるかというアセスメントでした。我々も数字について納得することができました。」(医療情報本部 システム開発室 次長 竹谷 貴海 氏)

効果・今後

患者さまへ迷惑をかけることなく、わずかなダウンタイムで新システムが稼働
以前より4割程度の時間に短縮された夜間バッチ処理などスピードアップを実感

構築は2019年6月中旬から8月までで完了。多少のトライアルアンドエラーはあったものの、おおむね順調に進み、カットオーバーに至った。
 
「ダウンタイムはほとんどなく、切り替えの時間は約1時間半で済みました。もちろん、切り替えは平日を利用しましたが、ダウンタイムが長くなれば患者さまの入院を制限する必要があり、救急の受け入れも難しくなります。患者さまにご迷惑をかけずに切り替えることができたのは本当に良かったと思っています。」(理事 副院長 医療情報本部長 地域医療連携センター長 医学博士 平尾 幸一 氏)
 
サーバーの更改後、同院では業務システムの速度が確実に速くなったと感じている。例えば、月曜午前中に発生していた高負荷状態による電子カルテの遅延はなくなり、現在は快適に動作している。「電子カルテの表示も健康診断システムの予約も待たされることがなくなりました。長い処理ほど速くなっている印象です。」(南里氏)
 
「夜間バッチ処理も速くなりました。以前に比べ4割程度の時間で処理が終わります。月に1回行っているサーバーのメンテナンス作業も効率的になりました。以前はデータベースのサーバーをダウンさせるまで約25分かかっていましたが現在は約5分。コマンドプロンプトで行う作業も煩雑でしたが、簡素化された現在はSEの手間がなくなりました。今は別の場所のメンテナンス作業に時間を割くことができます。」(医療情報本部 システム開発室 主任 久保 孝志 氏)
 
「今後、同法人系列の白十字病院(福岡市)でも同様のサーバー更改を行う予定です。その白十字病院ではダウンタイム30分を目指しています。また、将来的には福岡-佐世保間のデータ転送により、お互いバックアップし合う環境を構築する予定。まずはデータを失わない仕組みづくりに重点を置いています。」(竹谷氏)

お客さまの評価

素早く誠実な対応に感謝

「ユニアデックスとは画像システムのハードウエアメンテナンスでお付き合いがありました。今回は担当営業やSEの方々に大変ご尽力をいただきました。本当に対応が素早く誠実でした。白十字病院もよろしくお願いします。」(平尾氏)

当院を支えるパートナーとして期待

「ユニアデックスのサポートはしっかりしています。電話で伺ったところ、まずは切り分けを行い、スムーズな段取りでこちらの不明点をクリアにしていただきました。今後も当院を支えるパートナーとして期待しています。」(竹谷氏)

データ投入時のスピードに驚き

「ユニアデックスにはピュア・ストレージと連携し、スムーズなデータ移行を行っていただきました。とくに新しくデータを投入するときは爆速で驚きました。フルでSSDの性能が発揮できるシステムになれば、データ移行専用ツールは必要ないかもしれません。今後もユニアデックスとピュア・ストレージの優れた協業に期待しています。」(南里氏)

ランニングコストの削減に成功

「これまではソフトウエアのライセンス費用が高かったため、今回はこの部分のコストダウンを目指しました。その分、ハードウエアには費用を注ぎましたが、トータルでのランニングコストは削減できたと思っています。そういう意味では、今回のユニアデックスの提案構成は非常に満足のいくものでした。」(久保氏)

2019年09月取材

Profile

所在地
長崎県佐世保市大和町15
設立
1929年(昭和4年)
病床数
312床
  • 記載の会社名、製品名は、各社の商標または登録商標です。
  • 自治体・企業・人物名は、取材制作時点のものです。

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