データベースアプライアンス構築

2014年05月23日公開

ダイハツディーゼル株式会社様

特殊なディーゼルエンジン製造の設計部門と製造部門の連携を、ODA採用で強化

船舶や大型発電機などのディーゼルエンジンを世界中に提供しているダイハツディーゼルでは、昨年5月に設計情報管理システムのバージョンアップを実施した。基盤として「ODA(Oracle Database Appliance)」を採用したこのシステムは、顧客の声を製品に生かすための豊富なノウハウと高い技術力を強みとする同社のビジネスに大きく貢献すると期待されている。
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システム概要

ダイハツディーゼルでは、独自の設計情報管理システム「KIDS」シリーズを約15年にわたり活用し続けてきている。
製造現場が設計データを参照する際に使われるKIDSは、船舶用や大型発電機用のディーゼルエンジンを多品種少量型で製造する同社にとって、顧客の声を製品に反映するための命綱とも言える存在だ。
同社は昨年5月、オラクルのデータベースアプライアンス商品「ODA(Oracle Database Appliance)」を採用した「KIDS3」を稼働開始。既存の販売システムとの連携を維持しつつ、レスポンスの向上により設計部門と製造部門の連携を強化。
さらには将来的な設計データ量の増加に対する備えも万全なものとした。

システムの特徴

  • パフォーマンスの向上によりシステムのレスポンスを改善
  • シンプルな構成で運用管理を効率化
  • 将来的なデータ量の増加にもハードウエアを変更することなく対応可能
  • CPU使用量に合わせて課金するライセンス体系でコストパフォーマンスを最大限に発揮

導入前の課題

設計データを管理・参照するときのレスポンスを良くしたい

製品を製造するためには、設計部門が作成した、部品構成の一覧を階層構造で表したBOM(Bills of Materials)が欠かせない。製造部門は設計BOMを基にして生産BOMを作成し、スケジュールを組み立てる。そのため、設計情報管理システムのレスポンスが遅いとBOMの作成も遅れ、それが製造工程の遅延につながる。さらに最終的には顧客満足度の低下につながりかねない。多品種少量を丁寧に製造するからなおさらだ。また、製造部門が過去の設計データを参照するために検索を行う際にも、システムのレスポンスがより速くなることで生産性の向上が図れるよう求められていた。

将来的な設計データの増加などに備えたい

船舶用や発電機用のディーゼルエンジンの多品種少量生産は設計者にかかる負担も大きい。設計データの種類や量が膨大なものとなる。しかも製品のライフサイクルが20年、30年、時には40年と非常に長く、加えて1つのエンジン当たりの部品点数も2万点に及ぶために、部品や部品データのストックも数十年単位となる。またダイハツディーゼルでは将来的な3D CADへの本格移行を目指しており、1設計データ当たりのデータ量も大幅に増加することが予測された。そこで、長期にわたって増え続けていく設計データを、いかに安全かつ低コストに保管し続けるかが課題となっていた。

開発から製造までのプロセスを効率化したい

ダイハツディーゼルが扱う船舶用や発電機用のディーゼルエンジンは開発から製品化までが長い。しかし製品化後の受注に対し、部品の発注などは早期に行わねばならない物もある。それは、例えば船舶主機のエンジンの場合、インターバルなしで常に水の抵抗を受け続けるため、全ての部品に特別に高い耐久性が求められるからだ。しかも顧客からの要望に応じた仕様にするために段階ごとの設計変更なども求められるから、いかに設計と製造現場をスムーズにつなぎ、開発から製造までのプロセスで無駄をなくすかが模索されていた。

導入後の効果

ODAで高速化。高いコストパフォーマンスを発揮

ハードウエアとソフトウエアを一体化した「ODA(OracleDatabase Appliance)」への移行により、設計情報管理システム「KIDS3」は旧システムのKIDS2よりも高速化された。シンプルな構成となり使い勝手も良くなった。また、以前のKIDS2には、旧システムの流れと新システムの仕組みを取り入れたことで余分な処理が存在していたが、これも払拭された。さらに、ODAならではのCPU使用量に応じて課金するライセンス体系により高いコストパフォーマンスを実現した。

設計と製造現場の連携を強化し顧客満足度の向上に

船舶用や大型発電機用ディーゼルエンジンの設計データには二種類ある。新製品設計時の本体設計データと、これをベースに顧客のニーズに合わせて細かい仕様を変更するための艤装(ぎそう)設計データだ。ダイハツディーゼルにとって、顧客の声を艤装設計に生かすための高度なノウハウが強みの1つにもなっている。同社 情報システム部 理事の南敏広氏は、「最近では低燃費へのニーズや排ガス規制などにより、基本設計はもちろん、いかに艤装設計で顧客の要望に応えるかが重要になっている。KIDS3でレスポンスが向上したことなどで、顧客からの声を設計データに反映し、製造現場へ早期に情報連携できる事を期待している」と語る。

高い拡張性で将来的な設計データ量の増大にも対応可能に

設計の世界で急速に普及している3D CADだが、ダイハツディーゼルでは2Dでの設計にも強いこだわりがある。「昔からの熟練設計者は、頭の中で3D化して部品を組み合わせ、及び擦り合わせ等も考慮しながら2Dで、つまり手書きで設計してきた。3D CADを入れるのは簡単だが、エンジンを作るこの基礎とノウハウを持たない設計者が安易に手を出すことは、強度や材質・加工に問題が発生したり、最終的に現場で製造できないといった事態も危惧される。システムに"魂"を入れるのは人。まずは人づくりを大切にしたい」(南氏)。そんな同社のこだわりは将来的なデータ量の増加を生む。しかし拡張性の高いODAであればコストを抑えつつ容易に対応できる。

お客様の評価

ODAの高速性とシンプルさ、そして拡張性が自社のニーズに合致

「当社の業態は受注生産が中心なので、既存のパッケージシステムでは満足のいく使い方がなかなかできない。
そのため独自改造でシステム強化に力を入れてきており、今回のKIDS3もそうしたシステムの1つだが、「ODA(Oracle DatabaseAppliance)」との相性はとても良いと感じている。高速性はもちろんだが、ソフトウエアとハードウエアが集約されたことによるシンプルさが、運用管理の効率化にもつながっている」と南氏はODAについて評価する。
現在のところODAのハードウエアにはまだまだ余裕があるといい、将来的なシステム拡張にも十分に対応可能だ。

厳しいベンダー選定の目で、ユニアデックスをパートナーに

ダイハツディーゼルでは、2007年に稼働開始した「Oracle RAC」ベースの販売系システムの構築でもユニアデックスをパートナーに選んでいる。しかし南氏はベンダー選定のポリシーについてこう語る。「ベンダーとの長い付き合いも大事だが、付き合いがあるからといって優遇するようなことは一切ない。ベンダーの信頼性やSEの技術力、そして価格などをその時その時で常に吟味し、より良い対応ができるベンダーへと切り替える心構えでいる。今回ユニアデックスをパートナーに選んだのも、過去の付き合いからというより、今我々に貢献できる力があるかどうかを考慮した結果だ」。

  • 情報システム部理事
    南 敏広 氏

Profile

ダイハツディーゼル株式会社
http://www.dhtd.co.jp/ja/

大阪府大阪市北区大淀中1-1-30
梅田スカイビルタワーウエスト17・18階
電話:06-6454-2331

1939年の設立より、中・大型船舶や鉄道車輌、そして大型発電機やポンプなどで使われているディーゼルエンジンを製造し続けてきたダイハツディーゼル。近年ではガスタービンエンジンやコジェネレーションシステムなどの製造でも高い実績を誇っている。同社はグローバルにビジネスを展開するなか、長年にわたり蓄積された豊富なノウハウと高い技術力を背景に、低燃費や排ガス規制への対応といった環境に優しいエンジンづくりで競争力を発揮しているのである。そして「ものづくりは人づくりから」をキャッチフレーズに、さらに技術を磨き、継承しながら、顧客満足度の追求と地球環境との調和を追求しようとしている。

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