Cisco UCS導入事例マーザ・アニメーションプラネット株式会社様

2017年06月27日

  • お客さま導入事例
  • 設計・構築
  • 運用・保守
  • サーバー

CG映像制作を支えるレンダーファームをCisco UCSで再構築
シンプルなシステム構成で「業務を止めない」ための基盤を実現

国内最高峰のCG映像制作技術を持ち、独自の世界観やキャラクターの魅力を描き、CGアニメーション映画を製作しているマーザ・アニメーションプラネットは、レンダーファームとして運用してきたサーバーシステムを刷新し、最新世代のハードウエアに置き換えた。業界特有の運用やニーズを理解したユニアデックスの適切な提案と対応によって、シンプルで高い可用性を持つ新たなシステム基盤を実現している。

  • マーザ・アニメーションプラネット株式会社
    最高技術責任者
    堀口 直孝氏
  • マーザ・アニメーションプラネット株式会社
    システム管理
    チームマネージャー
    杉田 尚弥氏
  • マーザ・アニメーションプラネット株式会社
    システム管理
    秋重 有希氏

導入前

  • サーバーシステムの世代が古くなり、ハードウエアの故障による保守費用の負担が大きくなっていた。
  • 増強を繰り返してきたことにより、システム構成が複雑化し、全体のバランスが損なわれていた。
  • 300台近いサーバーがあり、ランニングコスト、電源や設置スペース(ラック)の負担が大きかった。
  • 各サーバーへのイメージファイルの投入を手作業で行っているため、工数や時間が非常にかかり非効率であった。

導入後

  • 最新世代のサーバーシステムを採用し、サーバーは合計88台まで減り、大幅な機器の削減を果たした。
  • サーバー、ストレージ、ネットワークを接続するケーブルの集約と本数の削減によって、シンプルなシステム構成を実現した。
  • 管理ツールを活用して各サーバーへのイメージファイルの投入を自動化するなど、日々の運用作業を大幅に効率化できた。

システムの特徴

  • 最新世代のCPUを搭載したCisco Unified Computing System(Cisco UCS)を採用し、処理能力の維持向上と機器台数の大幅な削減を両立
  • Cisco UCSファブリック インターコネクト(FI)でケーブルを集約し、本数も削減
  • ハードウエアの一部が故障しても業務に影響を及ぼさない可用性を実現
  • サーバー管理ツールCisco UCS Managerに加え、複数サイトの管理を一元化できるCisco UCS Centralで運用管理を効率化

経緯

300台近いレンダーファーム用サーバーの世代交代が必要
運用・保守のコスト削減とサーバーシステムの収容率向上が課題

マーザ・アニメーションプラネットでは、レンダーファームとして運用していたサーバーシステムの世代が古くなり、ランニングコストや保守費用の負担が大きくなっていたため、リプレースを検討していた。同時に、サーバー台数を削減してシンプルなシステム構成に見直す必要性も感じていた。
 
「2013年にレンダーファームとしてサーバーを1,000台近く導入し、その後もプロジェクトのスケールに応じて300台近いサーバーを維持してきましたが、ハードウエアの故障率が非常に高くなっており、新しいものに入れ替える必要がありました。システム構成も全体で見るとアンバランスな状態になっていたので、今回はできるだけシンプルにすることを目指しました。世代が新しいCPUはコア数が増えているので、これまでと同等の処理能力でもサーバーの台数を削減でき、ラック数を減らせます。物理的な機器やケーブルが減れば故障する箇所も減りますから、保守の面でもメリットがあると考えたのです。」と堀口氏は話す。

プロセス

48台のCisco UCSをデータセンターへ追加導入
提案から構築、納入までユニアデックスの適切でスムーズな対応を高く評価

映像制作業務で求められる性能と、導入から運用・保守までのコストとのバランスを踏まえて検討を行い、新たなサーバーシステムとしてCisco UCSを採用した。2016 年1月にまず40台のブレードサーバーを社内に導入し、2017年2月に48台をデータセンターへ追加で導入している。ユニアデックスは2017年の導入で構成の提案から検証、運用・保守まで一連の対応を行い、高い評価を得ている。
 
「ユニアデックスはCisco UCS の導入実績を豊富に持ち、取り扱いに長けている点を評価して今回の構築をお願いしました。提案の最初から必要な構成がしっかりまとまっていて、その後の進行は非常にスムーズでした。機器を事前にキッティングしてテストを行い、正常に稼働する状態で納品いただけたので、すぐに運用を始められたこともとてもよかったです。」(杉田氏)
 
同社では各サーバーをまっさらなベアメタルの状態から構築しており、仮想化基盤などは用いていない。ストレージとネットワークもそれぞれ専用の製品を組み合わせて設計するほうが求めるコストパフォーマンスを得やすいと判断しており、こうした意図をユニアデックスは正しく理解し、ベストな提案を行った点もポイントとなっている。
 
「映像制作業務が本格化するとサーバー(レンダーファーム)は何日もピーク性能のままで稼働しますから、たとえわずかであっても仮想化基盤に余分な処理能力を割くようなことはしたくないのです。試験機をお借りして、実際の業務で使ってパフォーマンスなどを確かめた上で導入できたので、安心感がありました。」(堀口氏)

効果・今後

Cisco UCSの特徴を生かしたシンプルで高効率のシステムを実現
今後の増強を踏まえた管理ツールCisco UCS Centralも導入

300台近くあったサーバーは合計88台のCisco UCSに置き換えられ、機器の大幅な削減となった。今回の追加構築に合わせて複数のサイト(ラック)を一元的に管理できるCisco UCS Centralも導入しており、今後のさらなる増強にも対応できるようにしている。また、Cisco UCSは、Cisco UCSファブリック インターコネクト(FI)によってサーバーとストレージ、ネットワークの各機器をつなぐケーブルを集約できるため、物理的な配線が大幅に減り、目標としていたシンプルなシステム構成を実現した。
 
「通常のサーバーシステムではネットワークスイッチとサーバーの間にトランシーバーなどを多数入れる必要があり、コストもかかります。FIでケーブルを集約することで、かなりのコストダウンが図れました。かつては手作業で行っていた各サーバーへのイメージファイル投入も、管理ツールのCisco UCS Managerを活用して大きな省力化を果たしています。」(秋重氏)

お客さまの評価

専門的なニーズを理解した適切な対応を評価

業界特有の使い方を踏まえた構築と運用が必要で、その中でも私たちはかなり先鋭的な取り組みをしていると思います。そうした当社のニーズを理解して対応いただける構築ベンダーは少なく、その点でもユニアデックスへの評価は高いです。(堀口氏)

構築・納入時の検証をしっかり実施

これまでは機材が届いてからキッティングやテストを行うことがほとんどで、部材の不足や機器の不具合が発覚して困るケースが多かったので、ユニアデックスの対応はさすがだと感じました。(杉田氏)

今後の保守対応でも支援を期待

近々制作するフルCG映画では、今回導入したCisco UCS がレンダーファームとしてフル稼働する見込みです。これから機器の故障など保守対応をお願いしていくことになると思うので、引き続きよろしくお願いいたします。 (秋重氏)

2017年05月取材

Profile

所在地
東京都品川区東品川2-2-20 天王洲郵船ビル18階
設立
2005年1月21日
資本金
1億円
従業員数
124名
事業内容

CGアニメーション映像制作事業

世界に向けたフル CG 長編アニメーションの企画、製作、販売著作権事業、原作権および商品化権の販売、許諾 など

  • 記載の会社名、製品名は、各社の商標または登録商標です。
  • 自治体・企業・人物名は、取材制作時点のものです。