Red Hat OpenStack Platform導入事例NHNテコラス株式会社様

2016年09月14日

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新たなIaaS型サービスでRed Hat OpenStack Platformを採用
商用ディストリビューションで品質維持と短期間の構築を両立

データセンター事業をはじめ、Eコマース支援やセキュリティーなどの事業も展開しているNHNテコラスは、顧客ニーズに対応する新たなIaaS型サービスの提供にあたり、プラットフォームにRed Hat OpenStackPlatformを採用することで品質を維持しつつ短期間の構築を実現。ユニアデックスはOpenStackに関する情報提供や技術支援からデータセンターの運用保守までトータルに対応し、同社のサービス展開を支えている。

  • NHN テコラス株式会社
    取締役
    平井 壮氏
  • NHN テコラス株式会社
    データホテル事業本部
    黒澤 隆史氏

導入前

  • OpenStackを利用したIaaS型(クラウド)サービスの商用展開を考えていた。
  • コミュニティ版のOpenStackによる商用サービス開発には時間を要し、ビジネススピードへの対応が難しかった。
  • 耐障害性や拡張性を考慮し、ストレージ、アクセス回線などの最適な選定と構築が求められた。

導入後

  • 商用版ディストリビューションの利用でサービスに必要な機能と品質を担保し、構築期間も数ヵ月へと短縮できた。
  • 顧客に提案できるサービスの種類が増え、ニーズに応じた対応がしやすくなった。
  • システム環境や機器構成の冗長化、SDSの採用などをベンダーの支援も受けながら適切に行うことができた。

システムの特徴

  • Red Hat OpenStack Platformの特徴を活かしたマルチベンダー環境
  • 将来的なバージョンアップや機能検証を踏まえて本番環境とテスト環境を用意
  • 耐障害性を意識し、本番環境のコントローラーノードを冗長化
  • 今後の拡張を踏まえたスケールアウトしやすい構成
  • 既設環境との接続を行い、リソース有効活用を実現

経緯

早い段階からIaaS型サービスの基盤としてOpenStackを研究
コミュニティ版を用いて社内で小規模なサービスを構築

NHNテコラスのITインフラ・マネージド事業であるDATAHOTEL(データホテル)は、VPSサービスやホスティング、クラウド構築・運用など顧客のビジネス基盤となるITインフラとマネージドサービスを提供しており、その品質や利用しやすいメニュープランなどで好評を得ている。同社は当初からオープンソースソフトウエア(OSS)やUNIXプラットフォームを積極的に活用し、オンプレミス、仮想環境共に数多くの実績を持つ。サービス拡充を踏まえた研究や開発も自社内で行っており、今回新たに提供を始めることになったIaaS型(クラウド)のサービスについても早くからOpenStackの研究を進めていた。
「DATAHOTEL事業の母体となっている会社が組織変更などを行っていく中で、我々自身もクラウド基盤や関連する技術を扱えるようになることが、お客さまのニーズに応えていくために必要だと考えていました。当社はマネージドサービスを中心としているので、さまざまな製品や環境に対応していくことは重要です。OpenStackも、最終的にはサービス(商品)としてご提供できるようにしたいと思っていました。」と平井氏は話す。
「パブリッククラウド、プライベートクラウドという括りを設けず、IaaS的な基盤の検証に着手したのは2010年頃だったと思います。自社の設備を用いたIaaS型のサービスはこれまで提供していなかったので、要素技術的なところを研究する目的で小さな部署を設けてスタートしました。このときはコミュニティ版のOpenStackを用いて、社員が各々の端末(サーバー)で小規模な環境を構築したりしていました。」(黒澤氏)

プロセス

商用サービスの実現に向けてシステム構成を本格検討
ユニアデックスの提案を受けRed Hat OpenStack Platformを採用

同社はOpenStackを用いた商用サービスの開発に際してストレージの検討を2015年初頭から始め、そこで提案を求めたのがユニアデックスだった。以前から同社はデータセンターの運用保守、機材の調達や構築などでユニアデックスのサービスを積極的に活用しており、一部業務のアウトソーシングも行うことで、より顧客に近い業務に注力できるようにしている。長期にわたって培われてきた信頼関係の下で、両社は新たなサービス開発に向けて緊密に取り組むこととなった。
「クラウド(仮想化)基盤をきちんと使うには、ストレージも重要な要素です。スケールアウトが容易なこと、お客さまにご提供できる品質を保つことを念頭にSDS(ソフトウエアディファインドストレージ)の検討を進めていたとき、まずユニアデックスにお声がけしました。その後、OpenStackに関する情報提供もお願いすることになり、Red Hat OpenStack Platformが我々の要件に適しているとご提案いただきました。Red Hat OpenStack Platformはフェイルオーバー(HA)機能を標準で備えており、SDSもサポートしていたので、当時比較検討していたOpenStackの商用ディストリビューションの中で最適な選択肢だったのです。」(黒澤氏)
「最初は、OpenStackはコミュニティ版を使って自社で開発しようという流れでしたが、時間がかかってしまうことが懸念でした。我々のビジネスでは品質とスピードが重要ですから、一定以上のクオリティーを担保し、構築期間も短くできるならコストをかけても商用版のディストリビューションを使うのが適切だと判断したのです。ユニアデックスは、当社とレッドハット社、他の製品ベンダーの仲介役としてとても柔軟に対応いただき、システム構成や機器の検討までトータルに支援してもらうことができたので非常に助かりました。」(平井氏)

効果・今後

商用ディストリビューションの利用で構築期間を短縮
顧客の声を反映しながらサービスの改良と横展開を進める

Red Hat OpenStack Platformを用いたことでIaaSサービス基盤の構築自体は2 ~ 3ヵ月で完了させることができ、2016年6月から稼働を始めている。すでにサービスを利用している顧客からのフィードバックを受け、仕様の拡張や改良を行いながら、より多くの顧客へ提案、横展開できるように取り組みを続けている。
「クラウド基盤としてOpenStackを使ってみたいというお客さまは確実にいらっしゃいます。当社としても商用サービスとして提供できるようになったことで、お客さまへご提案できるものが増えて、お問い合わせいただく機会も増えている状況です。今後、OpenStackに限らずOSSの活用という点でも、当社のビジネスにフィットするものがあれば取り入れて活用していきたいと思っています。」(平井氏)

お客さまの評価

顧客への対応に注力できるさまざまな支援に感謝

ユニアデックスには、当社の業務のアセスメント(仕訳)と、データセンターの運用や監視などで現地に赴かないとできない作業のアウトソースなどをお願いしています。我々の業務全体において幅広くご相談できる良きパートナーで、顧客対応に集中できるようにご支援いただけるのでとても安心しています。(平井氏)

レスポンスが速く的確なので頼りになる

ネットワーク機器、サーバー、ソフトウエアなどさまざまな部分で、ユニアデックスには当社のビジネスやIT 基盤にしっかり関わっていただいている印象です。当社のいろいろな部署からお願いがあると思いますが、こちらからのリクエストに対してレスポンスが速く、また的確なのはさすがです。(黒澤氏)

2016年09月取材

Profile

所在地
東京都新宿区新宿6-27-30 新宿イーストサイドスクエア13階
設立
2007年4月
資本金
21億円
従業員数
472人(2016年5月末時点)
事業内容
  • ITインフラ・ソリューション事業
  • セキュリティー事業
  • コマース支援事業
  • 広告事業
  • 記載の会社名、製品名は、各社の商標または登録商標です。
  • 自治体・企業・人物名は、取材制作時点のものです。