仮想化導入事例株式会社トライアルカンパニー様

2014年10月15日

  • お客さま導入事例
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  • 仮想化

160台を超える物理サーバーを仮想環境へ移行・集約し、複雑化していた基幹システムの整理統合で安定性を大きく改善

食品や日用品、家電製品など日々の生活に欠かせない商品を安価に提供する「スーパーセンタートライアル」を運営しているトライアルカンパニーは、着実に出店数を増やし、九州から日本全域へ展開を進めている。業務に不可欠な基幹システムの管理性、可用性、安定性を改善したいと考えた同社は、仮想環境を利用することを決断。ライフスタイルに合わせた店舗づくり、規模に応じた運営ノウハウの構築を支えると共に、今後のさらなる成長に向けた基盤を整備した。

  • 株式会社トライアルカンパニー
    取締役
    情報システム本部長
    百武 佳美氏
  • 株式会社トライアルカンパニー
    システム本部 運用サポート部
    システム基盤課 リーダー
    谷口 公洋氏

導入前

  • 業務システム(基幹システム)を多数の物理サーバーで構成しており、複雑でシステム同士の連携も不明確になっていた。
  • 保守期限を満了したサーバーが多く稼働しており、機器自体の障害が起こりやすい状況だった。
  • サーバールームに多数の機材が乱立し、管理が煩雑になっていた。

導入後

  • 仮想環境への移行により、160台以上あった物理サーバーを20数台まで集約し、システム全体の最適化を実現。
  • 基幹システムの可用性、安定性が大きく改善された。
  • サーバールーム内の機材が大幅に整理され、管理性が向上した。
  • 物理的な機器が減ったことで、保守経費や光熱経費も劇的に削減された。

システムの特徴

  • ラックマウントサーバーを用いた仮想環境を構築
  • 既存の物理サーバーで稼働していたシステムを仮想環境へ順次移行
  • 物理サーバーを大幅に削減し、システム環境を整理、再構築
  • 障害発生時は自動的にバックアップ側へ切り替えて可用性を維持
  • 物理機器の削減(統廃合)により、物理機器に依存しないシステム運用の実現と管理性を向上

経緯

複雑化していた基幹システムを再構築して
管理性、可用性、安定性を改善することが大きな課題に

トライアルカンパニーでは、発注・在庫管理や勘定系の処理を行うデータベースや基幹システムを多数の物理サーバーで構築していたが、システム構成が複雑化したこと、またサーバーの中に保守期限を満了したものが多くあり、管理性や可用性を改善するためにリプレースが必要と判断。東日本大震災の影響で計画停電の話が出ていた時期とも重なり、停電によって全社のシステムが止まって業務継続が困難になることを回避すべく、データセンターへの移行も重要課題となった。
システム(サーバー)の統合、再構築とデータセンターへの移行にあたり、仮想環境の利用を検討した同社は、複数のシステム構築ベンダーに提案を依頼。最終的に11社からの提案を受け、その中から自社の要件に最も適したプランを提示したユニアデックスを選択した。
「物理環境を仮想環境へ移行させる作業のところから全体的にお任せできること、当社の要件に照らして適正なコストかどうかが最初の判断基準でした。最初はブレードサーバーによる構築を要件の1つにしたのですが、ユニアデックスはブレードの良し悪しを踏まえた上で、あえてラックマウントサーバーを提案してきました。導入後の運用まで見通した適切な提案と思いましたし、安易な検討によりブレードサーバーを選択していたため、こちらの要件を鵜呑みにせず、よりよい構成を考えていただけたのは大きなポイントでした。」と谷口氏は話す。

プロセス

クリティカルなものから順次仮想環境へ移行
システムの停止時間は最小限に抑えながら作業を実施

システム構築~移行の作業は、同社とユニアデックスで定例会を設け、課題を1つひとつ確認しながら対応した。移行期間はおよそ8ヶ月ほどかかり、同社の業務が繁忙期の際はユニアデックスの担当者が常駐してスピーディな意思決定を支援したとのこと。
「当初はすべてのシステムを整理しながら一気に移行させるつもりでしたが、業務要件の関係上困難となり、基盤系や周辺システムから進めていきました。今回を機にリニューアルするものや統廃合するものは、まず環境を作成し、切替時に最新のデータを移行させ、切替を行うという手順で順次対応しています。基幹システムと関連するサーバーは当社の業務に影響がある為、十分な移行時間を取れず、移行作業はプロジェクトが進むにつれて要件が厳しくなっていきましたが、ユニアデックスの移行ノウハウの提供と精力的な助力により無事克服できました。」(谷口氏)

効果・今後

物理サーバーの劇的な削減、集約によって課題を解決
仮想環境の特性を活かしてシステムの統廃合を進める

仮想環境への移行により、160台以上あった物理サーバーは20数台まで集約された。各システムは問題なく稼働しており、大きなトラブルや障害は起きていない。以前はシステム障害やサーバーの物理的な故障などへの対応で担当者が本来の業務を行えなくなることもあったが、管理性、可用性が大幅に向上した結果、飛躍的な改善を達成している。
業務に支障を及ぼさない、高信頼の止まらないシステムになったことは経営層からも評価されているとのこと。
「サーバー、ネットワーク機器とも問題なく稼働していて、満足しています。システム全体の障害は大幅に減り、さらにインフラに関わるあらゆる経費が劇的に削減できました。仮想環境への移行という今回のプロジェクト自体は成功したと思っています。
これから、本格的にシステムの統廃合を行っていきます。まだまだ無駄なところはあるので、仮想環境を活かして整備を進め、ライフサイクルを踏まえたガイドラインも作成していく予定です。社内で取り組みを進めるにつれて、新しいシステムのメリットがどんどんわかってくると思います。」(谷口氏)

お客さまの評価

今後の取り組みを支える非常に安定した業務基盤を実現

当社は現在、さらなる事業拡大に向けて出店数を増やしています。今回の仮想化とサーバー統廃合によってシステムの安定性は大きく高まり、同時に人員やコストの削減も実現しました。
ベンダーの選定は、現場のスタッフが信頼できるところがよいと考えていました。簡単なプロジェクトではありませんでしたが、ユニアデックスは最後まできちんとやり遂げていただき、感謝しています。
仮想化で実現した新しい環境では、以前のシステムで問題となっていた障害発生率が大きく抑え込まれており、今後も継続して取り組むシステム統廃合の安定したプラットフォームとして運用していけるでしょう。(百武氏)

顧客の立場、業務の内容を理解した対応を評価

今回のプロジェクトで、ユニアデックスは総合的なコンサルティングに近い形で関わっていただきました。プロジェクト全体を包括的に捉え、的確な提案、柔軟な対応のおかげで、今後の基盤となる良いシステムができました。
移行作業中など、構築だけでなく当社の業務を理解してフォローいただけたのも助かりました。システムの停止時間をできるだけ少なくなるよう配慮いただいたおかげで、日々の業務に支障なく移行できたのはよかったです。繁忙期などこちらが手一杯の時に、ユニアデックスの担当者が常駐してくれたのは本当に心強かったです。(谷口氏)

2014年10月取材

Profile

本社所在地
福岡県福岡市東区多の津1-12-2 トライアルビル
創業
昭和49年4月
設立
昭和56年7月
資本金
21億2335万300円
従業員数
社員 3,686名 アソシエート 14,874名(2014年6月現在)
事業内容
  • スーパーセンタートライアル(郊外型総合販売店)の経営
  • 食品、生鮮食品、家庭用品、衣料品、家電製品の販売
  • コンピュータソフトの開発、流通システムの開発
  • 記載の会社名、製品名は、各社の商標または登録商標です。
  • 自治体・企業・人物名は、取材制作時点のものです。