哲学対話ワークショップに挑戦!

「共感」をテーマに本質観取を実施しました。

  • 活動報告

2024年01月31日

  • ワークショップ

未来サービス研究所(以下、未来研)は、2013年の発足時から新ビジネス創出につながるアイデア発想を中心としたワークショップを開催しています。2020年からは異業種交流ワークショップ「未来妄想サロン」を開始。自由な発想を促進するクロストライアルや、未来予測ツール「未来飛考コンパス」を活用するなどさまざまなワークショップの手法を取り入れてきました。

 

現代は先行き不透明なVUCAの時代。目の前のトレンドを追うだけではなく、物事の本質を見極めることもビジネスを行う上で重要なのではないでしょうか。物事の本質を掘り下げるために有用な思考の一つとして、哲学的な思考があります。そこで未来研では新たな試みとして、物事を根本から見直し、仲間同士で話し合いながら本質へと辿りつく「哲学対話ワークショップ」を開催しました。

 

哲学、というと何やら難解な印象を持たれる方も多いかもしれません。哲学対話の中で用いられる“哲学”とは、本や論文などから得た知識ではなく、“そもそもを問い、本質を考える態度”のことをいいます。自分ひとりで思考するのではなく、人の意見を聞くことで自身の思考や認識の枠から解放され、自分の意見を伝えることで思考を深めあう営みが哲学対話です。詳細については未来研コラム「自分の頭で本質を考える“哲学対話”を解説!」をご覧ください。

 

未来研にとって、哲学対話は初めての試み。異業種交流よりも前に、まずはユニアデックス社内でトライアルができれば…と思っていたところタイミング良く、ある部署から「哲学対話を実施してみたい」とのオファーが。哲学対話にもいくつかの種類がありますが、今回は「自らの体験に基づいて、対話の参加者全員が納得するような本質を言語化する営み」である「本質観取」の手法に挑戦してみました。具体的には、それぞれの体験や確信に基づいた発言から共通する要素を対話し、参加者の相互理解をもって本質を見出していくものです。

本質観取のイメージ図
哲学対話(本質観取)の考え方
哲学対話(本質観取)の進め方
哲学対話(本質観取)の進め方

今回の本質観取では「共感」をテーマに、4-5人のグループに分かれて2回のワークショップを開催しました。それぞれのグループで、「共感」について感じる意見、「共感」にまつわる思い浮かぶエピソードなどを話し合い、ホワイトボードに書き出しました。

ディスカッションに参加する参加者の様子

参加者からは、「共感と理解の違いは何か?」「感情の起伏が少ない人は共感しにくいのか?」など活発な意見が出され、意見をホワイトボードに記載する書記さんも大忙し。あっという間に数枚のホワイトボードが「共感とは」という問いへの意見で埋め尽くされました。

ホワイトボードに記載する参加者の様子

一時間ほど過ぎたところで名残惜しくも対話は終了。さて「共感」について本質観取はできたのでしょうか。一つのグループの例をご紹介します。

 
共感とは…
「興味を示し、似たような経験のもと同じ感情になること」
※経験は想像で代用可
 
という見解が「共感」に関する哲学対話の思考結果として導き出されました。
しかし、この結果が唯一の正解という訳ではありません。メンバーが変わればもちろん結論は変わるでしょうし、ひょっとしたら同じメンバーであっても、違う機会にもう一度対話をしたら異なる結果になるかもしれません。その場に集まったメンバーの中での共通了解にたどり着くまでのプロセスを、本質観取では重視しています。
 
今回の哲学対話ワークショップに参加したメンバーからは、
「自分の中の当たり前が、正しかったこともあれば、正しくないこともあったことに気付いた」
「はじめは『哲学』というキーワードがあり正直ためらっていたが、一つの単語についてみなでじっくり討論、検討していくという進め方、ゴールへの道順をたどる作業を真面目に楽しめた」
「自分自身や周りの人の特性を理解することができた」
 
などの感想が出ました。哲学対話を通じ、「共感」というテーマについての意識や行動が変化するきっかけづくりとなりました。同時に、普段はそれぞれの業務に従事しているメンバーが一つのテーマについてじっくり話し合うことで相互理解を促し、コミュニケーションにも役立ったとの嬉しい意見がありました。
 
複雑かつ変化が激しい現代だからこそ、目の前のことに捉われず、相対的に変化しづらい本質を洞察していく力がより一層求められるのではないでしょうか。
哲学対話ワークショップについてご興味のある方、実施してみたい方は未来サービス研究所までお気軽にお問い合わせください。

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