グローバル案件 コミュニケーション術:伝わる言葉で伝える(第1回目)

  • ブログ

2021年08月31日

  • エッセイ

こんにちは。ユニアデックスでグローバルビジネスを担当している三浦です。
さまざまな事業展開やサービス提供を行う際に、メールやコミュニケーションツールをはじめ、ICTインフラは必須の基盤となっております。今やその展開が海外拠点にまで広がっており、日本と海外拠点間のネットワーク接続は当たり前になっています。しかしながら、まだまだグローバル拠点で日本と同じシステムを構築し、同じ品質で利用・運用を行っていくことに課題を持たれている方は多いかと思います。

そこで今回、「グローバル案件コミュニケーション術:伝わる言葉で伝える」と題して、コミュニケーションをテーマに全3回のコラムをお届けします。いくつかの事例を元に実経験を踏まえてご紹介しますので、現在課題をお持ちの方、今後グローバル案件に携わる方、異文化コミュニケーションに興味のお持ちの方など、さまざまな課題解決の"きっかけ"と"小さな勇気"のお役に立ちますと幸いです。

文化の違いを乗り越えて

私が、グローバル案件に携わったきっかけは、1990年代に初めて海外出張した米国シカゴでした。その後、1999年から米国シリコンバレーで業務するチャンスがありましたが、2001年の9.11は衝撃的な事件でした。今となればもうおよそ20年前の話ですが、今でもはっきり記憶に残っています。それから、さまざまなプロジェクトに携わり、文化・気質の違う各国のスタッフと連携しながら案件を経験してきましたが、今回はこのような中で今でも覚えている案件の話からはじめます。

当時、担当していた案件で米国アトランタ在住のエンジニアから一通のメッセージを受信しました。
「ごめん2時間だけ家族とのクリスマスパーティーに出なきゃいけなくて、必ず戻ってくるから」
2003年当時、東京—名古屋間で、長距離光多重伝送装置(DWDM)を使った光伝送システムを構築していました。システム構築も佳境に入っており、機器ベンダーの米国人のエンジニアがリモートアクセスしながら、システム調整と動作確認を行っていた際の一コマです。
カットオーバーも迫っている状況で、お客さま立ち合いのもと作業をしていました。お客さまは「ほんとに戻ってくるのかな〜??」と半信半疑。しかも、クリスマスといった特別なイベント時期であり、仕事より家族を優先する米国人の気質もあり一抹の不安はあったものの、彼なら必ず戻ってくると信じていたことを今でも覚えています。

当時からコミュニケーションの大切さを上司から強く教えられていました。特に情報通信に携わる仕事をしているため、正しく伝える、伝わる表現で伝えるということに意識をおいていた気がします。
もちろんメールや電話のみでも調整はできるし、それなりの人間関係はつくれるかもしれませんが、緊急時や特別対応が必要となった際に、適切な対応をしてもらえるかは、これまでのコミュニケーションの取り方や、実際に会って会話をしたことがある人と、そうではない人では、明らかに対応や優先度に違いが出てくると思っています。

このケースにおいても、まず「日本ではシステム構築・メンテナンス作業は世間一般の人が休みの間に行われることが情報通信業界の常識で、それはお正月や夏休み、もちろんクリスマス期間も例外ではない。」ということをとことん説明した上で、スケジュールを調整してもらえるようお願いしていました。
彼にとっては理不尽な文化だとしか思えなかったかもしれませんが、それでも2時間後には約束通り戻ってきてくれて、無事システム開通を完了することができたのです。

最後まで日本側の都合に合わせた対応をとってもらえたこと。これはひとえに、このプロジェクトの開始当初からきちんと行われていたFace to Faceでのミーティングや交流を通して、エンジニアとの信頼関係を構築することができていたからこそ得られた結果だと思っています。また、お客さまからは「海外ベンダーとの信頼関係と連携が素晴らしいですね」と、感謝の言葉をいただき、なにものにも代えがたい達成感を味わうことができました。
17年程前の話ではありますが、グローバル案件を行う際はコミュニケーションが特に重要だということを実感する良い経験になりました。

そんな(稀な)成功体験をもう一度味わいたい一心で、現在は中国・東南アジア向けのシステム導入・プロジェクト展開を行っています。コロナ禍において、対面での打ち合わせや海外出張ができない状況であり、Web会議やメールのみでのコミュニケーションが多くなっていると思います。そんな中で相手にこちらの思いがきちんと伝わっているのか?期待通りのレスポンスを得られているか?客観的に自問自答してみるのも良いことかと思います。

ケーブリング / cabling

ユニアデックスの海外関係会社であるネットマークスのメンバーによる完璧なケーブリングで、トラブル時も即対応可能。

マレーシア ジョホールバルでの新規工場向け構内ITインフラ導入 / Introducing on-site IT infrastructure for new factories in Johor Bahru, Malaysia

マレーシア ジョホールバルでの新規工場向け構内ITインフラ導入案件にて。住所も決まっていない更地から建屋建設中のITインフラ導入。2カ月程ヘルメットと安全靴を履いてのプロジェクト管理でした。

仕事終わり、仲間と飲むビール、最高です! / After work, beer to drink with friends is the best!

仕事終わり、仲間と飲むビール、最高です!

三浦 昌弘(Masahiro Miura)

2002 年株式会社ネットマークス(現ユニアデックス株式会社) 入社。サービスプロバイダ事業部にて、通信キャリア向け伝送装置の販売、プロジェクト管理を行う。2008 年国際事業部にて、東南アジアにおけるICT インフラ構築プロジェクト管理を行い、グローバル拠点IT運用アウトソースプロジェクト管理、中国・東南アジア向けPC端末展開案件管理などを行い、現在に至る。

アジアビジネス通信

お問い合わせ

お客さまの立場で考えた、
最適なソリューションをご提供いたします。
お気軽にお問い合わせください。