「ゼロコロナ」から「ウィズコロナ」へ舵を切りはじめたタイ

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2021年12月17日

  • タイ
  • Covid-19

サワディーカップ(สวัสดีครับ)! ネットマークス・タイランド 新規タブで開く の市川 明彦です。

現在、ネットマークス・タイランドで現地スタッフと共に、日系企業向けの営業活動に取り組んでいます。

ご存知の方も多いかと思いますが、タイ政府は、2021年11月1日より日本を含む63カ国からの旅行者を対象に、ワクチン接種完了などいくつかの条件のもと、入国隔離の免除を開始しました。現地では、期待と不安が渦巻いています。影響がすぐに現れるとは思わないのですが、今回、入国隔離免除後のバンコクの様子を紹介したいと思います。

タイのコロナ(COVID-19)感染者推移

タイでは、2020年1月13日に初めて新型コロナウイルス(COVID-19)感染者が見つかりました。最初の第1波は、感染者も少なく3カ月程度と短期でした。その後、約100日間以上も市中感染者ゼロを記録し、タイはコロナを抑え込んだともいわれました。しかしながら、2020年12月17日、海鮮市場でクラスターが発生し、第2波が始まります。感染者数が最高959人にまで跳ね上がりましたが、2021年2月には落ち着き、制限も徐々に解除されました。ところが、2021年3月、バンコクの歓楽街でのクラスターをきっかけに、長い第3波へ突入します。8月には、国内で22,782人、バンコクで4,854人と最多感染者を記録し、医療崩壊寸前までに至りました。その後、ピークアウトし、2021年11月1日現在、感染者数は国内で8,165人、バンコクで625人です。減少傾向とはいえ、第1波、第2波の最多感染者数と比較すると、それぞれ43.4倍、8.5倍で、いまだ第3波の中です。

入国隔離免除の背景

ここに来てアジアをはじめ世界各国で、海外旅行者の受け入れを再開する動きが出始めています。観光が国内総生産(GDP)の約2割を占めるタイは、海外旅行者の入国制限により、多くの観光産業と関連産業が待ったなしの大打撃を受けています。
このような状況下、タイ政府は感染再拡大が懸念されつつも、経済再生を優先し、年末年始の観光需要を取り込むため、入国規制の緩和へ舵を切りました。

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バンコクの高級デパートは、もぬけの殻(2021年10月30日撮影)
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観光モールAsiantique The Riverfrontのお土産店は閉店、人もいない(2021年2月13日撮影)
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バンコク市内のバーは、1年近く閉鎖中(2021年10月30日撮影)

入国隔離免除後のスワンナプーム国際空港

11月1日、入国隔離免除の初日、タイのスワンナプーム空港では民間航空会社61便が到着し、約3,000人が入国、ほかの国際空港を含めれば約6,613人が入国したそうです。空港に行ってみたところ、人はいまだ少ないですが開国したという印象で、コロナ禍の幽霊空港のような光景が一変しました。入国者出口ゲートまで行こうとしましたが、止められました。入国者は、出口ゲートですぐに予約済のホテルの代理人と合流し、専用車で検査結果を待つホテルへ行くようです。当然ですね・・・

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到着便のボードが表示されている(2021年11月3日撮影)
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出口ゲート前まで行けないが奥に入国者が見える(2021年11月3日撮影)
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入国者はホテル代理人と合流しホテルへ(2021年11月3日撮影)
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閉鎖されていた第2駐車場もオープン(2021年11月3日撮影)

入国隔離免除後に顕著に現れたことは、制限解除で動き出したタイの人たち!

今回の入国隔離免除に対し、国内で多くの反対意見や不安があるのも事実です。しかしながら、今回、街を見たときに一番に感じたことは「タイの人たちが動き出した」ことです。入国隔離免除にともない国内のさまざまな制限が解除されました。11月1日からバンコクは、観光開国パイロット地域(ブルー・ゾーン)に指定され、バーやカラオケ店などの閉鎖や、指定店以外のアルコール類提供禁止などは継続されていますが、夜間外出禁止や飲食店営業時間制限などが解除され、ほぼ通常の生活環境に戻りました。12月1日からは、バーなどの営業開始やアルコール提供禁止の解除も検討されています。海外旅行者に強く依存する地域や関連産業はいまだ厳しいものがありますが、私が住むオンヌット(Onnut)のように海外旅行者の影響が少ない街は、人の動きがコロナ禍前の状態に少し戻ったような感じがします。

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屋台やタイマッサージ店が多い通りスクンビットソイ77/1(オンヌット・2021年11月3日撮影)
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アルコールの提供もOK、もはや以前のにぎわいがもどるローカルな飲食店(オンヌット・2021年11月3日撮影)
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車も戻りはじめ渋滞するサイアム(2021年11月5日撮影)

バンコクの観光地は?

解除後1週間なので影響が見られるとは思えないのですが、バンコク周辺の観光地へ足を運んでみました。今回は、11月1日に約半年ぶりに再開されたエメラルド寺院(ワット・プラケオ:Wat Phra Kaew)、日本の女性観光客に人気があるワット・パークナム(Wat Paknam Phasicharoen)、そして海外旅行者向け高級ブランド店が多い最高級デパート、サイアム・パラゴン(Siam Paragon)の3カ所です。感想は当然ですが「海外旅行者はほぼ見かけず、バンコクの人たちの多くが動き出している」といった感じです。いかに海外旅行者が、観光地で占めていたかをあらためて実感しました。観光地に入国隔離免除効果が出るまでには、まだ時間がかかりそうです。

エメラルド寺院(ワット・プラケオ:Wat Phra Kaew)

ワット・パークナム
昨年、コロナ禍前のワット・プラケオ
(2020年1月7日撮影)
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海外観光者は、ほぼ見かけない
(2021年11月6日撮影)
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もしかしたら、これが普通なのかも?(2021年11月6日撮影)

ワット・パークナム(Wat Paknam Phasicharoen)

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ワット・パークナム
お~、私ひとりが独占
(2021年10月23日撮影)
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開館1時間後では
人がいなかった
(2021年10月23日撮影)
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人が少し増えていたが、
これが普通なのかも?
(2021年11月6日撮影)

サイアム・パラゴン(Siam Paragon)

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人出が出てきたサイアム・パラゴン(2021年11月5日撮影)
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高級店は、店員のみ?(2021年11月5日撮影)
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みなさん、レストラン&フードコートへ(2021年11月5日撮影)

最後に

いかがでしたか?
入国隔離免除後、すぐに海外旅行者を街で見るのは無理でした。反面、バンコクの人たちが動き出し、街に活気が出てきたように感じます。しかしながら、誰もが気軽に自由に旅行を楽しめる状況かというと、私は疑問に思います。
入国隔離免除の入国手続きは結構面倒で、日本への帰国はいまだ厳しい条件があります。タイ国内での感染が再拡大する可能性もあります。個人的には、タイへの入国はもう少し様子を見てみないと判断がつけられないというのが本音です。
入国隔離免除は大きなリスクをともないますが、現状維持では大きな経済修復を期待することができないのも事実です。「ゼロコロナ」から「ウィズコロナ」へ、リスクを見ながら一歩一歩前に進んでいかなければならないと感じたのは私だけでしょうか?

タイでも今後は、クラウドサービスの活用が増えていくかと思います。ネットマークス・タイランドは、AWSビジネスを開始しました。クラウド化へのリスクもあるかとは思いますが、「ゼロクラウド」から「ウィズクラウド」へ今までの実績と経験を活かし、クラウドサービス時代に対応できるソリューションプロバイダーへと一歩一歩前に進んでいきたいと考えています。

新型コロナウイルスに関する情報について

上記は2021年11月中旬時点での情報です。最新の情報とは異なる場合がありますのでご注意ください。

現地の最新情報や渡航については、下記のリンク先もご参照ください。

在タイ日本国大使館ウェブサイト

市川 明彦(ICHIKAWA AKIHIKO)

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Business Development Team : General Manager

35年間、一貫してIT業界に。1998年、旧ネットマークス(現ユニアデックス)の海外ビジネス立ち上げメンバーとして、6年間フィリピンに駐在し、アジア各国へも支援。2019年9月、ユニアデックスを定年退職し、翌10月にネットマークス・タイランドへ入社。

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(後列右から4番目が私)
アジアビジネス通信

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