日本人から見た上海パンデミック生活(第1回)

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2022年07月08日

  • 中国

ネットマークス上海の宮崎 英樹です。
ネットマークス上海は、2003年から在中日系企業を中心に、ITインフラサービスを提供しています。お客さまの多くは日本でユニアデックスと取引をされているため、中国内でも日本と同様のサービスが提供できるように心掛けています。今回は、「日本人から見た上海パンデミック生活」の第1回目、ロックダウン前の生活模様をお届けします。

本記事は2022年4月19日時点の情報です。最新情報は在中国日本国大使館のWebサイトをご覧ください。

私が上海に赴任した2021年8月中旬は、上海の新型コロナウイルス感染者数は日本よりも圧倒的に少なかったです。そのため、中国では新型コロナウイルスは過去のものになりつつあると思っていました。ちなみにデパートなどの入口では自身のスマートフォンの健康アプリケーションの2次元バーコードを読み込ませて、個人の行動調査を実施しています。もちろん、コロナ感染者の行動もしっかりとモニタリングされ、感染拡大防止に役立てていました。しかし、2022年4月には上海市内だけで新規感染者数が2万人を超え、1カ月にもおよぶロックダウン(都市封鎖)が実施されるとは、3月の時点では夢にも思いませんでした。中国政府はロックダウン(完全な都市封鎖)との表現は使わず、「静的管理」としています。こんな状況でも、政府はコロナ感染管理ができているとの姿勢を崩していませんでした。

2022年3月中旬、ほぼゼロに近い数字で推移していた市中コロナ感染者数が、少しずつ増加し、テレビの報道や会社でも話題になってきました。ネットマークス上海の事務所や私が住むアパートの近くでも封鎖されている店舗や居住区が目立ち始め、利用している地下鉄の乗客数は激減してきました。恐ろしいことですが、居住区と一般道路をつなぐ門が、施錠され、外へ出られなくなりました(まさに軟禁生活)。

日本人から見た上海パンデミック生活
出入口がテープで封鎖された事務所付近のアイスクリーム屋さん
マスクの着用、検温、健康アプリケーションの2次元コードスキャンの啓発の張り紙
日本人から見た上海パンデミック生活
乗客はまばら(南京西路駅構内)
日本人から見た上海パンデミック生活
南京錠で施錠された事務所付近のアパートの出入口

そして、ネットマークス上海でも、感染予防の観点から、一部の従業員は3月16日から在宅勤務を始めることになりました。
同時に、各居住区単位でPCR検査が実施されるようになりました。私が住むアパートの住民も全員召集され、臨時PCR検査会場に行きました。日本で受けたPCR検査では、綿棒のようなもので喉の奥まで突っ込まれ、何度も擦られて、涙を流しましたが、そこは中国クオリティー、喉の近くを数回擦る程度でした。これで本当に正しく検査できるのか心配になりました。なお、検査時には個人情報を登録したアプリケーションの二次元バーコードを提示し、検査結果もアプリケーションに表示されます。

日本人から見た上海パンデミック生活
PCR検査の結果(前回分)を表示するアプリケーションのスクリーンショット
日本人から見た上海パンデミック生活
アパート付近の臨時PCR検査所

そして、上海市政府は市中心部を流れる黄浦江を境に、東部は3月28日から4月1日まで、西部は4月1日から4月5日まで、それぞれ96時間、ロックダウンを実施することを決定しました。その間、公共交通機関の運行を停止し、企業は休業か在宅勤務を義務付けられました。人口約2500万人を抱える上海市には、製造工場も数多くあり、ロックダウンによる影響は計り知れません。しかも、ロックダウンが発表されたのは3月27日の深夜、つまり、ロックダウン開始の数時間前でした。良いか悪いかは別として、新型コロナウイルスへの政府の対応はかなり迅速です。

私が住む静安区は黄浦江の西側なので、ロックダウンの開始は4月1日からでした。ロックダウンまで数日間の余裕があったのは、とても幸運なことでした。ロックダウンが決まると、みんなが考えることは同じです。そうです。食料の確保に奔走します。実は、ロックダウンの発表前から、うわさが流れていたので、少しずつ食料品を確保し始めてはいましたが、時すでに遅し。近隣のスーパーのインスタント食品や乾麺の売場には何もありませんでした。冷凍食品売場も同様です。

日本人から見た上海パンデミック生活
麺類は売り切れ(アパート付近のスーパーの陳列棚)
日本人から見た上海パンデミック生活
商品が何もない(アパート付近のスーパーの陳列棚)

また、ロックダウン前の3月29日の夕方、小さなスーパーで買物しましたが、肉類や野菜類は品薄でした。レシートには特価商品と印字されていますが、トマト3個と玉ねぎ2玉で24.8元、生鮮食品である玉子6個パックは25元もしました。それでも小さな店内は多くの買物客でごった返していました。また、供給が不足しているのか、このスーパーの隣にある青果店の店頭はガラガラでした。

日本人から見た上海パンデミック生活
トマト2個と玉ねぎ3玉の特価商品 24.8元、玉子6個パック 25元、パスタ500g、パスタソースで合計75.6元(2022年5月現在 日本円で1,500円程度)
青果店の店頭はからっぽ

家に帰ると、早速、保存食作りです。とはいっても、鍋にショートパスタやトマトなどの材料を一度に鍋で煮たトマトパスタと、炊飯器にお米とシイタケなどを入れて作った炊き込みご飯を冷凍しました。朝食はシリアルなので、昼食と夕食はこれを解凍して食べます。「ロックダウン期間は5日間、ま~、これくらい用意しておけば余裕でしょう」と高をくくっていました。

日本人から見た上海パンデミック生活
自家製冷凍トマトパスタ
日本人から見た上海パンデミック生活
自家製冷凍炊き込みご飯

牛乳は少しでも長く保存させたいので、ロックダウン実施直前の3月30日の夕方にコンビニエンスストアで買うつもりでしたが、町中の店舗は閉店しており、購入できませんでした。自分の考えが甘いことに気づき、降る雨が一層冷たく感じます。そして日付が変わった4月1日、ついにロックダウン生活がはじまるのでした。

日本人から見た上海パンデミック生活
誰もいないロックダウン前夜
日本人から見た上海パンデミック生活
赤信号が悲しく見えるロックダウン前夜
降る雨が一層冷たく感じるロックダウン前夜

続く

番外:ロックダウン前の3月27日に、同僚から教えてもらった桜とチューリップで有名な「琴鍵春園」に行ってきました。満開の桜は逃しましたが、十分に楽しむことができました。

日本人から見た上海パンデミック生活
ロックダウン前のささやかな休日 桜並木(琴鍵春園)
ロックダウン前のささやかな休日 チューリップ畑(琴鍵春園)
日本人から見た上海パンデミック生活

昨年オープンした琴鍵春園付近にある上海児童芸術劇場

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宮崎 英樹(Hideki Miyazaki)

ネットマークス上海 技術部

日本ではオープン系コールセンター、技術員管理などを担当。ネットマークス上海での業務内容は、主に技術マネージャーとしての作業品質管理、新規顧客開拓、商材発掘などをしています。趣味は食べることと散歩。休日には自宅アパートの近辺、時には遠出をして上海の名所を散策しています。

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