日本人から見た上海パンデミック生活(第2回)

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2022年07月22日

  • 中国

ネットマークス上海の宮崎 英樹です。
ネットマークス上海は、2003年から在中日系企業を中心に、ITインフラサービスを提供しています。お客さまの多くは日本でユニアデックスと取引をされているため、中国内でも日本と同様のサービスが提供できるように心掛けています。

今回は「日本人から見た上海パンデミック生活」の第2回目として「ロックダウン中の生活」をお届けします。ついに2022年4月1日からロックダウン生活が開始されました。日常の生活を紹介しようと考えたのですが、朝起きて、仕事して、食事して、シャワーを浴び、寝る、これの繰り返しでしたので、トピックに分けて紹介していきます。ちなみに、この記事を書いているのは労働節最終日5月4日です。

本記事は2022年5月4日時点の情報です。最新情報は在中国日本国大使館のWebサイトをご覧ください。

配給品

ロックダウン開始当日に政府から第1回目の配給がありました。大根、キャベツ、白菜、瓜やトマト、ピーマンなどもあります。期待はしていなかったので、正直いってびっくりしました。この時点では事前に購入した分の食料も合わせれば、単身者として5日間の食料は十分ですし、当初は出前も頼めたため、まったく不安はなかったです。が、その考えは大きな誤りでした。

日本人から見た上海パンデミック生活
配給量が多いのはうれしいのですが、野菜は傷みが早いので、すぐに煮物をつくり、きゅうりは浅漬けに。煮物は冷凍で保存
日本人から見た上海パンデミック生活
ロックダウン開始直後の昼食メニュー。このころは日本から持ってきたさんまの缶詰やインスタントみそ汁もあり、かなり豪華な内容

煮物がなくなると、ロックダウン前に自作した冷凍パスタと炊き込みご飯を食べていきました。また、野菜があるうちに追加でパスタを作りました。

日本人から見た上海パンデミック生活
自家製冷凍パスタを解凍したもの

そうこうしているうちに、解除前日の4月4日になりました。しかし、一向に解除の連絡が入ってきません。また、ロックダウン開始当初は使えていた出前も感染拡大防止の観点から禁止され、利用することができなくなっていました。アパートメントの居住者が参加するWeChatでは、多くの不満が出始めます。
ロックダウンが解除されないためどうすることもできないので、主な心配事は食料につきます。開始から1週間程度経過した時点で、自作していた冷凍パスタと炊き込みご飯の残りも少なくなってきていました。

そのタイミングを見計らうように政府からの配給が再開されました。4月9日に長期保存可能な牛乳、野菜ビスケット、リンゴ2個とオレンジ3個、缶詰とふりかけ。4月12日にはお米。4月17日は野菜の詰め合わせ。4月18日は卵と乾麺が配られました。野菜が配給されると大きなガッツポーズが自然に出てきます。
このように4月中旬時点での配給品は、かなりましでしたが徐々に食料品、特に野菜が少なくなってきます。私の場合はロックダウン開始前に、ある程度の準備をしていましたので、どうにか耐えられましたが、もし発表と同時に外出もできなくなっていたらと考えると、ぞっとしてきます。

日本人から見た上海パンデミック生活
常温保存可能なパック牛乳。薄くてまずい
日本人から見た上海パンデミック生活
野菜ビスケット
日本人から見た上海パンデミック生活
果物は荒んだ心を穏やかにしてくれました
日本人から見た上海パンデミック生活
お肉のふりかけと数年ぶりに見たハムの缶詰
日本人から見た上海パンデミック生活
今更ながらの消毒液と霧吹きの配給。見るからに怪しそうな豚肉の缶詰
日本人から見た上海パンデミック生活
乾麺とサラダ油。野菜も尽きたのに、これだけでどうしろと...

日本のニュースでも報じられていますが、私の住む静安寺区でも、配給の回数が多い地区、少ない地区、もしくは全くされない地区もあった様子で、それぞれのアパートメントの住民からは、配給が少ないと不満が出ていました。また、配給品の横流しや闇市(ブラックマーケット)があり、通常の数倍の値段で物資が取引されているとのこと。そのためか、受け取りを証明するサインまでさせられました。

日本人から見た上海パンデミック生活
受取証明書。サインして、ビルの管理室に提出

ただ、政府も市民から不満が上がっているのは承知していたようで、4月中旬からは集団購入のみに限り、ネットスーパーでの買い物が可能になりました。そのため、食料品の入手は劇的に楽になり、また自分の欲しいものが手に入るようになりました。そして、4月下旬からは出前も再開されました。単身者にとって、これは本当にうれしい知らせでした。

日本人から見た上海パンデミック生活
再開された出前置き場。包みは消毒済み

抗原検査、PCR検査

平日も休日も関係なく、午前9時30分ごろになると自室のドアが激しくノックされます。これは抗原検査用キットの配布時間を意味します。自分で検査を行いますが、心配不要です。さすがIT大国中国、専用のアプリケーションで丁寧に手順が説明されており、また動画もありましたので、すぐに理解することができました。ただ、綿棒を鼻の穴に入れ、検体を採取するのに慣れるまで時間がかかりました。

日本人から見た上海パンデミック生活
検査キット
日本人から見た上海パンデミック生活
採取手順の説明。イラストが丁寧でわかりやすい

では、実際に検査をしていきましょう。

日本人から見た上海パンデミック生活
検査薬に綿棒で鼻腔から採取した検体を入れます
日本人から見た上海パンデミック生活
検査薬を検査キットのSの部分にたらします。
日本人から見た上海パンデミック生活
15分程度待ってから結果を専用のアプリケーションに登録します

あわせて数日に一度の午後、アパートメントの全住居者に対してPCR検査が実施されます。激しくドアを叩く音がフロア中に響き、自室にいてもすぐにPCR検査だとわかります。マスクをし、自室から出て、エレベーターに乗りますが、満員。激しく密になっています。また、1階ロビーでも密状態。無症状者が多く、だれが感染しているかわからない状況です。これでは新規感染者が増えるのも当たり前、と心の中でつぶやきます。事実、4月中旬までは新規感染数も死者数も増加していきます。感染すると有無を言わさず隔離施設に連行されると聞いていましたので、陰性の結果を見るまでは戦々恐々でした。日本のニュースで報じられているように雨漏りやベッド間の仕切りがないなど隔離施設の劣悪な環境は皆さまもご存じだと思います。

日本人から見た上海パンデミック生活
PCR検査会場

中国では良いも悪いもトライ アンド エラー、密になるなら、屋外で検査をしようということになったのでしょうか、途中から検査会場がアパートメントの敷地内に変更になりました。ちなみにここはPCR検査時以外には住居者の憩いの場になっており、日光浴をしたり、体操をしたり、中国将棋やチェスなどをしています。
さすがに1カ月以上も外出が出来ないと体重が増加してしまいます。私は運動不足解消のため、平日の夕方には地下駐車場で縄跳びをし、休日は中庭をフィールドに見立て、ミニサッカーで汗を流しています。それでも仕事がない休日には手持ち無沙汰になってしまいます。そんな時には中庭に出て住人(主に外国人)たちと愚痴を言いあいます。

日本人から見た上海パンデミック生活
青空検査会場
日本人から見た上海パンデミック生活
アパートメントの中庭。住人が中国将棋に興じ、土日はミニサッカー会場になります。ビルの敷地と内部をおじさんが1日2回程度消毒をしてくれます
日本人から見た上海パンデミック生活
こっそりと抜けだす人がいたらしく、新たに取り付けられた柵(監視カメラ付き)
日本人から見た上海パンデミック生活
平日夕方は地下駐車場で縄跳びをしてリフレッシュ

今回は以上となります。次回はロックダウン生活を通して準備すべきだったこと、準備しておいてよかったことを、ロックダウン解除後に投稿したいと思います。ぜひ、楽しみにお待ちください。

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宮崎 英樹(Hideki Miyazaki)

ネットマークス上海 技術部

日本ではオープン系コールセンター、技術員管理などを担当。ネットマークス上海での業務内容は、主に技術マネージャーとしての作業品質管理、新規顧客開拓、商材発掘などをしています。趣味は食べることと散歩。休日には自宅アパートの近辺、時には遠出をして上海の名所を散策しています。

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