VMware Cloud on AWS導入事例

2019年10月03日公開

株式会社ゼンリンデータコム様

VMware Cloud on AWSにより、商用サービス提供インフラのハードウエアからの解放とフルクラウド化を目指す

ゼンリングループで長年培った正確な地図データベース資産をもとに、検索エンジンやコンテンツデータを組み合わせ、コンシューマーおよび携帯キャリア、テレビ局などの法人向けに150を超える多彩な地図・ナビゲーションサービスを展開している株式会社ゼンリンデータコム。同社では2020年度中に、1,800台のオンプレミス サーバーシステムのAWS+VMwareによる「フルクラウド化」を目指す、先進のプロジェクトが進行している。ユニアデックスはこの移行に事前検討のPoC(概念実証)から参画。同社の技術知見とリソースを補完する重要な役割を担っている。
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導入前

  • オンプレミス仮想環境とAWSクラウド環境が混在
  • 商用サービス提供インフラとして構築時の柔軟性、スピード、スケールに課題
  • 既存環境をそのままクラウド化できるサービスを検討


導入後

  • VMware Cloud on AWSによるオンプレミス環境のクラウド移行を実施中
  • 柔軟性、スケーラビリティーとハードウエアからの解放というフルクラウド化のメリットを享受
  • 既存環境およびビジネススピードを理解し、ネットワーク、仮想化における社内の技術知見とリソースを補完するユニアデックスに期待


システムの特徴

  • VMware Cloud on AWSによりオンプレミス環境をクラウドへ移行
  • L2延伸によりOS無停止、調整なしでの移行を実現
  • 標準提供されないロードバランシングは他社製の仮想アプライアンスを利用
  • 一括前払い方式をユニアデックスが月額制に調整



経緯

オンプレミスとクラウドの混在が商用サービス提供インフラとして限界
2020年までにフルクラウド化を目指す

フルクラウド化を目指すこととなった経緯を、ゼンリンデータコム 技術本部 副本部長 兼 技術統括部長の城戸 拓也氏は次のように語る。


「我々はB2C、B2B、B2B2Cなど多種多様な業種、業態向けの商用ソリューションサービス提供のためのインフラの構築から運用、保守までを限られた人数で対応しています。2018年時点で仮想サーバーが1,800台、クラウドサーバ―が2,400台あり、今後も増加が見込まれます。いずれも、商用サービスのインフラとして大量にディスクボリュームがあり、高いSLAを求められますので、2012年頃からオンプレミス環境のVMwareによる仮想化、加えて2016年頃からはAmazon Web Services(AWS)のクラウドを一部のサービス処理やAPIで活用し、コストおよび人的リソースの最適化を行ってきました。その経験と経緯を踏まえ、次の2020年以降に向けた中長期のインフラ方針として、近年マネージドサービスが急速に進化し、機能性や柔軟性、スケーラビリティーでメリットが大きい"フルクラウド化"に舵を切ることとしました。」


プロセス

万全の事前検証で開発環境の早期移行に成功
ユニアデックスもPoCから参画して貢献

同社はフルクラウド化の移行技術として、VMware Cloud on AWSを選定。AWSのベアメタルインスタンス上でVMware仮想マシンが稼働するHCIサービスだ。


技術統括部 副部長 渡邊 大祐氏は移行サービス選定の理由を「既存の製品機能、人材や運用の仕組みといった資産を生かしつつVM仮想マシンをそのままAWSでクラウド化でき、ハードウエアから解放されるメリットを享受できる点」と語る。


AWS、VMwareの構築や運用経験も豊富な同社ならではの先鋭的な選択、とも思えるが、ユニアデックスには何を期待したのだろうか。渡邊氏と技術統括部のエキスパートエンジニア 有尾 大樹氏は次のように話す。


「これだけの規模のフルクラウドへのマイグレーションは前例がなく、移行サービス自体もまだリリース直後で不安要素も多くありましたので、VMware社と我々でPoCを実施し、ユニアデックスにもそこから参画いただきました。ユニアデックスにはユーザーとメーカーの間で我々の知見を補完して、俯瞰する立ち位置でのサポートを期待しました」(渡邊氏)


「VMware環境構築に関する幅広い技術的な知見への期待に加えて、ネットワーク、オンプレミス環境の設計構築、および運用で長年の付き合いがあり、当社の社内文化や求めるスピード感などもよく理解いただけている安心感がありました。」(有尾氏)


PoCは約2か月間行われ、その間はゼンリンデータコム、VMware、ユニアデックスの3社で定例会を開催。仮想環境からクラウドへの移行テストを実施しながら、求める移行イメージに合致する移行方式、構成や機能、仕様などを検討し、固めた。その結果、問題なしと判断した同社は、第一段として約400台の開発環境サーバーの移行を2019年2月にスタートし、5月末に無事完了した。


城戸氏は「今回の開発環境の移行は本番環境移行時のインシデントの洗い出しの点も兼ねていたのですが、想定以上にスムーズに完了しました。事前準備が万全だったということでしょう。」と評価する。


効果・今後

特性を踏まえた使い分けでクラウドのメリットを享受
ハードウエアからの解放を目指す上で、ユニデックスの知見に期待

PoCから開発環境の移行におけるユニデックスの存在について、渡邊氏はこう評価する。


「マイグレーションに際しては、旧バージョンのOSやミドルウエアのバージョンアップ検証などやるべきことが多くあります。加えて機能的に単にできる、できないではなく、どうすればできるか、そしてどの方法がベストな組み合わせなのかを将来的な運用時まで予見しつつ検討するのは、長く自社で構築から運用まで行ってきた我々でも限界がありました。市場で多くの実績、経験値や知識を持つユニアデックスは、我々が本来の業務に集中する上で、頼りになる存在でした。」


加えて、城戸氏は発注契約と支払い処理面での貢献についても語る。「移行サービスの提供形態は一括前払い方式で、ユーザー企業にとっては財務面での負担とリスクが高い。その点もユニアデックスに商流の間に入っていただき、月額での支払いにしていただけたことは、ありがたかったです」


同社では今、2020年中に商用環境の移行を完了させ、同年度内にオンプレミスデータセンターのクローズを目指している。将来的には効率と拡張性を求めるアクティブなサービスをAWS Cloudで、高集約と安定を求めるパッシブなサービスはVMware Cloud on AWSで、と特性を踏まえた使い分けを予定しているという。


最後に城戸氏は、今回のフルクラウド化という選択には、経営的な判断が大きかったと語り、ユニアデックスへの期待をこう話す。「スピードを速め、スケーラブルなサービスを提供していく中で、これまでのインフラではもうついていけません。漠然としたリスクを恐れるのではなく、"目に見える課題は必ず解決できる"という考え方で、無駄な投資を続けることなく一刻も早いフルクラウド化を経営判断したことは、これからの当社の事業展開を支える、大きな強みとなります。オンプレミスとクラウドは技術者に求めるスキルセットが異なり、自社内で完結させるのは難しい。それを補完するパートナーとして、ユニアデックスには今後も期待しています。」


お客さまの評価

オンプレミスとクラウド、社内の技術知見とリソースを補完する役割に期待

オンプレミスとクラウドの技術者はスキルセットが違い、両方を社内で完結することは難しい。今回、機能性や柔軟性、スケーラビリティーの点でメリットがより大きいフルクラウド化を選択しましたが、その際に高い技術力と経験を持ち、かつ当社の既存環境や文化も理解してくれているユニアデックスの存在は、社内技術知見とリソースの補完として、加えて対応窓口の集約という点でも非常に有効でした。今後も継続したサポートを期待しています。(城戸氏)

全体像を俯瞰し、見えない部分を深める。今後もマルチベンダーとしての提案に期待

今回のプロジェクトは、移行サービス自体がリリース直後かつ先進的で不安もありましたが、ユニアデックスには仕様調査や策定をはじめ全体像を俯瞰して、我々が見えない部分を深めてもらいました。ユーザー企業の要望は既存システムをそのままクラウドに移行したい、に尽きるのですが、実仕様策定や作業時には、広範な影響範囲および将来への予見までが求められます。今後もマルチベンダーの特性を生かした、先進的な提案に期待しています。(渡邊氏)

移行後の運用、保守に関してもオンプレミスとクラウドの間を埋めるアドバイスを希望

ユニアデックスには、移行サービスでは標準提供されないロードバランシング機能についても従来のオンプレ環境での保守経験を踏まえ、サードパーティー製品の仮想アプライアンスを提案してくれるなど、オンプレミスとクラウドの間を埋めるアドバイスをいただき感謝しています。フルクラウド化推進および移行後の運用、保守時にも変わらぬ支援をお願いします。(有尾氏)

2019年7月取材

  • 株式会社ゼンリンデータコム
    技術本部 副本部長 兼 技術統括部長 兼 先端技術推進室
    城戸 拓也 氏

  • 株式会社ゼンリンデータコム
    技術本部 技術統括部 副部長
    渡邊 大祐 氏

  • 株式会社ゼンリンデータコム
    技術本部 技術統括部 エキスパートエンジニア
    有尾 大樹 氏

Profile

株式会社ゼンリンデータコム
http://www.zenrin-datacom.net/

本社所在地:東京都港区港南二丁目15番3号 品川インターシティC棟6階
創立:2000年4月13日
資本金:2,283,010千円
事業内容:
ITS事業(新たな発想と高い技術力で革新的なナビゲーションサービスを提供)
ネットサービス事業(ビジネスに役立つ地図活用ソリューションを提案)
海外事業(魅力ある情報サービスを海外のパートナーとともにグローバル展開)

関連情報

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