クラウド型ネットワークサービスWrap導入事例株式会社ホンダテクノフォート様

2022年12月06日

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テレワークの急拡大により生じた課題をWrapで解決。複数ソリューションを組み合わせ、利便性も高いセキュリティー対策を実行

1987 年の創業以来、Honda グループのモビリティー開発パートナー企業として発展を続ける株式会社ホンダテクノフォート。特に四輪開発では、機種開発マネジメント、設計、テスト、解析、試作、ITシステム、知的財産、各種管理業務など、車一台分の開発に関わる業務を行っている。同社は、コロナ禍でのテレワーク急拡大により、不具合が生じた既存SSL-VPNサービスをユニアデックスのクラウド型ネットワークサービス「Wrap(ラップ)」にリプレース。同時にEDR、DNSレイヤーセキュリティーもユニアデックスから導入し、セキュリティー強化とともにユーザーの利便性向上も実現した。

  • 株式会社ホンダテクノフォート
    知財・IT事業室
    システム企画・管理ブロック
    Chief Engineer
    青木 朗氏
  • 株式会社ホンダテクノフォート
    知財・IT事業室
    システム企画・管理ブロック
    Senior Staff
    佐藤 和敬氏

導入前

  • 急速なテレワーク拡大で、既存SSL-VPNサービス利用に不具合
  • 通信速度や操作性、管理性でも限界を迎え、リプレースを検討

導入後

  • Wrap 活用により、テレワーク時の利便性とセキュリティー強化を実現
  • Cisco Umbrellaとの組み合わせにより、セキュアなインターネットブレークアウトも実現

システム構成概要図

経緯

テレワークの急拡大により、既存VPNサービスの品質に課題
Wrap のテスト利用で、確かな改善効果を実感

2021年4月、同社は既存SSL-VPNサービスのリプレース検討を開始した。
当時抱えていた課題について、知財・IT 事業室 システム企画・管理ブロック Chief Engineerの青木朗氏は、次のように話す。「既存のVPNサービスは従来、管理職の出張時などに限定利用していたものでした。それをコロナ禍で利用者を一気に拡大したため、さまざまな不具合が生じていました。具体的には、サービス側で回線速度が制限されているため通信が遅く、自宅で特定のキャリアルーター機器を利用していると接続できないケースもありました。利用する社員からも『接続時の手間が煩雑』『なかなかつながらない』『よく通信が途切れる』といった不満の声が上がっていました」
 
続けて同部署Senior Staffの佐藤和敬氏も、管理側の課題点をこう話す。「管理側としても、既存サービスはVPN対象の宛先IPアドレスが固定されているため柔軟な設計ができず、設定変更を依頼しても対応に時間がかかるといった課題がありました。また、サービスとしてのキャパシティーも限界を迎えており、リプレースは避けられない状況でした」
  
そんな中、同社はユニアデックスからクラウド型ネットワークサービス「Wrap」の提案を受け、利用に向けた検討を開始する。そして2021年8月からテスト利用による検証を約半年間行い、2022 年2月、正式採用が決定した。
 
Wrap(ラップ)とは、「モノ」「ヒト」「コト」をシームレスにつなぐために必要なすべてを「ラッピング(ひとまとめに)」してお届けする、ユニアデックスのクラウド型ネットワークサービスだ。仮想LTEにより、どこからでもキャリアグレードのセキュアな通信で企業ネットワークにアクセスすることが可能になる。
 
佐藤氏は、Wrapを採用した決め手について「実際に利用したところ通信速度、ユーザーの利便性、セキュリティーも申し分なく、特定のキャリアサービスへの依存もないため、従来のさまざまな不具合がすべて解消されることがわかりました。クラウド型なので機器の調達や構築も不要な点や、その拡張性・将来性も魅力でした。既存のサービスが安価だったため価格だけが懸念でしたが、その点もユニアデックスにご協力いただきました」と語る。
 
青木氏は上申の際のポイントを、次のように明かす。「業務の生産性および接続の手間を工数換算すると、年間で数百万円のコスト削減になることに加えて、既存の仕組みではなりすましの危険性があり、セキュリティーリスクへの対応という点でも、経営側の納得感は高かったように思います」

プロセス

先行して導入したCisco Umbrellaとの組み合わせも相性が良く、
インターネットブレークアウトも実現

同社はWrapに先立ち、ユニアデックスからCybereasonとCisco Umbrellaも導入している。
Cybereasonはエンドポイントを守るEDR(※1)として、Cisco UmbrellaはDNSレイヤーセキュリティーとして、社内のWebフィルタリングを通らないテレワークユーザーのインターネット通信時に、マルウエアなどの脅威から守る役割を果たす。中でも今回、Wrapをテレワーク環境からのインターネットブレークアウト(※2)として活用することになったこともあり、WrapとCisco Umbrellaの組み合わせ利用については特に慎重に検証したとのこと。
 
その点を含め、佐藤氏は導入時の印象を次のように話す。「相互接続検証の結果、ソリューションとして相性が良く、何の問題もありませんでした。Cisco Umbrella はDNS セキュリティーに特化、通信区間はWrapで守っているため、コンポーネントとしての親和性も非常に高く、素晴らしい提案でした。また、導入に際しての各種の設定変更なども、ほぼすべてユニアデックスにお任せでき、手間とは感じませんでした。同時に複数のソリューションの導入を進めたことで調整事項は多かったのですが、そのための情報はもらっていたので、社内で協議して決定し、それをユニアデックスに伝えることでスムーズに進みました。既存サービスとWrap は並行利用できたので、段階的なリプレースもしやすかったです」

  • 1 Endpoint Detection and Response
  • 2 各拠点や在宅から直接インターネットやクラウドサービスにアクセスできるようにする仕組み

効果・今後

テレワークでの業務効率と安全性が高まり、社員からも好評
今後もゼロトラストなど包括的なセキュリティー強化を目指す

こうして導入は順調に進み、2022 年5月、約600 名の社員端末を対象にWrap の利用が開始された。
自宅でPCを開けば即時にWrapに接続。社内ネットワークが利用できることに加えて、インターネット接続をブレークアウト。Cisco Umbrella のDNSレイヤーセキュリティーによる危険なドメインへの接続判定も行った上で、セキュアにインターネット接続もできる環境が整った。
 
Wrapの導入効果を、青木氏は次のように話す。「便利になった! と何人もの社員から直接反響がありました。IT施策で社員からこれほど喜ばれることは、なかなかありません。接続の都度パスワードを入力しなくて済み、PCを開けば即時に社内LANにつながる。利用者は何も意識せずに、社内にいる時と同じ感覚でネットワークが使えます。また、以前は接続までにかなりタイムラグがありましたが、Wrapではそれもなく、通信速度も大きく向上しました。社外でも余計な手間がなく、自分の仕事に集中できる効果は非常に大きいと思います」
 
佐藤氏は管理側のメリットをこう語る。「なにより大きなトラブルもなく、安定稼働している点。そして、ユーザーの接続状況がいつでも把握できること。過去のサービスはリアルタイムでの接続状況は見られましたが、レポートとしては把握できませんでした。これから万一の事態の際にも、すぐに状況が報告できる安心感は高いですね」
 
同社ではいま、少数精鋭でのシステム運用を目指し、クラウドリフト&シフトが推進されている。コロナ禍の推移を踏まえてオフィスに出社しての働き方が主流になってきてはいるが、今後もゼロトラストやSASEの実現に向け、IDaaSやSIEM、クラウドコンテンツマネジメントなど、さまざまなソリューションの導入が検討されている。
 
佐藤氏は、「直近では、主にコミュニケーション用途で客先に常駐する社員も含めて、2,000台ほど展開しているiPadのセキュリティー強化をご相談しています。また、将来を見据えて現状オンプレミスで構築しているプロキシーのクラウド化も検討しており、これからもユニアデックスと協力して、一つずつ実現していきたいと考えています」と語る。
 
最後に青木氏は、今回の総括とともに、ユニアデックスへの期待を次のように結んだ。「当社は業種、企業規模的にもセキュリティー強化は非常に重要で、強く意識しています。働き方が大きく変化する中で、社員の利便性を損なわず、かつIT人員のリソースを増やさずに対応するには、クラウド型で常に最新のサービスを効率的に利用する必要があります。その中で今回、WrapとCisco Umbrella、Cybereason EDRをわずか1年という短期間で一気に導入し、何ごともなく安定して稼働しているのは素晴らしいこと。これからもユニアデックスには、安全で利便性の高いソリューション、サービスの提供を期待しています」

お客さまの評価

複数ソリューションを導入、安定稼働に導く技術力を高く評価

青木様 お写真

当社としてもこれだけ複数のソリューションを同時に導入するのは異例なのですが、ユニアデックスはしっかりと検証を重ね、見事にやり切ってくれました。当社の性質上、強く求められるセキュリティー対策が着実に強化できている手ごたえを感じています。まだまだやるべきことが多いので、これからも引き続いてのサポートに期待しています。(青木 氏)

レスポンスの速さときめ細かなサポート力に他社にはない強みを感じる

佐藤様 お写真

ユニアデックスはレスポンスが速く、取り扱っていない製品についても関係あればしっかり調査して情報を共有してくれる点など、他社とは異なるきめ細かなサポート力が強みだと感じています。これからも長いお付き合いと、変わらぬ支援をお願いします。(佐藤 氏)

2022年09月取材

Profile

本社所在地
栃木県芳賀郡芳賀町芳賀台89番4
設立
1987年3月
従業員数
1,905名(2022年6月現在)
系列
本田技研工業株式会社
事業内容
  • 四輪および汎用機の設計・試作車製作・研究テスト業務・ITシステム業務・知的財産管理業務・自動車の分解 整備業
  • その他、上記に関する一切の事業
  • 記載の会社名、製品名は、各社の商標または登録商標です。
  • 自治体・企業・人物名は、取材制作時点のものです。