インフラトータルサービス導入事例前橋赤十字病院様

2020年01月20日

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新病院開設を機にiPhoneナースコールをはじめとしたケア品質とスタッフ間連携を向上する先進の基盤を構築

高度急性期患者の受け入れと救急医療を担う地域の中核病院であり、県内唯一の「基幹災害拠点病院」の役割も担う前橋赤十字病院。同院は2018年6月の移転に伴う新病院開設を機に、ユニアデックスとの連携により無線LAN強化と共にiPhoneナースコールを導入。ハイパーコンバージドインフラ、DNSレイヤーセキュリティーなどさまざまな環境変化に対応可能な先進の病院ネットワークを構築し、「みんなにとってやさしい、頼りになる病院」のコンセプトのもと、ケア品質とスタッフ間連携、業務効率の向上を推進している。

  • 前橋赤十字病院 事務部
    情報システム課長
    浅野 太一氏

導入前

  • 移転を機に多職種の職員間の情報共有のあり方を抜本的に見直し
  • PHSによる音声のみのナースコールの変革が急務
  • 将来の変化に適応可能なネットワーク基盤への変革
  • iPhone活用時に医療情報を守るセキュリティー対策が必要

導入後

  • ナースコールにiPhoneを用い、音声・ビデオ・データ活用を目指す
  • 無線LAN強化でどこでもつながる環境を整備、多職種コラボレーションを推進
  • HCIによる運用負荷を抑えた可用性と拡張性の高いネットワーク基盤を構築
  • DNSレイヤーセキュリティーで利便性と安全性を両立

システムの特徴

  • ナースコールにiPhoneを連動、画面表示や割込み通話など大きく機能拡張
  • iPhoneでCisco Meraki MDM、Cisco Webex Teams、Web電話帳を活用
  • Cisco AironetとCisco Prime Infrastructureで無線LAN強化と電波状況を可視化
  • Cisco HyperFlex HCIにより基盤の可用性と拡張性を向上
  • Cisco UmbrellaによるDNSレイヤーセキュリティー

経緯

環境変化に対応できる先進の病院基盤構築を目指し、
音声とネットワーク構築実績が豊富なユニアデックスを選定

前橋赤十字病院 事務部 情報システム課長の浅野太一氏は、移転を機に目指したことと選定の経緯を次のように語る。「病院を取り巻くさまざまな環境変化をかんがみて、長期間の利用に耐えうる、将来に渡って安心、安全なICT利活用を検討するため、院内に移転プロジェクトのワーキンググループを設置しました。多職種の職員代表が参画し、現場の課題を共有、他の医療機関も視察し、従来の仕組み、特に情報共有のあり方を抜本的に議論しました」

中でも医療現場でのコミュニケーションをつかさどるPHSナースコールの変革が急務だった。「リプレイスにはPHS同等以上の品質が求められます。さまざまな検証を行った結果、Androidを含めた各社の無線LANの中で、最も音質と接続品質が高かったのがシスコ無線LANとiPhoneの組み合わせによるナースコールでした。高品質での音声のIP化は難しいことが予想されましたので、複数社からの提案を吟味した結果、ネットワークと音声にまたがる構築実績の豊富なユニアデックスに新病院全体の基盤構築を依頼することとなりました」

プロセス

iPhoneナースコール、無線LAN強化と可視化、DNSセキュリティー、
HCIなど先進のコラボレーション基盤構築を目指す

ナースコールはiPhoneの機能を活用し、着信時に患者名や呼び出し種別などが画面表示され一目でわかりやすくなったことに加え、PHS時の課題であった基地局への接続台数制限や着信のタイムラグなどが解消された。また、CallKitとCiscoJabber連携による通話中の割り込みや着信選択機能も実装。加えて、Web電話帳アプリであるPhoneAppli 連絡とれるくんを採用し、連絡先の検索と、Wi-Fiとの連携で相手の居場所がわかるようにした。加えて、iPhoneのサイバーセキュリティー対策としてDNSレイヤーセキュリティーであるCisco Umbrellaが採用されるなど、安全なコラボレーションを促進する、数々の現場目線での仕様強化が図られている。

新病院はナースコールと内線をiPhoneに統合する上で、無線LANの強化にも注力した。呼制御サーバーは万一に備えシスコのMRA(Mobile and Remote Access)機能を用いてWi-Fi接続とキャリア接続の2経路での通信制御。また音声ネットワークと電子カルテはVLANによる論理分割方式を採用した。浅野氏はその理由について「機器が増えると運用、管理面や障害時の切り分けでも負担が大きくなります。将来の変化対応を視野に入れ、セキュリティーを担保した上で統合化しました」と語る。加えて、Cisco MerakiのMDM(モバイルデバイスマネジメント)、アクセスポイントの電波レイアウトを視覚化し、外来波などの電波干渉源や不正アクセスポイントの特定などに効果を発揮するCisco Mobility Services Engine(MSE)と Cisco Prime Infrastructure(PI)が導入されている。さらに、ネットワークではVDI制御用のサーバーシステムにHCI(ハイパーコンバージドインフラ)であるCisco HyperFlexも採用された。

効果・今後

拡張性の高い、安心・安全な新病院基盤が実現
今後もスマートホスピタル化に向けてICT利活用を推進

新病院開設から1年半が経過し、iPhoneを用いたスタッフ間のコラボレーション強化が着実に成果を上げつつある。無線LAN管理ツールは院内の不正な端末利用の可視化と抑止に効力を発揮。セキュリティー面では通信経路をDNSレイヤーで制御するCisco Umbrellaによって医療業務端末としての安全な外部との接続を、利便性を損なうことなく実現した。浅野氏は「今はまだ共用しているiPhoneを全職員に持ってもらい、1人1台の情報共有ツールとすることで、さらに業務効率とケア品質を向上させたい」と語る。次期更改予定の電子カルテと連動し、緊急度の高い医療情報を関連するスタッフのiPhoneに自動で届ける仕組みも開発中だという。

コラボレーションツールであるCisco Webex Teamsを初めとしたiPhoneの各種アプリ利用や、新たな医療システムの導入にあたり、メモリとCPUにストレージまでが一体のHCIの拡張性の高さも有効とのことだ。浅野氏はユニアデックスの貢献と今後の期待について、次のように締めくくった。「ネットワーク、音声、iPhone、アプリケーションなど複合的なシステムでは障害時の切り分けなどが不安でしたが、問い合わせ窓口がユニアデックスに一本化され、こちらからの要望にも迅速に対応いただけて非常に助かっています。我々にはいま進めている医療現場での安全、安心で効率的なICT利活用の新しい形を赤十字グループに展開する役割も求められています。ユニアデックスには今後とも一緒に、スマートホスピタル実現に向けてのパートナーシップに期待しています」

お客さまの評価

今後も医療現場の新たなワークスタイル創出への協働に期待

「ユニアデックスは前例の少ない先進かつ複合的なシステムの立案、構築においてこちらがイメージで伝えたリクエストを具体的なソリューションで実現してくれました。マルチベンダーで我々にとって最善なソリューションを、構築から運用保守に至るまでをワンストップで提供、常に対応も迅速で感謝しています。今後もパートナーとして、医療現場の新しいワークスタイル創出への協働に期待しています」

2019年11月取材

Profile

前橋赤十字病院

所在地
群馬県前橋市朝倉町389番地1
開設
1913年3月23日
開設者
日本赤十字社群馬県支部長 大澤正明(群馬県知事)
管理者
前橋赤十字病院院長 中野実
病床数
555床(一般病床527床、第二種感染症病床6床、精神病床22床)
  • 記載の会社名、製品名は、各社の商標または登録商標です。
  • 自治体・企業・人物名は、取材制作時点のものです。

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