電子カルテ、仮想化導入事例長野中央病院様

2014年06月26日

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  • 仮想化

新しい電子カルテシステム構築と仮想環境の実現を、Cisco UCSとCisco Nexusスイッチで実現

高度な専門性を備えた医療機関としていつでもどこでも誰もが安心して良い医療を受けられることを目指し、地域医療の大切な拠点となっている長野中央病院は、Cisco Unified Computing System(Cisco UCS)とCisco Nexusスイッチ、高速ストレージを組み合わせて、新しい電子カルテシステムの運用基盤を構築。高機能化した電子カルテシステムを仮想環境上で動かし、安全な医療の提供を支えている。

  • 長野中央病院 事務次長
    礒野 健一氏
  • 長野中央病院 システム担当
    中西 晃氏

システム概要

長野中央病院では、患者により安全な医療を提供するとともに、院内の業務環境の改善を進めるべく、2013年に電子カルテシステムのバージョンアップを実施した。新しい電子カルテシステムの要求スペックを満たし、これまでと同等の処理速度(体感速度)を維持するため、サーバー環境のパフォーマンスを引き上げる必要があると判断。ユニアデックスが提案するCisco UCSとCisco Nexus スイッチ、高速ストレージの採用により、電子カルテシステムを仮想環境で運用できる基盤を整えた。これにより、病院のインフラとして最も重要な" 止まらないシステム" を実現し、今後の拡張性や将来性にも応えられる基盤を確立している。

システムの特徴

  • ハイパフォーマンスなサーバーとして、Cisco UCS Cシリーズを採用
  • Cisco Nexusスイッチで、サーバーとストレージ間接続のフル10G化と集約を実現
  • 電子カルテシステムを仮想環境上で運用し、止まらないシステムを実現
  • 高機能化した電子カルテシステムを、従来と同等の感覚で利用できるパフォーマン スを維持
  • 今後のバージョンアップ、サーバー更新などにおける負担の抑制、柔軟な対応が可能

導入前の課題

電子カルテシステムのバージョンアップに伴い
より高性能なサーバー環境が必要に

長野中央病院では、それまで利用してきた電子カルテシステムが導入から10年経過しており、患者の認証(取り違えや投与ミスの防止)をはじめ、より安全な医療を提供するためにも、次の10年を見越したバージョンアップが必須となっていた。院内の業務改善と効率化を進める上でもシステムの見直しは避けて通れない。しかし、従来よりも多機能化し、処理の負荷が増す新しい電子カルテシステムを、既存のシステムと同等のパフォーマンス(体感速度)で利用できるようにするためには、サーバー自体に圧倒的な処理性能を求めなくてはならなかった。

電子カルテシステムを仮想環境で動かして
病院のインフラとしての信頼性、柔軟性を高めたい

それまでの電子カルテシステムは物理サーバー上で運用していたが、ハードウエアの入れ替えやソフトウエアのバージョンアップ時などに負担が大きく、システムを停止させてしまうリスクが否めなかった。このため、新しいシステムは仮想環境に構築し、より柔軟な運用を実現したいと考えていた。
しかし、同院はすでに情報系システムを仮想環境で運用しており、ネットワークやストレージがシステム全体のパフォーマンスにおけるボトルネックになりがちなことを自らの経験として把握していた。そこで、新たに導入するサーバーの選定では、仮想環境の構築と運用を前提として、ネットワークやストレージとの接続性、親和性を考慮することとなった。

導入後の効果

サーバーとストレージの接続環境が一変

新しいサーバーとして、同院はユニアデックスが提案するCisco UCSを採用。ラックマウント型のCシリーズにより、パフォーマンスと省スペース性を両立させた。また、Cisco Nexus スイッチにより、サーバーとストレージ間の接続をすべて集約。すべて10G対応とすることにより、高密度・高速なシステム基盤を実現した。
「これまでは、ストレージはサーバーにつなげるものという認識が当たり前でしたが、Cisco Nexus スイッチを使うと、サーバーとストレージの接続環境は一変します。ここが大きなポイントでした。Cisco Nexus があったから、Cisco UCSを選択したといってもいいでしょう」とシステム担当の中西晃氏は語る。

1カ月ほどの検証期間を経て新システムに問題がないことを確認

シスコから機材一式を借り受けて、実機による検証を1カ月ほど行った。業務中に得られるログデータなどを利用して実際の業務を模した負荷試験を繰り返し、ボトルネックが生じていないことを確認。新しい電子カルテシステムが問題なく利用できると判断した。
新システムへの移行は1ヵ月ほどかけて行われ、2013年12月から正式に稼働を開始。現在まで障害やトラブルは起きていない。「今はまだ具体的な効果は現れていませんが、これから5年後、6年後に限りなく100%に近い稼働率を達成できれば、改めて良いシステムだったと評価できると思っています」(中西氏)

お客さまの評価

病院側の要件を理解したスピーディーで的確な対応を評価

「電子カルテは"止めてはいけないシステム"であり、病院の重要なインフラです。だからこそ仮想環境で動かすべきと考えていました。仮想環境ではネットワークやストレージの重要性が増しますが、ユニアデックスは豊富な構築ノウハウをもとに、最善の提案をしてくれました」と中西氏 は語る。
「ユニアデックスとの付き合いは2007年に院内ネットワークの見直しを始めた時からですが、"ユニアデックスが病院経営をするとしたら"という視点で提案してくるので、的を射ている内容が多く助かっています」と対応を評価している。

ブレーキをかけられるインテグレーター

仮想環境では物理的なサーバーの存在を意識することなく、設定や構築が容易に行える。その際、「つい欲張ってあれもこれもと詰め込もうとしてしまうこともありましたが、ユニアデックスはそこを冷静に判断して、ブレーキをかけてくれました。単に製品やサービスを提供するだけでなく、こちらのことをきちんと見てくれていると感じます」と中西氏は語る。また、今回ユニアデックスは、ソフトウエアベンダーとの連携で初めて電子カルテシステムごと手掛けたが、「要件の把握から実地検証まで、お互いの理解は極めてスムーズで順調でした。シスコのサーバーは初めて採用しましたが、ユニアデックスとはこれまで築いてきた信頼関係があり、安心して任せることができました」(磯野氏)

2014年05月取材

Profile

長野県長野市西鶴賀 1570

1961 年に設立された長野民主診療所に始まり、医療生活協同組合経営・運営を担う住民立の医療機関として発展。病院の理念と基本方針は「医療と福祉の宣言」としてまとめられ、同院のWebサイトで全文を公開している。患者、利用者の人権と安全を最優先とし、いつでもどこでも誰もが安心してよい医療を受けられるようにすることを目指しており、院内の安全や業務改善にも積極的に取り組む。
一次医療、二次医療における 24 時間救急対応を担う医療機関であり、長野市内(旧市内)で3番目の規模を持つ。専門医療にも力を入れており、特に循環器内科、糖尿病などでは患者数や検査件数で長野県下トップクラスとなっている。新卒医師の受け入れと研修も積極的に行っている。

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