ハイパーコンバージドインフラ(HCI)導入事例株式会社カプコン様

2018年09月27日

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ワールドワイドなオンラインゲーム配信インフラを
VMware vSANによるHCIで構築

ゲームというエンターテインメントを通じて「遊文化」をクリエイトし、多くの人に「感動」を与えるソフト開発をメインとする「感性開発企」を経営理念として事業を展開している。ゲームコンテンツのオンライン配信、グローバル化が急速に進む中で、サービス提供用ICTインフラの品質向上および運用効率化が求められていた。そこで、ユニアデックスのサポートによりVMware社のハイパーコンバージドインフラ(以下、HCI)「vSAN」により構築し、段階的な移行を進めている。

  • 株式会社カプコン
    技術研究開発部
    通信技術室
    サービス基盤チーム
    チーム長補佐
    目黒 恵氏
  • 株式会社カプコン
    技術研究開発部
    通信技術室
    サービス基盤チーム
    平山 慧氏

導入前

  • ゲーム市場の拡大とゲームコンテンツ開発の高度化に伴い、IT部門に求められる役割、期待が変化
  • クラウド、ビッグデータなど運用対象や扱う領域が拡大し、リソースの最適化が必要に
  • 専任者が必要で属人的なストレージ環境の運用・保守を見直したい

導入後

  • ホストとストレージを統合、機器台数およびメンテナンス対象を削減
  • 初期および増設時の構築工数と期間を削減
  • 運用管理ツールを一元化、パフォーマンスの需要供給管理も可能に

システムの特徴

  • 従来環境と新環境でネットワークを兼用し、サービスを停止せず段階的に移行
  • VMware vCenter Serverによる統合管理
  • VMware vRealize Operationsによる環境全体の可視化

経緯

グローバル、高度化するゲームコンテンツ開発への貢献
ICTインフラに求められる対応領域と役割も変化

株式会社カプコンは数々のヒットタイトルを生み出し、その市場はグローバルに発展している。また、プラットフォームもゲーム専用機、PCからスマートフォンまで、ユーザーの裾野は拡大し続けている。技術研究開発部 通信技術室サービス基盤チームの目黒氏は、その中でICTインフラに求められる要件と、担当部署の役割も変化してきたと語る。
 
「ゲームのクオリティーが向上し、市場が拡大する中で、インターネット向けサービス全般の面倒をみる当部への経営、開発側からの要望や役割も変化してきました。ワールドワイドなオンラインゲームのサービス提供に耐えられるインフラ品質の向上はもちろん、基本プレー無料のタイトルが増加し、予測不能なユーザー負荷に対応するにはオンプレミス環境のみならずパブリッククラウドの運用もスコープになり、サービスごとの特性も把握しなければなりません。さらに各種サーバー構築のミドルウエア、コンテンツの品質向上や市場拡大のためのビッグデータ関連のデータベースと分析向け可視化ツールなど、扱うツールも多種多様化しています。人的なリソースはそのままに、それら新たな領域にチャレンジするためにはインフラ機器のメンテナンスや運用、故障対応などの工数を可能な限り自動化、効率化したいという思いがありました。」
 
技術研究開発部が管轄するサービス向けICTインフラは600台を超える機器があり、IaaS環境による仮想化は実施されていたもののトラブルシューティングやキャパシティー管理、ソフトウエアのアップデートなどで課題を抱えていたという。
 
「機器の老朽化、陳腐化がそもそもの課題です。特にストレージは機器コストも高く、構築、運用には専門的な知識が必要で、またメーカーによって監視や運用の方法、レベルが異なるために属人化、ブラックボックス化が起こりがちな領域です。その点を解消すべく、市場での安定感も増してきたHCIでの新環境の構築と移行を決断しました。」(目黒氏)

プロセス

各社のHCIを比較検討、ユニアデックスと共にvSANを選定、構築
サービスを止めない既存環境からの移行を実施

同社は各社のHCIを比較検討。サービスを止めない移行を目指し、従来環境も熟知しているユニアデックスと共にVMware社のvSANを選定した。
 
「業界でもスタンダードですし、当社にも扱えるエンジニアが多く、新たに覚えることが少ないことからVMwareのvSANを選定しました。お客さまへのサービスを止めず、既存環境から新環境へ段階的に移行することが要件でしたので、当社のインフラ環境を熟知しているユニアデックスに相談してプロジェクトを進めました。HCIはパッケージ構成での構築が基本ですが、今回はオリジナルのハードウエア構成にしたため、ユニアデックスがメーカー各社と調整を行ってくれました。」(目黒氏)
 
この際、同社ではサーバーのCPUのコアの数やメモリー、ストレージのボリュームを解析し、新システムで必要なサイジングを検討。パフォーマンスとコストバランスも見極めた上で、サーバースペックとオールフラッシュによるストレージを選定した。

効果・今後

運用管理の統合など、期待通りのHCIのメリットを享受
さらなる効率化と対応領域拡大に向けユニアデックスと協働

旧環境と新環境でネットワークを兼用することで当初の要件通り、稼働中のサービスを止めることなく、ユーザーにも影響を与えずに随時移行可能な新環境が構築された。vSAN環境におけるメリットについて、同じくサービス基盤チームの平山氏は次のように話す。
 
「容量、CPU性能は期待通りで、問題なく性能が発揮されています。管理ツールvCenter Serverでネットワーク、サーバーとストレージまでの運用管理を統合でき、初期設定、構築が非常にシンプルになりました。移行中にもしサーバー、ストレージが不足したらすぐに追加できること、パフォーマンスの需要供給管理がしやすくなったこともメリットです。また、ストレージのオールフラッシュ化により、増設の際のオペレーションスピードが格段に速くなりました。」
 
今後はさらなるICTインフラ運用管理の効率化を進め、新たな領域にチャレンジしていく予定という。
 
「HCI環境のモニタリング、可視化を行うvRealize Operationsをさらに使いこなして、運用管理をさらに標準化、効率化したいですね。これからますますワールドワイドなオンラインサービス配信が拡大する中、インフラとしてはマルチクラウドの活用も増えますし、オンプレミスとのハイブリッド環境になります。さらにはGDPR(一般データ保護規則)などのセキュリティー対応、ビッグデータ活用など我々に求められる役割も拡大していくでしょう。これからもユニアデックスには、さまざまなメーカーやサービスの特性を踏まえた最適な提案やサポートを期待しています。」(目黒氏)

お客さまの評価

パブリッククラウドの運用でのノウハウ提供、サポートを期待

「さまざまなメーカーとの連携や運用経験の豊富さがユニアデックスの強みだと感じています。今後、我々がパブリッククラウドを使いこなすにあたり、豊富な知見を活かした活用、運用ノウハウを提供していただきたいです。」(目黒氏)

これからも親身になって相談、提案を

「ユニアデックスはこれまでも親身な相談と、提案をいただいてきました。今後も新たな機器やソリューションの情報共有と、適正価格による提供を期待しています。」(平山氏)

2018年08月取材

Profile

本社所在地
大阪市中央区内平野町三丁目1番3号
設立
1979年(昭和54年)5月30日
創業
1983年(昭和58年)6月11日
資本金
332億39百万円(2018年3月31日現在)
事業内容
家庭用テレビゲームソフト、オンラインゲーム、モバイルコンテンツおよびアミューズメント機器等の企画、開発、製造、販売、配信ならびにアミューズメント施設の運営
  • 記載の会社名、製品名は、各社の商標または登録商標です。
  • 自治体・企業・人物名は、取材制作時点のものです。