VMware Horizon シンクライアント導入事例熊本県阿蘇市教育委員会様

2022年08月10日

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教職員のテレワーク推進を目指し、シンクライアント環境を刷新。
BCPとセキュリティー対策強化、管理性向上も実現

熊本県阿蘇市教育委員会は、5年ぶりとなるシステム更改を機に、ユニアデックスからVMware Horizonによるシンクライアント環境および、インターネットVPN、FortiGateを導入。管理性をさらに向上させて教職員のテレワーク業務に対応できる環境を整備するとともに、BCP(事業継続)およびセキュリティー対策の強化を実現した。

  • 阿蘇市教育委員会
    教育部 教育課長
    藤井 栄治氏
  • 阿蘇市教育委員会
    教育部 教育課
    学務係 係長
    山部 博徳氏
  • 阿蘇市教育委員会
    教育部 教育課
    学務係 参事

    島川 幸彦氏
  • 一般財団法人阿蘇テレワークセンター
    ネットワークグループ
    係長
    甲斐 孝志氏

導入前

  • テレワーク業務増加に備えてVPN 接続環境を整備し、システムを安定稼働させたい
  • 定期的に報告される脆弱性に対し、適切な対応ができていない

導入後

  • 通信パフォーマンス向上およびBCPへの対応を強化
  • セキュリティー性と管理性も高め、テレワーク基盤として刷新

システム構成概要図

経緯

更改を機に、教職員のテレワーク環境の実現
BCPとセキュリティー強化など従来課題の解決を目指す

2005 年に旧一の宮町、阿蘇町、波野村が合併して誕生した阿蘇市。阿蘇市教育委員会 教育部 教育課 学務係はその名の通り、市内の5 小学校と3 中学校、計8校に対する校務支援を担当している。GIGAスクール構想やコロナ禍を受けてのハイブリッド授業促進など、日々進化を続ける教育現場におけるICT 利活用支援も、その重要な役割だ。また、阿蘇市は情報格差解消の観点から、日本初となる公設公営の「阿蘇インターネット光」を運営して全世帯に光ファイバー網を構築。さらに各学校へのICT、デジタル活用を支援する「一般財団法人 阿蘇テレワークセンター」と緊密に連携して活動するなど、ユニークな特徴を持つ。
 
今回の更改の経緯と目的について、教育部 教育課長の藤井栄治氏は次のように語る。「当市は2011 年からシンクライアントを活用しており、今回が3 回目です。前回までは学習者用と教職員用を統合していましたが、2020 年にGIGAスクール対応で学習者用ネットワークを増強・分離し、今回の更改では240 名の教職員向けのシンクライアント環境を構築しました。今回のテーマは大きく4つ。1 点目は性能向上による安定したシステム稼働の実現。2 点目はテレワークでの業務増加に備えたVPN 接続環境の実装。3 点目はバックアップとデータ堅牢化によるBCP 対策。そして4 点目が脆弱性対応によるセキュリティー強化です」これらの要件を踏まえ、ユニアデックスは前回と同様、VMware Horizonを基盤としたシンクライアント環境の更新施策を提案。阿蘇市は複数社の比較検討の末、もっとも総合評価が高かった本提案を採用し、2021 年6月から構築プロジェクトがスタートした。

プロセス

パフォーマンス向上およびBCPへの対策を強化
セキュリティー性と管理性も高め、テレワーク基盤として刷新

今回の更改では、オンプレミスで構築されたVMware HorizonによるVDI 方式のシンクライアント環境刷新とともに、NetApp のSnapMirror バックアップとVDIインスタントクローンにより、コストを抑え、ネットワーク負荷と管理上の負担を低減、迅速なデータ復旧とBCP 対策強化を実現している。教育部 教育課 学務係 係長の山部博徳氏は「一極集中になると管理負荷は軽減する一方、万が一の障害発生時に全学校の業務に影響が出る懸念が高まります。熊本は震災や水害なども経験していますので、細心の注意を払う必要がありました」と語る。
 
加えて、特に力点が置かれたのが教職員のテレワークへの対応だ。今回、外部からVDI 環境への接続には、インターネットVPNと証明書を用いた多要素認証が新たに実装された。教育部 教育課 学務係 参事の島川幸彦氏は「これまでも働き方改革の観点で在宅勤務への対応は検討していましたが、コロナ禍を経て一層重要になりました。USBメモリーを持ち帰ることによる情報漏えい事故も全国で問題になっていますので、シンクライアント環境にインターネットVPNを組み合わせて、校外でも安全に業務できる環境を整備しました」と、その狙いを語る。
 
セキュリティー対策としては今回、新たにFortiGate 社のファイアウオールと認証装置が追加され、セキュアな認証環境が実装された。

効果・今後

移行もスムーズに完了し、リモートでの管理性やサポート性も向上
今後もICT利活用で教育現場の進化を支える

構築は2021 年12月に完了。サーバー単位で新システムへの移行が順次行われ、2022年3月から、全学校での利用が開始された。構築および運用を担当する阿蘇テレワークセンターネットワークグループ 係長の甲斐孝志氏は、「既存のシステムを残しつつ、何かあったら元の状態に戻せるようにしながら移行を進めました。ユニアデックスにもサポートをいただいて大きなトラブルもなく、ユーザーは特に意識することもなく新しい環境に移行できました」と語る。
 
また甲斐氏は更改の成果について、「各端末へのパッチやアプリケーションなどのアップデートもリモートで実行でき、遠隔からサポートできるシンクライアントの利点はそのままに、加えて今回、通信のボトルネックが解消され、バックアップやセキュリティーへの不安もなくなりました。また、ブラウザーベースで一元的に管理できるようになり、障害対応や遠隔からのサポート性も向上しました」と話す。
 
今回の更改は以前から検討していたものだが、結果的に濃厚接触などの理由で登校できない先生方の業務継続など、コロナ禍でも大きな効果を発揮している。また、ユニアデックスは校務システムの拡充も実施。山部氏は「校務システムは、現場の先生方から改善要望の高かった点でした。新システムでは、これまで手作業で行われていた受験対応の書類作成が自動化され、教員の業務負荷の軽減につながりました」と話す。
 
最後に藤井氏は、今後の展開とユニアデックスへの期待について、こう結んだ。「ハイブリッド授業への対応、デジタル教科書化への動きなど、教育現場でICT利活用の重要性が高まる中、阿蘇市教育委員会では今回整備した基盤を生かし、さらなる教育の進化を支えていく予定です。今回の導入は、ほぼオンラインで進める難しさもありましたが、きめ細かなサポートをいただき、無事に完了することができました。ユニアデックスとはお付き合いが長い分、こちらのやりたいことも理解してもらっていて、難しい課題でもきちんと受け入れていただけるのがありがたいです。我々の業務においては、やはりセキュリティーが非常に重要ですので、今後も包括的な対策のためのソリューション提供に、期待しています」

お客さまの評価

私たちの課題感への深い理解と、柔軟な対応に感謝
これからも先進的で使いやすいソリューションとサポート提供に期待

阿蘇市教育委員会 藤井氏の顔写真

長いお付き合いの中で、こちらの言いたいことややりたいことを深く理解し、難しい課題でもきちんと受け止めて丁寧に対応いただけていることに感謝しています。刻々と変化する教育現場でますますネットワークやICT、セキュリティーが重要になる中、ユニアデックスにはこれからも先進技術の情報提供や使いやすい製品、ソリューションと、きめ細かなサポートの提供に期待しています。(藤井 氏)

インフラ基盤整備とテレワーク環境構築に手応え
今後も安全で快適な教育環境づくりへの協力を期待

阿蘇市教育委員会 山部氏の顔写真

今回の更改でこれまで以上に安心で安全なインフラ環境の整備とともに、先生方のテレワーク環境も整備することができました。これからも継続して授業のデジタル活用やハイブリッド化、教職員の働き方改革に向けた取り組みが続きますので、ユニアデックスには引き続き、安全で快適な教育環境づくりへの協力を期待しています。(山部 氏)

大きな変革が求められる教育現場
今後もICT利活用とデジタル化への支援を期待

阿蘇市教育委員会 島川氏の顔写真

私はGIGAスクールが動き出すタイミングで教育委員会に異動して来ました。その後のコロナ禍も含めて、教育現場はいま、大きな変革が求められています。ユニアデックスにはこれからもICT 利活用とデジタル化へのサポートを期待しています。(島川 氏)

各学校のICT利活用支援など幅広く活動
協働により、より良い教育環境を実現したい

一般財団法人阿蘇テレワークセンター 甲斐氏の顔写真

阿蘇テレワークセンターは各学校のWebサイト制作などの広報活動や、タブレット導入および活用支援など、幅広く活動しています。授業だけでなく先生方の校務も含めたデジタル化とICT 利活用には、まだやるべきことがたくさんあります。今後もユニアデックスとの協働で、より良い環境づくりを実現していきたいと考えています。(甲斐 氏)

2022年05月取材

Profile

所在地
熊本県阿蘇市一の宮町宮地504番地1
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  • 自治体・企業・人物名は、取材制作時点のものです。