Microsoft Azure/Rubrik for Cloud-Native Protection導入事例駒澤大学様

2024年12月04日

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業務系統合クラウド基盤の構築に併せ
バックアップデータのランサムウエア対策を強化

駒澤大学では業務系システムの更改に際し、クラウドサービス「Microsoft Azure」を活用した仮想基盤に刷新。併せて仮想マシンを対象としたデータバックアップに、データセキュリティーソリューション「Rubrik for Cloud-Native Protection(以下、Rubrik)」を導入した。RubrikはMicrosoft Azureとの親和性が高いことや、独自機能による強固なランサムウエア対策などが評価された。この業務系統合クラウド基盤の設計・構築から保守サポートまでをユニアデックスが一貫して行い、システムの安定稼働を支援している。

  • 駒澤大学
    総合情報センター 所長
    経営学部 市場戦略学科
    教授
    青木 茂樹氏
  • 駒澤大学
    総合情報センター
    情報ネットワーク課長
    山本 典之氏
  • 駒澤大学
    総合情報センター
    情報ネットワーク課
    インフラ係 係長
    分銅 淳至 氏
  • 駒澤大学
    総合情報センター
    情報ネットワーク課
    森 寛通氏

導入前

  • オンプレミスで運用していた業務系システムの保守サポート終了を機に、今後業務システム基盤の最適な配置の検討が必要になった
  • ランサムウエアの感染被害が社会的な問題になっており仮想基盤上の業務系システムのバックアップ対策強化が必要になった
  • 業務系システムの障害時に、総合情報センターの職員が対応に追われるだけでなく、ユーザーがシステムを利用できないこともあった

導入後

  • 「学内にできるだけIT資産は持たない」という方針のもと、Microsoft Azureの仮想基盤に業務系システムを移行
  • Rubrikを導入し、バックアップデータの書き換えを行えなくするなどの機能によりランサムウエアへの対策を強化
  • 仮想基盤のシステムの安定運用やユニアデックスによる保守サポートで、クラウド基盤移行後の総合情報センターの職員の業務負荷が軽減

経緯

デジタル化による大学の改革などDXとダイバーシティーの推進に注力

駒澤大学は開校から140年以上の長い歴史と伝統を誇る。「こうした伝統に裏付けられた学びを大切にするとともに、現代のDXやダイバーシティー、サステナビリティーといった取り組みを積極的に進めています」と話すのは総合情報センター 所長兼経営学部 市場戦略学科 教授の青木茂樹氏だ。
 
同大学では、デジタル化の推進による大学のマネジメント改革と、ダイバーシティーの尊重による「個」を生かす大学の実現に力を入れる。そして、DXの取り組みでは「学びのDX」「受験のDX」「学生生活・就職サポートのDX」「社会貢献活動のDX」「学内業務のDX」を掲げる。例えば「学びのDX」は、新型コロナウイルス感染症拡大前からLMS(学習支援システム)を利用した授業運営を行っていたが、コロナ禍を契機にさらに活用が加速。授業に関連した情報の配信や出席情報の記録、課題やレポートの提出などで利用されている。
 
こうした学生や教職員のITインフラを支えるのが、総合情報センターだ。学内ネットワーク「KOMAnet」の運用管理、アカウント管理、PC教場・情報グループ学習室の管理、PC利用に関わる技術的なサポート窓口の運営などを担う。
 
また「学内業務のDX」では、ワークフローシステムやクラウド型グループウエアを活用する。ワークフローシステムにより、申請に関わる業務フローの見直しや業務の効率化を可能にしている。こうしたシステムのほか「主に事務職員が利用する人事や財務といった業務系システムをオンプレミスの仮想環境で運用していました。その保守切れが近づいたことから、更改するシステム基盤をオンプレミスのままとするか、クラウドサービスに移行するのかが検討課題として持ち上がっていたのです」と総合情報センター 情報ネットワーク課長の山本典之氏は話す。

プロセス

Microsoft AzureとRubrikを組み合わせた業務系システムのITインフラを構築

駒澤大学では業務系システムをほぼ5年ごとに更改してきた。前回はオンプレミスの仮想環境でシステムを更改し、キャンパス内のサーバー室に設置、運用管理してきた。オンプレミスの基幹系システムについては「災害対策、BCP(事業継続計画)の観点から学内に設置するのはリスクがあり、学外のデータセンターでハウジングしています」と総合情報センター 情報ネットワーク課 インフラ係 係長の分銅淳至氏は説明する。
 
更改する業務系システムについても、学内に設置する場合は災害リスクがある。加えて「オンプレミスでは管理も大変です。できる限り学内にIT資産は持たないという考えのもと、主要なクラウドサービスの活用を検討しました」(分銅氏)

さらに課題となったのが、ランサムウエア対策の強化だ。対策としてバックアップしたデータもランサムウエアに感染し、データの復旧ができなくなる事例も報告されている。「総合情報センターではランサムウエアなどへのセキュリティー対策の強化やリスク管理は最重要課題となっており、より安全・安心なITインフラの構築が求められていました」と青木氏は話す。

さまざまなITベンダーの提案の中から採用したのが、ユニアデックスのマルチベンダー、ワンストップ対応の強みを生かした「業務系統合クラウド基盤構築」だった。具体的には、移行対象の仮想マシンのほとんどがWindows OSであることから、親和性やメリットを考慮し「Microsoft Azure」が提案された。

中でも高く評価されたのがバックアップデータのセキュリティー対策としてユニアデックスが提案した、データセキュリティーソリューションの「Rubrik」だった。Microsoft Azureとの親和性が高く、他社のクラウド基盤と組み合わせた場合と比較して、より多くのランサムウエア対策に効果的なデータセキュリティー機能を活用できる。例えば、バックアップデータの削除や改ざんを防止するイミュータビリティー機能や、バックアップデータへの直接アクセスを防止するエアギャップ技術、AIを活用したバックアップデータ内の脅威の分析、ランサムウエア検知、自動的なデータリストアによる迅速な復旧などの機能を備え、バックアップデータの保護が可能になる。

「ユニアデックスからMicrosoft AzureとRubrikの提案を受け、この組み合わせであればバックアップデータまでカバーできると感じました」と総合情報センター情報ネットワーク課の森寛通氏はユニアデックスの提案を評価する。

「Microsoft Azure」と「Rubrik」によるクラウド基盤構成図

効果・今後

Microsoft Azureの安定運用とRubrikの分かりやすいGUIを評価

2023年12月から財務、人事、資産管理、PC教場・情報グループ学習室などの予約管理、ソフトウエアのライセンス管理、教職員・学生の認証システムなどをMicrosoft Azureの仮想基盤上に移行するとともに、Rubrikによるデータバックアップの稼働を開始した。業務系統合クラウド基盤の設計から構築、保守サポートまで、豊富な導入・保守実績を持つユニアデックスが一貫してサービスを提供する。
Microsoft Azureの利用を支援するクラウド利用・サポートサービスの「CFu(CLOUDForesight utility)」のうち、総合情報センターでは24時間365日の障害復旧の支援が可能な「スタンダード24/365」プランを導入している。

仮想基盤の設定はユニアデックスが行い、通信やアプリケーションなどの設定作業は総合情報センターが実施。「その際、Microsoft AzureのセキュリティーやRubrikの使い勝手を確認しました。通信ポートの設定でもMicrosoft Azureのセキュリティーは強固なことや、RubrikのGUI(Graphical User Interface)は分かりやすく使い勝手がよいことを確認できました」と分銅氏は振り返る。

CFuでは、Microsoft Azureに精通したエンジニアがクラウドからOS・ミドルウエアまで24時間365日の問い合わせ対応と障害復旧の支援を行う。さらに、障害発生時にサポートポータル経由でいち早く通知する障害監視やセキュリティー診断などのサービスを提供する。

「Microsoft Azureに移行後、特にトラブルもなく安定運用しています。オンプレミスの仮想環境のときには障害対応に時間を取られることもありましたが、今はそうしたこともなくなり本来の業務に集中できています」と森氏は運用面での導入効果を話す。

現在、RubrikはMicrosoft Azureの仮想マシンを対象としてデータのバックアップを行っているが、「学内にはオンプレミス環境を含め、さまざまなシステムがあります。総合情報センターにはCSIRT(Computer Security Incident Response Team)があり、各部署と連携しながら大学全体のデータセキュリティーを考えていくことも今後のテーマになります」と山本氏は話す。

データセンターにハウジングしている基幹系システムについても、数年のうちに更改を迎えることから、クラウドに移行するかどうかを含め、検討していくという。

ユニアデックスではさまざまな情報の提供や提案を通じ、駒澤大学のDXの推進とともに重要になるIT活用やセキュリティー対策、学内ネットワークなどのITインフラ構想の検討を引き続き支援していく。

お客さまの評価

コミュニケーションを大切にしつつ最適なソリューションの提案に期待

青木 茂樹 氏

ITやセキュリティー技術の進化は目覚ましく、最新動向をキャッチアップするためにも、ユニアデックスにはさまざまな情報提供や今回のクラウドサービスとデータバックアップの組み合わせのような、最適なソリューションの提案を今後も期待しています。そのためにも、日頃からお互いのコミュニケーションが大切になります。(青木氏)

大学向けの実績と知見を生かしたITインフラ、システム拡張の助言

山本 典之 氏

ユニアデックスが持つ主要クラウドサービスや大学・教育機関向けの豊富な実績と知見を生かした、ITインフラやセキュリティーソリューションの助言、提案をいただきました。システム拡張の方法にしても、私たちが気付かないことはいろいろあります。ヒントになる教育機関以外の実績や情報の提供にも期待しています。(山本氏)

ランサムウエア対策や災害対策で重要になるデータバックアップ

分銅 淳至 氏

データセンターにオンプレミスのサーバーを置いて管理するよりも、クラウドサービスを利用するほうが近年の潮流になっています。また、ランサムウエアや災害への対策としてデータバックアップの重要性が認識されており、ユニアデックスの提案はまさに理にかなったものでした。(分銅氏)

Microsoft Azureの設定方法など技術的な質問にも的確な対応を期待

森 寛通 氏

Microsoft Azureに移行後、業務系システムは安定稼働しているため、サポートポータルに問い合わせたことはありません。ただ、移行前の環境とは異なるMicrosoft Azure独自の設定方法などもあります。利用しているユニアデックスのCFuサービスは技術的な質問も可能なため、活用してノウハウを積み重ねていきたいと思います。(森氏)

2024年09月取材

Profile

所在地:東京都世田谷区駒沢1-23-1(駒沢キャンパス)
設立:1882年
学生数:14,198名(2023年)
専任教員数など:1,363名(2024年5月1日現在)
学部数:7学部
大学院:9研究科

駒澤大学は「仏教」の教えと「禅」の精神を建学の理念として、教育・研究の基本とする。また、学校法人駒澤大学長期ビジョン「駒澤2030」を掲げ、「自他協創」(繋がりを大切にし、ともに社会を乗り越えるために、自己研鑽し続ける人材の育成)などの長期ビジョンとともに、「5つの改革大方針」として「人類・世界に貢献する精神を早期に涵養」「生涯を通じた成長の基盤となる教育を体系化」「禅を中心に据えた新しい知の枠組みを研究し世界に発信」「多様な関係者とともに社会課題解決に直接貢献」「迅速な改革の実現に向けた経営基盤の強化」を定め、今後の発展に寄与することを目指している。
  • 記載の会社名、製品名は、各社の商標または登録商標です。
  • 自治体・企業・人物名は、取材制作時点のものです。

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