業務システム&U-Cloud導入事例九州魚市株式会社様
2015年06月23日
- お客さま導入事例
- 運用・保守
- クラウド
業務システムの刷新とクラウド化を決断し、大幅な業務効率向上と経費節約を達成


早朝のせりの場となる卸売市場の運営や買付販売など水産物の卸売に関する業務を手掛ける九州魚市は、水産物取引のための業務システム更改のタイミングを迎え、日々の運用や管理、保守などの課題を解決して業務効率の向上と総合的なコスト負担の抑制を図りたいと考えていた。信頼できる構築ベンダーと共に新たなシステムの構築を目指した同社は、ユニアデックスをパートナーとしてクラウド化とパッケージ化を推進し、大きな効果を実現した。
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九州魚市株式会社大垣 恭介氏
常務取締役
導入前
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拠点や業務で個別にシステムを開発しており、全体の構成が複雑化していた。
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メンテナンスが個別に発生し、無駄なコストがかかっていた。
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システム間の連携に支障があり、処理速度の低下など業務にも影響が出ていた。
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ベンダーの保守対応が十分ではなく、解決まで時間がかかるなど不満があった。
導入後
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パッケージ型のシステムを基にして、全体の仕様を整理、標準化した。
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オンプレミス型からクラウド型へ移行し、運用負荷の低減を果たした。
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処理速度が劇的に改善され、業務効率の向上、無駄な労務費の削減を実現した。
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信頼できる新たなベンダーの下で、安定した運用環境を維持している。
システムの特徴
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販売管理パッケージ「effit A SaaS」を基にセミスクラッチ開発で実現
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日本ユニシスグループが提供するクラウドサービス「U-Cloud®」によって安定した運用環境を実現
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ユーザー数に応じたライセンスにより利用状況に即したコスト抑制が可能

経緯
複雑化した業務システム、恒常化した不具合の解消が必要
ベンダー選定からやり直して新たなシステム構築に着手
九州魚市は、北九州魚市場、佐賀魚市場、福岡事業所の3つの拠点を持ち、各々で異なる業務システム(基幹システム)が構築、運用されていた。システム間の連携やデータ処理の仕様が標準化されておらず、処理速度の面でも支障があり、業務の効率を損なっていたという。同じような処理のために異なるシステム(プログラム)が存在し、保守や改修にかかるコストも無駄が多くなっていたため、更改のタイミングで課題を改めて整理し、解決を図ることとなった。その際、対応するベンダーへの要望も多く出たとのこと。
「それまで使ってきたシステムはかなりの投資をして、拠点や業務の形態に応じたカスタマイズを非常に多く行っていました。 その結果構成が複雑になり、全体像がわからなくなってしまいました。システムに起因する業務処理上の不具合も恒常的に起きており、改善しなければならないと考えていたのです。
社内にはIT専任の担当者は特におらず、構築ベンダーに保守対応を任せる形だったのですが、その対応も十分ではなく、保守コストだけが増えていく状況でした。そこでシステムの更改を機に一度白紙に戻して、ベンダー選定からやり直すことが社内でも議論になりました。ちょうどそうしたときに、ユニアデックスから新システムの提案について申し入れがあったのです。システムの機能、ベンダーの対応をそれぞれ検討し、これなら当社の課題を解決できると考え、お願いすることにしました。」と大垣氏は話す。
プロセス
1年ほどをかけてオンプレミスからクラウドへ移行
社内業務のあり方を考える契機にも
具体的な検討作業は2012年後半から始まり、2013年3月にユニアデックスの提案を採用することを決定した。新システムは2014年3月から運用を開始しており、開発から移行までほぼ1年で対応している。今回同社は業務システムの基盤に日本ユニシスグループのクラウドサービス「U-Cloud」を利用し、運用保守をユニアデックスに任せる形としている。
「ユニアデックスの提案はとてもわかりやすく、安心できるものでした。また、同時期にサーバーOS(Windows)の延長保守も終了することになったので、4~5年ごとにサーバーの切り替えを行うのは業務面、コスト面とも負担が大きいと感じて、クラウドへの移行を決断しました。経費抑制はもちろん、変化に対応しやすくなり柔軟性が高まることはメリットと思います。検討時は複数のベンダーにご提案をいただきましたが、クラウド化の提案はユニアデックスだけでしたね。」(大垣氏)
業務システムは販売管理パッケージ「effit A SaaS」を基にしたセミスクラッチ開発を行っている。ユニアデックスとパッケー ジ開発ベンダーが共同で対応し、同社の業務プロセスに合わせて最適な構成を実現した。今回の更改は、社内業務のあり方を考える契機にもなったとのこと。
「プロジェクトチームを立ち上げて、会社としても大きなチャレンジであるということを常に意識しながら取り組みました。日々の通常業務を行いながらの対応で、全体の足並みを揃えるのはちょっと大変なところもありましたが、最終的には自分 たちが積極的にかかわって作り上げたシステムという意識が強くなり、良い影響があったと感じています。」(大垣氏)
効果・今後
処理速度の向上など目覚ましい効果を実現
経費節約の効果を継続的に捉えていく
安定したクラウドサービスと整理された業務システムによって、各拠点で分け隔てなく運用できるようになり、処理速度も大幅に向上した。同社の取引先(販売先)は合わせて2,000社近くあり、複数のプログラムの組み合わせで数時間を要していた作業が10分程度で完了するなど、業務における効果も大きなものがある。
「1日の売上集計と締めの作業は本当にスピードアップしました。以前は処理の間は仕事ができませんでしたが、新システムになってスタッフの残業代も減り、経費節約の効果も予想どおり出てきました。仕事に取り組む気持ちの面も含め、不満や課題が解消されたのは大きいです。」(大垣氏)
運用管理や保守対応と、それに関連するコストについても、明確に削減できている。同社では今後も継続的にチェックして、貢献度の検証を進めていきたいとしている。
「稼働開始から1年ほど経過していますので、利用するユーザー数に応じたシステム運用コストの変動費化であったり、稼働率のモニタリングによる検証であったり、経費節約という観点でどのくらい貢献できているかを見ていきたいと思っています。今後、これまでとは異なる事業展開を目指していくことも検討しており、そこでも今回構築したシステムを活かしていく予定です。」(大垣氏)
お客さまの評価
業務内容をしっかり理解した丁寧な対応
「今回のプロジェクトでは、ユニアデックスの親身な対応やリアクションの早さにとても助けられました。初期の提案の段階から、プロフェッショナルとしての知見の豊富さや安心感、信頼感の高さと、提案内容やコスト感のバランスが最も良かったことが印象に残っています。業務システムの開発では、パッケージ開発ベンダーの担当者に頻繁に足を運んでいただき、現場と一緒に進めていくことができました。
1年半近い期間を経て、当社の業務プロセスをよく理解していただき、これから出てくるであろうニーズや課題もすでに把握されているので、今後の対応もスムーズに、無理なく行えると思っています。」
2015年06月取材
Profile
- 本社所在地
- 福岡県北九州市小倉北区西港町 94-9
- 設立
- 1948年(昭和23年)9月7日
- 資本金
- 9,000万円
- 従業員数
- 91名
- 事業内容
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- 北九州魚市場/北九州市公設地方卸売市場水産物部大卸業務
- 佐賀魚市場/地方卸売市場水産物部卸売業
- 福岡事業所/冷凍水産品・水産加工品等の買付販売業務
- ※記載の会社名、製品名は、各社の商標または登録商標です。
- ※自治体・企業・人物名は、取材制作時点のものです。