【後編】Box × クラウドセキュリティー対談 企業のクラウドシフトに必要な次世代セキュリティープラットフォーム

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2020年02月19日

  • クラウドセキュリティー

オンプレミスからクラウドへ。業務システムやアプリケーションの導入では、クラウドサービスの利用を前提とするクラウドネイティブの考え方が広がっています。クラウドサービスは企業に生産性向上など様々なメリットをもたらす一方、セキュリティーに対して懸念を抱く人もいます。次世代モバイル通信網「5G」のサービスが開始されると、リモートワークなど新しい働き方が広がり、企業ITのクラウド化が加速すると期待されています。前半では、Box Japanの辻村孝嗣氏とユニアデックスの田中克弥が、Box導入がもたらす業務効率化の効果とクラウドセキュリティーについて語り合いましたが、後編ではクラウドシフトのセキュリティーについて話し合います。

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クラウドサービスの活用で業務をスピードアップ

— Boxなどのクラウドサービスを活用して働き方改革を進める企業が増える一方、その活用に踏み切れない企業もあります。現状をどのように見ていますか。

辻村 クラウドサービスの導入に二の足を踏んでいる企業は、そのメリットを十分に理解していない可能性もあると考えています。極端な言い方をすればクラウド、その中でも特にSaaSのメリットは、導入に失敗してもリスクが少ないことです。例えばオンプレミスでファイルサーバーを導入した場合、ユーザーの評価が低くても、次の更新時期まで数年間使い続けなくてはなりません。
一方、SaaSはユーザーの評価が思わしくなければ、他のサービスやアプリケーションに乗り換えればいいのです。評価が高ければ全社に拡大するなど、企業にとってSaaSは、最適なシステムやアプリケーションを導入する手段にもなります。また、ハードやソフトの選定・調達・構築に時間のかかるオンプレミスから、クラウドシフトを進めることで、業務のスピードアップも可能です。

田中 以前に比べて少なくはなりましたが、クラウドサービスに抵抗感を持つお客さまはセキュリティーが心配という固定観念があるようです。そうしたお客さまには、セキュリティーに加えて、クラウドサービスを活用して生産性向上を実現している同業他社の事例をお話しすることで、理解を深めていただくようにしています。
例えば、コンテンツのセキュリティー強化を目的に、Boxを導入した企業があります。ところがBoxには様々な機能があり、思わぬところで業務効率化が図れたと言われました。Boxにはオンラインでメモを作成できるBox Notesという機能があり、これを活用すればミーティング中に議事録を作成、リアルタイムで共有・コラボレーション(協働)できます。また、Box Captureという機能は、写真や動画ファイルなどをリアルタイムでクラウドに保存、共有できるのです。デバイスにそういった写真等を残さないようにできるため、セキュリティーアップするだけでなく、従来、オンプレミスのシステムでは時間と手間のかかっていた作業が簡単にできるようになり、Boxならではの使い方をエンドユーザー主導で実現しています。

クラウドシフトのセキュリティー強化を支援する「CloudPas」

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辻村 田中さんがおっしゃるように、Boxの強みはエンドユーザー自身が利便性を実感して、ユーザーにとっての最適な使い方ができることだと思います。以前は企業内・部門内で完結する業務も少なくありませんでしたが、現在は組織を横断してプロジェクト単位で仕事を進めるようになり、社内外・部門間の壁を取り除いて働けるIT環境が求められています。例えば当社のIT環境では、アプリケーションはすべてクラウドにあり、Boxをコンテンツ・マネジメントプラットフォームとして業務アプリケーションやビジネスチャット、ビデオ会議などのツールと組み合わせて利用しています。そうすることで場所にもデバイスにも縛られず、チームやプロジェクトのメンバーとシームレスに情報交換やコラボレーションを行えるのです。さらに、様々なアプリケーションのシングルサインオンと、アクセス管理を行う認証基盤としてIDaaSも活用しています。

コンテンツのセキュリティーをBoxで行いながら、様々なSaaSアプリケーションの利用に欠かせないIDaaSやCASBなどのクラウドセキュリティーソリューションも活用し、利便性とセキュリティーを両立させる。これがクラウドシフトへ向かう企業に対して、Boxとユニアデックスが一緒にソリューションを提案するメリットだと考えています。

— 企業のクラウドシフトに対して、ユニアデックスではどのようなセキュリティーソリューションを用意しているのですか。

田中 「CloudPas(クラウドパス)」という具体的なワンストップソリューションを実装して提供します。認証基盤(IDaaS)の「Okta」、クラウド利用状況を可視化する「McAfee MVISION Cloud」、検知・防御を行うクラウド型ゲートウェイの「Zscaler」といったソリューションをAPIで連携し、CloudPas専用のダッシュボードで一元管理できます。
今後、5Gのサービスが本格的に始まれば、企業ネットワークも大きく変わるでしょう。これまではリモートの拠点がクラウドサービスを利用する場合、VPNなどを介して本社のゲートウェイからインターネットに接続する形態が一般的でしたが、SaaS利用時のネットワーク遅延などがあり、シャドーITの原因にもなっていました。5Gにより社外のリモートワーク、テレワークだけでなく、拠点から直接クラウドに接続するローカルブレークアウトも容易になると期待されています。CloudPasとともに5GやSD-WANなどのネットワークインフラを含め、企業のクラウドシフトを支援するトータルなソリューションの提案を行っていきたいと思います。

CloudPasの概念図

CloudPasの概念図

クラウドシフトで重要になるセキュアなコンテンツ・マネジメントプラットフォーム

— Boxは企業のクラウドシフトをどのように支援していきますか。

辻村 コンテンツ・マネジメントプラットフォームを基盤に、各ITベンダーの強みを生かしたソリューションを一緒に提案・提供できることがBoxの特長です。ITベンダーのセキュリティーソリューションやSaaSアプリケーションとBoxのコンテンツ・マネジメントプラットフォームを連携するAPIの提供を通じ、顧客企業のクラウドシフトを進めるITベンダーをサポートしていきます。
クラウドシフトが進んでくると、膨大なコンテンツがクラウド上で利用、共有されるようになり、それらを管理するセキュアなコンテンツ・マネジメントプラットフォームがますます重要になります。例えば、BoxとCASBが連携することで、機密情報といった文字が含まれるファイルはCASB側でタグを付けてBoxに格納、機密情報のタグが付いたファイルは関係者以外閲覧できず、セキュリティーを確保する仕組みも提供可能です。利便性とセキュリティーは相反することが常ですが、ユーザーはセキュリティーを意識することなく安全に情報へアクセスでき、企業に必要なセキュリティーとガバナンスを保つ仕組みをご提供しています。

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田中 クラウドセキュリティープラットフォームやCloudPasにはSaaSアプリケーションだけでなく、オンプレミスの業務システムなども接続されます。そのAPIのインテグレーションを含め、企業が必要な情報にどこからでもセキュアにアクセスできるIT環境の整備を進めていきます。

2020年、東京五輪の開催を控え、テレワークに本格的に取り組む企業が増えると見込まれています。社内外を問わず、セキュアに情報を共有しながら働き方改革を進める企業のクラウドシフトを応援します。


辻村 テレワークなどの新しい働き方を進めるにはどうすればいいのか、SaaSアプリケーションを活用するためのセキュリティーはどうすればいいのか、手探り状態の企業もまだまだ多くいらっしゃいます。これからの新しい働き方を支えるIT環境や既存システムの課題、今後の方向性やその実例を議論する場として、ユーザーやITベンダーなどが参加する「Box Japan Cloud Connections新規タブで開く」というコミュニティー活動を行っています。


田中 私も参加していますが、様々な立場の方々の議論を聞き、今後のクラウドサービスの方向性などのヒントが得られます。そうした意見を聞き、企業のクラウドシフトの支援に役立てたいと思います。

Box × クラウドセキュリティー対談【前編】は以下をご覧ください。

プロフィール

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辻村 孝嗣氏

株式会社Box Japan
シニア コミュニティ
マーケティングマネージャー
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田中 克弥

ユニアデックス株式会社
エクセレントサービス創生本部
プロダクト&サービス企画部
プラットフォームサービス企画室
マーケティンググループマネージャー
IT SECURITY ANNEX

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