統合運用保守導入事例社会医療法人中信勤労者医療協会 松本協立病院様

2014年06月09日

  • お客さま導入事例
  • 運用・保守
  • アウトソーシング
  • 資産管理

ITインフラの統合保守をアウトソースして、医療の安心・安全のさらなる向上を実現

地域に根ざし、地域に支えられ、地域に開かれた病院として安心かつ満足度の高い急性期医療を提供し続けてきた松本協立。同病院では、IT機器の障害一次切り分けやIT資産管理、IT運用管理をユニアデックスにアウトソーシング。ITに関わる人材活用の効率化とコスト削減を図るとともに、より変化に強いITインフラの実現を目指している。

  • システム課 課長
    白川 栄治氏

システム概要

松本協立病院では、情報システムネットワークが拡大するなか、これを保守するITスタッフのリソースが限界に近づいていた。運用体制を見直す中、ユニアデックスの統合運用支援サービスを導入。IT機器関連の障害一次切り分けやネットワーク基盤の運用、維持、標準化、設計支援を委託している。障害対応は24時間365日。サービス停止が許されない医療システムにおいて迅速に障害復旧ができる体制を構築している。 また、IT資産管理サービスなどにより、ITのライフサイクルマネジメントのサポートを受け、将来的なITの変化へのタイムリーな対応やトータルコストの最適化を目指している。

システムの特徴

  • 24時間365日のコールセンター受付・障害一次切り分けが可能
  • IT資産管理サービスをサポート
  • マルチベンダー環境を一元的に統合保守
  • 必要に応じて市内のサービスステーションから専門スタッフが駆けつけ

導入前の課題

情報システム部門の人的リソースが限界に

松本協立病院にはかつて情報システムの専門部署が存在していなかったが、2000年に入り電子カルテの導入を契機にシステム課が設置され、課長で運用・維持・管理を担当する白川栄治氏をはじめとして4人が従事することになった。しかし、複雑かつサービス停止 が許されない病院の情報システムを日々運用管理するのにわずか4人、とりわけインフラ担当が2人という状況では限界に達していたことは否めない。「病院のなかで"コンピューター"と名がつくものはすべて我々が見なければならないわけだが、進化が著しく複雑化するこの分野で、この先も現行の少ない人数で切り回し続けるのは安全面からも問題が生じるのではと懸念していた」と白川氏は語る。

マルチベンダー環境の統合保守の引き受け手が見つからない

電子カルテシステムは複数のサブシステムと密接に連携しているため、自然とマルチベンダー環境となる。業務が拡大するに従ってシステムも大きくなったが、障害発生時にどこのベンダーがどこを対応するのかを把握する担当が白川氏ひとりになっていた。いわゆる属人化によるボトルネックが懸念され、その打開が重要課題となっていた。そうした中、あるベンダーに統合保守の委託を持ちかけたが、どこまでを責任範囲とするかなどマルチベンダー環境ならではの課題に対して及び腰だったという。「システムダウンや通信障害によって患者に影響(障害や場合によっては死亡)があった場合に、病院がベンダーに厳しく責任をとってもらう局面は当然ある。また複雑に絡んだサブシステム間では、個別の担当ベンダーや病院担当者では太刀打ちできないネットワークの高度な技術的問題が存在する。このため統合保守を引き受けてくれるところがなかなか見つからなかった。」(白川氏)

導入後の効果

ネットワーク管理負荷を7割減

松本協立病院では、2006年よりユニアデックスのサーバー導入から保守までの一貫した支援を受けるとともに、院内の無線LANについても環境改善などの支援を受けており、その実績を高く評価していた。2013年6月にユニアデックスの統合運用支援サービスを導入し、IT機器管理の障害一次切り分けやネットワーク基盤の運用、維持、標準化、設計支援をアウトソースしている。「障害が発生した際にも、すぐにユニアデックスの専門スタッフがリモートもしくは直接やって来て対応してもらえるようになった。ことネットワーク運用の局面では、以前自分が10やらねばならなかったことが今では3割ほどで済むようになった。しかしシステム全体ではまだまだ効率化が必要だ。これまでリソース不足でやりきれなかったことをまず解決し、現在ますます高まっているシステム整備の要望にも対応したい」と白川氏は語る。

マルチベンダー環境の統合保守を効率化

マルチベンダーでのシステム構築・運用のノウハウが豊富なユニアデックスが一元的に保守対応をすることで、複数のベンダーにまたがったネットワークに問題があった場合にもスムーズな対処が行えるようになってきたという。「医療の世界というのは何よりも即応性が求められる。例えばあるサーバーが停止すれば最悪の場合、人命に関わることもあるため、最低でも県内にサービスセンターや支店があることが保守の委託先の条件だったが、ユニアデックスはすぐ近くのサービスセンターから日々専門スタッフがやって来てくれるので安心できる」と白川氏は語る。さらに、端末の故障時なども、単純に交換しただけで動くものと動かないものがあるが、キーとなる端末の場合には、MACアドレスと紐付いていたり、あるモジュールが必要だったりすることから単に交換しただけでは解決できないことが多いという。そこで、より迅速に障害切り分けができるような体制づくりを現在ユニアデックスとともに進めている。

お客さまの評価

基幹システムやネットワークの障害にも確実に対応

「これまでずっと私を含めて2人のスタッフでITインフラの保守を行ってきたので、例えばHDDの交換や業務アプリケーションのインストールなどはすぐにできるし、現状の約600台のPCの故障対応もやってやれないわけではなかった。しかし、問題は基幹システムやネットワークの障害発生時だ。その切り分けまでをユニアデックスに対応してもらい助かっている」と白川氏は評価する。また、医療システムのインフラには、臨床現場のニーズによって運用開始後も年に2回~3回工事が発生することはよくある。その際のネットワーク再構築作業などをいちいち工事会社に頼んでいたのではコストが嵩んでしまうため従来は白川氏が1人で担当していたという。「しかしユニアデックスにトータルで保守を委託したことで、今後は1工事当たりのコストを抑えつつ手間の解消も実現できると見込んでいる」(白川氏)

ユニアデックスの専門性の高さが複雑化するITの保守には必須に

仮想化やクラウドなどの普及によってITインフラがますます複雑化するなか、白川氏はユニアデックスの高い専門性をベースとした統合保守の領域拡大に期待しているという。「ユニアデックスの担当者は誰も専門性が高く、そのカバーする分野も幅広いと実感している。しかし今後はさらに新しい技術が次々と登場してくることが確実なので、専門家集団としての絶えることのないスキルアップに期待している。これからは、ユニアデックスのような専門性の高いベンダーと二人三脚の関係にならねばユーザー側も立ちいかなくなる時代になるだろう」(白川氏)。

2014年05月取材

Profile

長野県松本市巾上9-26

電話
0263-35-5300

1974年に前身となる松本診療所が開設し、その後1981年4月、同診療所を廃止して松本協立病院が誕生する。現在、松本市近郊の一次・二次医療から三次医療の一部を担っており、医師の卒後臨床研修指定病院、救急告示医療機関でもある。「いつでも どこでも だれもが 安心してかかれる医療」を理念に掲げており、その実現のために、差額ベッド代をとらない、情報共有の促進、在宅医療や慢性期医療への取り組み、安全管理や接遇教育への注力などを実践している。松本駅「アルプス口」に面した交通至便の場所に199床を構える同病院では、地域の病院や診療所との連携をさらに強め、地域の医療・福祉ネットワークが有効に機能するよう様々な施策を展開している。

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