デジタルワークプレイスが切り開く、新たな働き方

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2024年11月18日

「オフィスに縛られない働き方」「業務効率化」「従業員の満足度向上」これらの課題に直面されている経営者や人事担当者の皆さま、デジタルワークプレイスという言葉をご存知でしょうか?
テクノロジーの進化により、私たちの働き方は大きく変わろうとしています。本記事では、デジタルワークプレイスの主要な効果である「ハイブリッドワークの実現」「デジタル従業員エクスペリエンス(DEX)の向上 」「生産性の向上」「従業員エンゲージメントの強化」を中心に、その可能性と課題を探っていきます。

目次

デジタルワークプレイスとは

デジタルワークプレイスとは、私たちの働き方をより快適にし、効率を高めるための環境です。場所や時間の制約を超えて、従業員が心地よく仕事に取り組み、その結果として生産性や満足度が大きく向上する、そのような理想的な職場を実現するツールやサービス、仕組みの総称と言えるでしょう。
 
最近、このデジタルワークプレイスの重要性が急速に高まっています。その背景には、めまぐるしく進化するテクノロジーと多様化する働き方があります。特に、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックをきっかけに、テレワークが一気に加速したことで、その必要性が広く認識されることになりました。
 
さらに、日本が直面している深刻な少子高齢化問題も、デジタルワークプレイスを後押しする要因の1つです。労働力人口が減少している中で、企業が生き残り成長し続けるためには、優秀な人材を確保し、長く活躍してもらうことが欠かせません。柔軟な働き方や最新のツールを求める、デジタルネイティブな若い世代に「この会社で働きたい!」と選んでもらえる企業になるためにも、デジタルワークプレイスが重要な役割を果たします。

デジタルワークプレイスの効果

デジタルワークプレイスの導入は、企業全体にさまざまな良い変化をもたらします。ここでは、その主な効果と、それらが互いに影響し合ってさらなる価値を生み出す仕組みについてご説明します。

ハイブリッドワークの実現

「今日は自宅、明日はオフィス」といった、場所や時間に縛られない柔軟な働き方を求める人が増えています。ハイブリッドワークを実現するには、以下のような環境が必要不可欠です。

コラボレーションツールの活用

離れた場所のチームメンバーと円滑に連携し、プロジェクトを効率的に進行します。

クラウドベースのツール導入

場所を問わない情報アクセスが可能となり、作業の継続性を確保します。

万全のセキュリティー対策

安全なテレワーク環境を実現し、データの漏えいリスクを最小化します。

これらに加え、リモートワーク時の勤怠管理システムや、ワークスタイルに関するガイドラインの整備も重要です。
ハイブリッドワークの実現により、従業員は仕事とプライベートのバランスを取りやすくなり、結果として仕事への従業員の満足度向上にもつながります。

デジタル従業員エクスペリエンス(DEX)の向上

デジタルワークプレイスにおいて重要な要素が、デジタル従業員エクスペリエンス(Digital Employee eXperience 以下、DEX)の向上です。DEXとは、従業員がデジタル技術を使って仕事をする際の総合的な体験の質を指します。良いDEXとは、使いやすいツール、スムーズな情報アクセス、ストレスのない作業環境など、デジタルの力で仕事がより快適になることを意味します。

使いやすいデジタルツールの提供

従業員一人一人の業務効率や生産性の向上につながります。

アプリケーションやデバイスのパフォーマンス監視

快適なデジタル作業環境を実現し、従業員のストレスを軽減します。

迅速なトラブルシューティング

素早い問題解決により、業務中断を最小限に抑えます。

優れたDEXは、従業員の皆さまがストレスなく生き生きと働ける環境を作り出します。その結果、仕事の質やスピードが上がり、お客さま満足度も向上し、従業員のワークライフバランスの改善にも貢献します。

生産性の向上

「仕事がはかどる」忙しい皆さまにとって、これほど嬉しいことはありません。ハイブリッドワークの実現とDEXの向上は、従業員の生産性を大きく向上させます。それ以外にも、デジタルワークプレイスはさまざまな方法で生産性の向上をサポートします。

AIや自動化ツールの活用

単純作業を自動化し、より創造的な業務に集中できます。

プロジェクト管理ツールの導入

タスクの進捗を可視化し、チームの生産性を向上させます。

データ分析ツールの活用

迅速かつ戦略的な判断を実現します。

これらのツールを適切に活用することで、従業員一人一人の業務効率が向上します。結果として、企業全体の生産性と競争力強化につながるでしょう。

従業員エンゲージメントの強化

「やりがいを感じる」「この会社の一員として誇りを持っている」そんな従業員の想いは、組織の成長にとって何よりも大切です。
ここまでに紹介した3つの効果(ハイブリッドワークの実現、DEXの向上、生産性の向上)は、従業員エンゲージメントを強化します。さらに、以下のような施策は、組織に対する従業員の信頼度を深める効果があります。 

社内SNSの活用

部署の壁を超えたコミュニケーションにより、組織の一体感を醸成します。

オンラインラーニングプラットフォームの導入

継続的な学習環境により、個人の成長とキャリア形成を支援します。

従業員フィードバックツールの導入

従業員の声を適切に反映し、経営の透明性と信頼関係を向上させます。

これらの取り組みにより、従業員一人一人が仕事の意義を見いだし、自己成長を実感できる環境が整います。その結果、組織へのロイヤリティーが高まり、より強固な組織文化の形成につながるでしょう。

このように、デジタルワークプレイスは「ハイブリッドワークの実現」と「DEXの向上」を起点とし、「生産性の向上」さらには「従業員エンゲージメントの強化」へとつながる好循環を生み出します。この連鎖的な効果により、従業員の働きがいが高まり、企業全体のパフォーマンスが向上します。つまり、デジタルワークプレイスは、この持続的な価値創造サイクルを生み出す大切な基盤とも言えるでしょう。

デジタルワークプレイスの課題と対策

デジタルワークプレイスは多くのメリットがありますが、その導入と運用にはさまざまな課題も内包しています。ここでは、主な課題とその対策についてご紹介します。

効果的なコミュニケーション

デジタルワークプレイスにおいては、対面でのコミュニケーション機会が減少することから、業務の齟齬や誤解が生じやすくなる傾向があります。例えば「特定のタスクが未割り当てのまま放置される」「資料が重複して作成される」といった状況が発生し、チームの生産性低下を招く可能性があります。
これらの課題に対しては、以下のような対策が効果的です。

ビデオ会議ツールの積極的活用

顔を見ながらの対話により、誤解を大幅に減少させることができます。常時カメラをONにすることは難しいという場合でも、重要な議論や正確な意思疎通が求められる場面では、表情を伴うコミュニケーションが効果的です。 

プロジェクト管理ツールの導入

チーム内のタスクの割り当てや進捗状況を可視化することで、重複作業や作業の漏れを防止します。

定期的なオフライン・ミートアップ

上司や同僚と対面での交流機会を設けることが重要です。オンラインでは得難いコミュニケーションを通じて、チームの結束力を強化することで、長期的なチームワークの向上が期待できます。

これらの取り組みにより、テレワーク環境下においてもチームの結束力を高め、効果的なコミュニケーションを実現することが可能です。

デジタルスキル格差の解消

デジタルワークプレイスにおいて、従業員間のITリテラシーの差は生産性や業務品質に大きく影響します。「新規ツールの使い方に不慣れ」「デジタル化に適応できない」といった声は、決して珍しくありません。
この課題に対処するため、以下のような取り組みが効果的です。

継続的な研修プログラムの実施

定期的なデジタルスキル研修や eラーニング を通じて、全従業員のスキルアップを図ります。個々のレベルに合わせた段階的なプログラムが効果的です。

誰もが使いやすいツールとシステムの設計

直感的なユーザーインターフェースや、ステップバイステップのガイダンス機能を備えたツールを選択・設計することが重要です。既存のシステムや汎用的なサービスには、操作をサポートするデジタルアシスタントツールを導入することで、従業員の学習と適応を支援できます。

これらの施策により、従業員間のデジタルスキルの格差を縮小し、組織全体のデジタル適応力を高めることが期待できます。

デジタルツールの最適化

「あの資料はどこに保存したのか?」「業務で使用するアプリケーションが多すぎて負担を感じる」このような声をしばしば耳にします。これは、デジタルツールの乱立がもたらす「デジタルフリクション」の典型例と言えます。
デジタルフリクションとは、過剰なデジタルツールの導入により、かえって業務の流れが阻害される状況を指します。本来、生産性向上を目的として導入されたツールが、逆効果をもたらす可能性があるのです。
この課題に対処するため、以下のような取り組みが効果的です。

ツールの統合と最適化

重複する機能を持つツールを整理し、必要最小限にします。できるだけ多機能な統合プラットフォームの採用を検討するのも、効果的な戦略の1つです。

人間中心のアプローチ

ツールの導入や選定プロセスに、実際の利用者となる従業員に参加してもらいます。従業員の声を聴き、業務プロセスを理解することで、必要な機能を見極め、使いやすさを重視したツールの選択が可能となります。

ツール利用ガイドラインの策定

各ツールの用途や使用シーンを明確に定義し、組織全体で共有します。これにより、ツール選択の迷いを軽減するだけでなく、業務プロセス標準化と効率化の促進も可能となります。

これらの施策により、デジタルフリクションを軽減し、ツールの効果的な活用を促進できます。結果として、従業員の生産性向上と業務プロセスの最適化が実現します。

コストの最適化

「クラウド費用の急激な増加」これは、デジタルワークプレイスツールの多くがSaaS(Software as a Service)形式で提供される今日、多くの企業が直面している問題です。
SaaSの特徴である月額課金制は、初期投資を抑制できる反面、長期的には予想を上回るコスト増加につながる可能性があります。加えて近年のベンダーによる値上げも相まって、クラウドコストは年々増加傾向にあるのが現状です。
この課題に対処するため、以下のような取り組みが効果的です。

利用状況の可視化と最適化

各ツールの利用状況を正確に把握し、使用頻度の低いライセンスを特定・見直します。これにより、無駄なコストの「水漏れ」を抑制します。

統合的なライセンス管理

企業全体のSaaSライセンスを一元管理し、重複や過剰な契約を排除します。この際、情報システム部門が全社的に導入したSaaSだけでなく、各部門が個別に導入したSaaSも含めて把握することが重要です。また、部門間でライセンスの再配分を検討し、全体最適を行うことも必要となります。

これらの施策により、デジタルワークプレイスのコストを適切に管理し、投資対効果(ROI)を最大化することができます。ツールの恩恵を享受しつつ、コスト効率の高い運用を実現することが、企業の競争力強化と持続的な成長に不可欠であると言えます。 

ワークライフバランスの維持

デジタルワークプレイスの普及により、仕事と私生活の境界が曖昧になりつつあります。柔軟な働き方が可能になる反面「深夜のメール受信」や「休日の頻繁なチャット通知」といった問題が起こる可能性があります。このような状況は、従業員の過労やストレス増加を招く恐れがあるため、注意が必要です。
この課題に対処するため、以下のような取り組みが効果的と考えられます。

明確な勤務ガイドラインの策定

業務時間外の連絡ルールや休暇中の対応方針を明確にし、従業員の「つながらない権利」を尊重しましょう。「つながらない権利」あるいは「切断する権利」は、就業時間外に仕事上のメールや電話を拒否する権利を指し、現在、世界各国で法制化が進んでいます。

デジタルデトックスの奨励

デジタルデトックスとは、デジタル機器との接触を一定期間制限し、心身のストレス軽減を図ることです。従業員に対し、定期的にデジタル機器から離れる時間を設けるよう推奨します。 例えば、週末や休暇中は業務用アプリの通知をオフにすることを提案しましょう。

マネージャーの意識改革

上司が率先して健全なデジタルワークライフバランスを実践し、部下にも同様の行動を促すよう教育します。時間外の連絡は緊急時のみとするなど、具体的な行動指針を策定することが重要です。

これらの施策により、従業員の健康とワークライフバランスを守りつつ、デジタルワークプレイスの利点を最大限に活用することができます。適切な「つながらない時間」を確保することで、従業員のエンゲージメントを高め、結果として生産性や創造性の向上にもつながります。

セキュリティー対策の強化

デジタルワークプレイスにおいて、セキュリティー対策は極めて重要な位置づけとなります。本稿では説明を割愛していますが、最新のセキュリティー脅威とその対策については、以下のコラムで詳細な解説を提供しています。

参考記事:「にわかテレワーク」で見えてきた想定外のセキュリティー課題に、どう対応?
     ゼロトラストとは?

デジタルワークプレイスの課題と対策例

デジタルワークプレイスの導入は多くの利益をもたらす一方で、複数の課題を内包していることも事実です。ここまでに紹介した課題を理解し適切な対策を講じていくことが、デジタルワークプレイス戦略の成功に欠かせない要素となります。

最後に

デジタルワークプレイスの構築は、単に最新のツールを揃えることではありません。働き方そのものの変革と組織文化の進化を意味します。この変革を成功に導くためには、経営陣のコミットメント、従業員の理解と協力、そして継続的な改善プロセスの確立が不可欠です。
デジタルワークプレイスの適切な導入と運用により、従業員の満足度向上、企業全体の生産性の改善、そして持続的な成長の実現が期待できます。
未来の働き方を見据え、デジタルワークプレイスの可能性をユニアデックスと一緒に考えてみませんか。改善に向けた新たな視点や気づきが得られるかもしれません。

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