オンライン講師も大奮闘!ユニアデックスのリモート新人研修 講師体験記

【「リモート」から見える未来】 vol.4

未来飛考地図
MIRAI SERVICE - Future Service Laboratory

2020年7月1日公開

ユニデックスでは新型コロナウイルス感染防止対策の一環として、3月から原則テレワークで業務を進めてきました。これにともない、新人研修も従来の集合形式から、初の「リモート形式」で実施しています。未経験のリモート新人研修で新入社員と人事部の研修部門が奮闘する様子は、当社オウンドメディアNexTalkですでにご紹介しました。

実は例年、未来サービス研究所のメンバーはこの新人研修の一部のカリキュラムで講師を担当しています。今年は講師にとっても初のリモート講義。しかも突然リモート化が決まったため、短期間での準備から実施までさまざまな工夫をしてきました。

そこで今回の【「リモート」から見える未来】では、講師を担当した未来研メンバーから、リモート研修という新たな試みのなかでどんな講義を行ったのか座談会(もちろんリモートです)を実施しました。ワイガヤ形式のアイデア発想研修から実践的な技術研修まで、それぞれの試行錯誤がありました!

リモート講義カリキュラム その1 アイデア発想

小椋さんは新サービス企画のアイデア発想に関する研修講師をされたそうですね。簡単に講義の内容を教えてください。

小椋 エクセレント・サービス・プロジェクトという講義の一部を担当しました。まだ会社に染まっていない新人のフレッシュな目から、新しいサービスのアイデアを出してもらう企画です。
今年の新人は59名なので、5~6人で1グループを編成し、合計10グループがそれぞれひとつ企画書を作ります。

未来サービス研究所の役割は具体的にどのようなものですか?

小椋 サービス企画の立案にあたっての情報提供やアドバイスを行いました。
まず、最新のデジタル技術やビジネス状況、新しいサービスを企画するうえでのポイントについてプレゼン動画を作成し、新人に視聴してもらいました。動画作成にあたっては、PowerPointの録画機能を利用しました。

そのほかには、各グループが新サービスのテーマを選定する際にオンラインでアドバイスを実施しています。また最終発表までの中間過程で、オンライン相談会のような場も用意しました。アドバイスや相談会はMicrosoft Teams(以下 MS Teams)を使っています。

オンライン新人研修 小椋講師未来サービス研究所長
小椋 則樹(写真右端)

講演・ワークショップ実績多数。
写真は、昨年担当した新人フォローアップ研修での自己紹介の様子。
リモート講義でもスライドのお茶目な写真を使ったかは「ノーコメント」だそうです。

オンラインゆえに困ったことはありますか?

小椋 10グループそれぞれへのアドバイスは、一回あたり15分くらいに区切ってMS Teams内で作ったグループのチャネルに順次入っていくのですが、たまに迷子になりました(笑)。10のチャネルに対して何度か巡回するので、どこに何回入ったかわからなくなってくるんですよね。さっき入ったばかりのチャネルにお邪魔して「あーごめん」ってこともありました。

講義動画作成は「喋り」のシナリオ作成と時間配分がポイント

動画作成のほうは、苦労がありましたか?

小椋 動画のスライドは実際に講義で話している状況を想定して作るのですが、喋る時に噛んでしまったり、間が悪かったりと苦戦しました。結局、60分のコンテンツ作成に2日近くもかけてしまいました。最後は、多少噛んでいてもまあいいか...というモードになりましたね。

今回は研究所の金森さんも分担して、新しいサービスを企画するうえでのポイントについて動画を作ってもらいました。それがとても良くできていたのですが、どのような工夫をされたのか気になっています。

金森さん、絶賛されていますがいかがですか?

金森 研修のサポートを担当した金森です。私も、10分の動画の作成に3-4時間かけてしまいました。話しているときの声と聞こえてくる声が違うのに違和感があって、それを調整しようと頑張っていたのですが、難しいですね。何回やっても大して変わらないので、私も途中で諦めてしまいました。

小椋 やはり、声質は大切です。私の声は低めでこもりがちな傾向があるので、高めに出さないと、音質が落ちてしまいます。その点、女性の声は聞きとりやすくて良いと思いました。

動画は読み上げが大変なんですね。機械による合成音声の利用は検討されましたか。

小椋 合成音声となると原稿が必要ですよね。原稿を書くのは少し大変だな、書かずにスライドに合わせて喋るほうが早いかなと思っていました。しかし、実際はアドリブで話すのもかなり大変で、結果的にはシナリオ自体は作ったほうが良いのかなと思い直しました。

そこで、Googleドキュメントの音声入力機能を使い、いったん話した内容を自動テキスト化してからシナリオに編集し直すようにしました。現在、別のリモート講義の資料を作っているのですが、この方法でだいぶ楽になりました。

動画の再利用やアーカイブ化にあたり、何か工夫をする必要がありますか?

小椋 動画を再展開するにあたっては、PowerPoint1枚に盛り込む情報をどのくらいにするかが重要だと感じました。PowerPointの録画機能では、スライド1枚ごとに細切れにして編集できるのですが、1枚につき喋る量を増やしすぎると、噛んでしまったときの撮り直しなどのリスクが増えます。

口頭のプレゼンだと1枚3分くらいが平均的でしょうが、動画のように録音して編集するものだと長すぎますね。編集をしたり、後でスライドを差し替えたりすることを考慮すると1枚1分くらいが最適かと思います。


講義動画の一部。1スライドあたりの情報量は少なめのほうが読み上げやすい

新人に対して、動画講義ならではの配慮はありましたか?

小椋 リアルで話すときは、新人が「ん?」と疑問に感じているところはわかりやすいのですが、オンラインはそれがわからないのが難点ですね。

金森 そうですね。一般的なプレゼンと違って目の前に人がいないので、リアクションがわからないのが辛いです。その対策として、ゆっくり話すように心がけました
また、動画は撮り直せるので、何度も修正ができるという特徴があります。そのため作り直しについ時間をかけてしまうという問題はありますが、最終的に動画自体の品質は上がったように感じています。

ー ありがとうございます。動画作成にあたっては、やはりさまざまな苦労があったのですね。それでは、次は技術研修の話題に移りましょう。

リモート講義カリキュラム その2 ネットワーク技術

浅井さんはネットワーク技術の講義を担当されたそうですね。概要を教えてください。

浅井 職種を問わず、新人全員に対してネットワークについて1週間講義をします。テキスト冊子に沿った講義と、新人59人を12グループほどに分けたグループワークがあります。

研修側の担当者は、講師、サブ講師、サポートなど複数名で対応します。講師は現場のエンジニアが担当します。

講師の役割はわかるのですが、サブ講師、サポートの役割はどのようなものなのですか?

浅井 サブ講師の仕事は各新人の習得状況を記録するカルテの記入です。加えて講義中でもリアルタイムに質問を受け付けるので、その質問に回答します。講師は講義中だと対応できないので。
また、グループワークではサブ講師は新人たちの各グループに参加して、個人の理解度を把握します。サポートもほぼ同じ役割です。

ちなみに、質問は「Box」の「Box Note」という、みんなで書き込める共有のメモ帳のようなもので受け付けました。
記載の仕方も工夫していて、新人には質問の問いかけだけでなく、疑問が解決したか/しなかったか、解決した場合はなぜ解決できたのか、その理由についても書き込んでもらいました。解決の理由を把握することで、新人の理解に間違いがないかを確認できます。

それは良いアイデアですね。

浅井 新人が間違った理解のまま研修を受け続けていては大変ですからね。毎日の研修後にスタッフ全員で振り返りをするのですが、「疑問が解決した理由の記載」はその振り返りから出たアイデアで、研修の途中から導入しました。この試みを実施して、新人の理解度が良くなったように感じています。

未来サービス研究所
浅井 保行

ネットワーク全般からRPAまで幅広い技術に精通。その知識に社内からの信頼も厚い。
写真は、昨年某自治体様で実施したRPA勉強会での講師の様子


浅井さんは、研修中どのような役割だったのですか?

浅井 私は全体の統括をしていたのですが、サポートのようなこともしていました。テストの結果が今一つな新人への支援をしたり、グループワークでは全体をぐるぐる巡回して、皆にアドバイスをしたりしていました。

研修内容をどれだけ新人が理解したか、その理解度はテキストの講義だけではわかりません。皆ミュートにしていますし、顔も見えない。しかしグループワークだと画面に顔が表示されるので、表情を見ると理解しているかどうかが何となくわかり、フォローがしやすかったです

やっぱりオンライン巡回では迷子になりましたか。

浅井 なりました(笑)
複数のグループのチャネルをめぐるので、3-4番目くらいになってくると、どのチャネルに入ったのか忘れてしまいます。

教科書だけでは見えない、リアルなネットワークの現場も知ってほしい

リアルの研修と異なる点は、他にもありましたか?

浅井 質問が例年より少ないなという印象です。実際に集合研修で実機を扱い、パケットキャプチャーを見ると色々な生の情報がわかり、そこから質問も出てきます。

たとえばDNSが後ろで動いていたり、Windowsパッチを見に行っていたり、ウイルスパターンを取りに行っている様子など、現場ならではの情報が見えるのです。しかし、今回は実機がないため、新人たちはきれいな教科書通りの中身しか知りません。それは非常にもったいないですね。

なるほど。実際に手を動かす研修がないのは物足りないですね。

浅井 はい。ただこれから、短時間ですが集合で実機を用いた演習を実施する予定です。そこで新人が、ネットワークがどういうプロトコルで動いていて、どういうデータのやり取りをしているか見ることができます。

私はそこではリモートサポートを担当します。演習の時は有線のLANケーブルをつなぐため、リモートでは内部を見られない状況ですが、ネットワークの構築で新人がはまりやすいポイントを電話越しで確認することになっています。リモートでどの程度サポートできるかは未知数ですが、がんばります。

リモートでどれだけやれるか腕が試されますね。質問は変わりますが、新人の評価はどのように実施していますか?

浅井 小テストと最終確認テストを実施しました。最終確認テストは講義の翌週にずらして行いました。これは自習時間を確保する狙いもあります。毎年不合格者が出るのですが、その割合は集合形式だった昨年までと同じくらいでした。

ただ、テスト形式ではあくまでも記憶力の確認にしかなりません。やはり実機のない机上研修で新人の能力を推し量るには限界があります

やはり、技術的な研修は机上のみでは難しいのですね。

浅井 技術研修は、実機演習がないと厳しいというのが正直な感想です。この点は改善していく必要がありそうです。

エンジニア配属者のための研修が今後始まるのですが、そこでは、外部のサービスですがバーチャル・ラボを使ったオンライン研修を行う予定です。どのように活用できるのか楽しみですね。

皆さんありがとうございました!

オンラインでのリモート研修という新しい試みの中で、苦戦しつつも、努力や工夫で研修が徐々に質の高いものへとブラッシュアップされていく様子がわかりました。

当社と同じように、リモートでの社内研修で日々奮闘されている方々にこのTipsが参考になると嬉しいです!

(インタビュアー:未来サービス研究所 山田、八巻)

「リモート」から見える未来
新型コロナウイルスと共存する「ニューノーマル」の一つのスタイルとして、これまで「直接の対面」が前提だったビジネスや人々の行動を、「リモート」「遠隔」「オンライン」へ置き換える試みが加速しています。
本連載では、様々な業界やビジネスにおけるリモート化の新しい動きを紹介しています。
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【関連サイト】

NexTalk(2020年6月2日)ユニアデックスの「リモート新人研修」奮闘記!準備期間2日で走り出すことに!?【オンラインインタビュー】

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※自治体・企業・人物名は、取材制作時点のものです。


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2020年07月01日公開
(2020年07月16日更新)
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