現場部門のデータ活用AI導入支援
部品製造業における成形機や金型データ分析の取り組み紹介
- 活動報告
2024年03月11日
近年、デジタルトランスフォーメーションの波が企業の情報システム部門に大きな変化をもたらしています。かつては、事務系部門を中心としたシステムの企画・維持・管理が中心だった情報システム部門はいまや、イノベーションの推進者として、またビジネス戦略の実現者としての役割を求められています。このような変化は、お客さまから当社に寄せられるニーズにも顕著な影響を与えています。当社のお客さまである企業の情報システム部門が抱える課題はより複雑化し、その解決策もまた多様化しています。
多くの企業は、市場での競争力向上とビジネス戦略の実現のために、データ活用とAIの導入を模索しています。これらの企業は自社のコアビジネスにデータ活用とAI技術を組み込むことで、生産性の向上、コスト効率の最適化、エラーの削減を行い、競争力の強化を図ると同時に、社内外のデータ活用とAI化の戦略的統合により新たなビジネス機会を発掘しようとしています。そのような経営方針の変化において、企業の情報システム部門は単にITシステムを企画・導入・保守するだけでなく、現場部門のデータ活用とAI導入を支援してビジネス価値を最大化するための戦略的な役割を担うようになっています。
数年前から、製造業では情報システム部門内に社内のDX化を支援する部門を設立し、現場部門のデータ活用とAIツールの利用を積極的に支援する事例が増えています。営業・マーケティング、製造・SCMなどさまざまなカテゴリーに対し、クラウドベースの分析サービスや分析ソフトウエアなどの先進ツールを提供し、それらの利用の支援を実施しており、現場部門の戦略の策定、需要予測、品質問題の分析能力の向上に寄与しています。さらに、データ分析の研修プログラムなどを通じて、社内の現場部門のデータ利活用能力の向上にも注力しています。
このような情報システム部門の役割変化に対応する当社の取り組みの一つとして、当社のデータサイエンス技術部門では、同じBIPROGYグループ企業であるUEL社の長年にわたる製造業向けCADソフトウエア開発の経験を生かし、部品製造業における成形機や金型のデータ分析に関する研究をさまざまな大学や製造系企業と行っています。この研究では、成形条件の最適化、設備稼働率・メンテナンス周期の最適化、品質管理の効率化といった分野に焦点を当てています。また、これらの活動を進める中で開発した、センサーデータ解析技術に関する特許出願なども進めており、本分野における技術的なリーダーシップの確立に努めています。
これまでのさまざまな研究活動の成果を生かし、本取り組みでは、金型を用いる部品製造業・材料メーカー・商社の研究開発部門や生産技術部門に対して、研究開発活動への支援に焦点をあてた内製化支援のコンサルティングを試験的に提供しています。このコンサルティングでは、データ分析とAI技術を活用して、企業の研究開発プロセスを強化することに特化しており、研究成果の最大化と効率的な研究活動の実現を目指しています。
このコンサルティングを通じて、製造業クライアントの研究開発チームが直面する課題を解決し、データ駆動型の研究開発戦略を構築するためのパートナーとしてお客さまを支援することを目指しています。クライアントは研究活動を通じて新しい技術の開発や既存プロセスの改善を迅速に進めることができ、競争力のある製品とサービスを市場に提供することが可能になります。
当社のデータサイエンス技術部門では、これらの取り組みを通じて、情報システム部門の革新と、企業の研究開発能力の向上に貢献し、研究開発におけるデータ活用の最適化から、新たな技術革新の促進、AIサービス基盤の提供による研究成果の商業化まで、幅広い支援の提供を目指しています。
(未来サービス研究所 吉本 昌平)
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