テレワークあるある6 長期化するテレワークに子育てや家事まで...どうしよう?!【未来飛考地図】
- ワークスタイル
2020年05月11日
- テレワーク・ハイブリッドワーク
3月に「テレワークあるある」を開始してから2カ月以上が過ぎました。新型コロナウイルスがもたらしたインパクトの大きさとともに、このコラムをはじめた頃よりも、テレワークの拡大と長期化か進むなど働き方がさらに変化していると感じます。
またテレワークあるあるの中でも、とくに家族が一緒の時のテレワークについて反響が大きく、取材の依頼もいくつか頂きました。かくいう筆者自身も自宅での仕事と家事、子育て...と毎日が試行錯誤です。そこで今回は、筆者自身のケーススタディーも交えながら「長期化するテレワークと家族」をテーマにしました。
テレワークをマネジメントする3つのポイント
「家庭に仕事を持ち込まない」「仕事は職場で終わらせて、家に帰ると100%母親モードに切り替え」という働き方をされてきた方も多いのではないでしょうか。これまで「仕事」をする前提がなかった「家庭」という空間でのテレワークに少なからずの方が戸惑っています。
あくまでも個人的な見解ですが、「テレワークの上手なマネジメントのコツ」としていくつかのポイントを押さえておくと、円滑に仕事を進めやすいと感じています。具体的には、「環境マネジメント」「対人マネジメント」「ヘルスマネジメント」の3点です。
環境マネジメント ~ 執務空間、備品など外的環境の整備
筆者自身は3月から連日テレワーク、夫も4月の緊急事態宣言後からテレワークになりました。さらに中一の娘の学校でもオンライン授業が始まり、平日はたいてい家のどこかでWeb会議の音声が...という状況になっています。
仕事や勉強に集中するには、それぞれが別の場所で作業をするのが理想的とはわかっているのですが。娘が授業にアクセスできなかったり、教材の準備ができていなかったりと何かと話しかけてくることもあり、私と娘はダイニングテーブルで一緒に仕事と勉強をしています。
Web会議が入ったときは別のスペースに移動しますが、急な用事のときには家の階段や廊下で電話をすることも。とにかく空間の確保には一苦労です。3人でWi-Fiを共用するようになってから、通信が繋がりにくくなってきたことも悩みです。
Jennifer Medina and Lisa Lerer:"When Mom's Zoom Meeting Is the One That Has to Wait"
対人マネジメント ~ 仕事関係者、家族との調整
ここでいう「対人」とは、「仕事関係者」と「自宅での同居者(家族やパートナー)」の2つが含まれます。仕事関係者の場合は、これまでの勤務に準じたコミュニケーションをオンラインに切り替えて行うことが主になります。欠かせないコミュニケーション手段となるWEB会議のコツについては、以前にテレワークあるある3でご紹介しています。
今回は、自宅で共に過ごす家族等とテレワークの兼ね合いをどうするかというマネジメントに目を向けます。
また可能なら、夕飯の時にでも「こんな時はこうしてほしい(隣の部屋のテレビの音がWeb会議中に気になったよ、など)」などお互いに気になった点を話してみましょう。ポイントは深刻にならず軽い感じで。長期戦となったテレワーク、一人でストレスをため込まないことが一番です。家族のちょっとしたコミュニケーションで解決できることもありますよ。
一日単位ではうまくいかないかもしれませんが、2・3日から一週間のスパンで仕事のスケジュールを組み、業務の仕分けをしてみます。
ヘルスマネジメント ~ 「からだ」と「こころ」のメンテナンス
これは子どもの年齢にもよるのですが、今回のテレワークを通じて、親がどのように仕事をしているのか子どもが具体的に理解する良い機会になったと感じています。
とくにホワイトカラーの場合、仕事の空間がオフィスで離れていると、ふだん誰とどんな仕事をしているのか家族には見えにくいものです。企業等によっては、ファミリーデーなどをもうけ職場に家族を招待するイベントがありますが、そこでは「親の勤務先の仕事内容(自動車をつくっている等)」はわかっても、「親が毎日どのような働き方をしているのか」までは詳細にわからなかったりします。
テレワークをしていると、遊びに飽きた娘が「何してるの?」とPCを覗き込んできたりします。もちろん子どもとはいえ、機密の関係上仕事の詳細まで説明することはしませんが、何となく娘も「お母さんはいま、会社のホームページに原稿を書く仕事をしているのだな」などと理解しているようです。大げさかもしれませんが、広い意味での職業教育、キャリア教育につながってくれるといいなと思います。
同じように、配偶者の職場への理解もお互いに進みました。夫が同僚と開催したオンライン飲み会に家族で顔を出したりとコミュニケーションが拡がっています。家事への夫の参加度も少し上がった...気がします(笑)。
ヘルスマネジメントのもう一つの要素「からだの健康」も大切です。
...とはいえ夕方にテレワークが終わると、目の前には散らかり放題のリビング、干しっぱなしの洗濯物、夕飯の支度...と家事の山が待っています。運動するための時間を確保するのにも一苦労だったりします。
こんな事態を前向きにとらえるアイデアを一つ。たまった作業を「家事」ととらえず、「座りっぱなしのテレワークで固まった体のエクササイズ」と考えてはどうでしょう。
振り返ると、満員電車でつらかった職場への往復の通勤も、今となっては「あれも一つの運動だった。テレワークばっかりだと運動不足」と良かった点が見えてきます。「通勤の代わりに家事で運動しよう!」と発想を転換してみませんか。
テレワークの悩みは人それぞれ...でも悩んでいるのはみな同じ!
オフィスへ通勤するワークスタイルは、同僚と同じビルやフロアに通い、同じような会議室を使い、お昼の時間も一緒...と勤務環境の同一性が高くなっています。アフターファイブに、居酒屋で一緒に愚痴をこぼすこともできました。
いっぽう自宅でのテレワークは、同居する家族構成(子どもの年齢や同居人数など)、自宅の間取りや椅子などの執務環境、IT環境等により個別性・多様性がみられます。自宅のほうがワークスタイルの多様性が高い分、悩みも人によって多様だと感じます。オンライン主体のコミュニケーションだと、愚痴を言うチャンスも限られます。また仕事の人間関係はビジネスライクに割り切れることもありますが、家族の場合はそうもいかなかったりします。
本当にテレワークの悩みは人それぞれですが、「悩んでいるのは自分だけではない」ことも事実です。そもそも、テレワークは多様な働き方の実現を目的に推進されたものでしたよね。筆者もこの長いテレワーク期間を前向きにとらえ、自分ならではのテレワークスタイルを作り上げたいと思います!
(ユニアデックス未来サービス研究所 八巻 睦子)
2020年05月11日公開
(2020年07月16日更新)
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