心理的安全性を高めるには?~ビジョンの共有がチャレンジングなチームをつくる~

【未来研アイデアよもやま話 vol.4】

  • アイデア発想

2023年01月16日

  • アイデア発想

アイデアがたくさん出るイノベーティブなチーム作りに重要なこととして、「心理的安全性」が注目されています。
Googleが調査した結果、心理的安全性の高いチームは離職率が低く、ほかのメンバーが提案した多様なアイデアの活用がうまく、マネージャーから評価される機会が約2倍であるということが分かったそうです。

まさに良いことづくめ!すぐにでも心理的安全性を高めたくなります!
 
心理的安全性とは、「チームの誰もが非難される不安を感じることなく、自分の考えや気持ちを率直に発言できる状態」といわれています。
「いいね!」と褒め合うだけでなく否定的な意見も含めた建設的な意見交換がなされ、その意見交換にチームの誰もが積極的に取り組めている、そんな状態でしょうか。

建設的な意見交換の様子

チームワークを高めようとする時に、メンバーを褒めたり良いところを見つけたりするのは、比較的取り組みやすいものだと思います。多くの人は褒められると嬉しくてやる気が出るので、どんどん褒め合っていきたいものです。
 
一方、否定的な意見を言うのはちょっと難しく感じます。相手を傷つけたくない、場の雰囲気が壊れたらいやだな、相手の人格を否定したように捉えられたら困る・・・。
いろいろな想いが出てきて、否定意見をそっとしまい込んでしまう、そんな人は多いのではないでしょうか。

なぜ否定意見を言いづらいのでしょうか?
いろいろな理由があると思いますが、その一つに「議論の目的やチームとしてのビジョンが十分に共有されていない」ことがあるのではないかと考えます。

自分たちが何を目指しているのか、この議論は何のためにしているのか。ゴールが十分に共有されていないと、そもそも建設的に考えることが難しく、議論の焦点が合いづらくなります。そうなると、自分の意見が適切なのか判断しづらいですし、発言しても意見の趣旨が周囲に正しく伝わらない可能性もあります。そのような中でわざわざネガティブな発言をするのはやめておこう。そんな心理が働くのではないでしょうか。

ビジョンを共有する犬と猫

目的やビジョンが十分に共有、浸透していれば、チームメンバーはその目的やビジョンの実現という共通目標に向けて知恵を絞り、出てきたアイデアを目的やビジョンに照らし合わせて考察し、建設的に議論を進めることができるようになります。
 
自分が出したアイデアがうまく進まなかったとしても、目的やビジョンが明確であればその理由を分析し次に生かしやすくなります。なぜうまくいかなかったのか明確にできないと、次のチャレンジをすることが怖くなってしまい、失敗を避ける行動を選択するようになってしまいます。
 
目的やビジョンはチームの道しるべになります。
 
日々、目的やビジョンを共有しているつもりでも、目の前の業務に追われる中で一番大切な目的を見失ってしまうことはよくあります。
 
そのようなときは一度基本に立ち返り、目的、ビジョンを再確認し、チームで改めて共有する。そのような取り組みの繰り返しがチームの心理的安全性の向上、そしてたくさんのアイデアを創出するチャレンジングなチーム作りにつながっていくのではないかと思います。
 
参考文献:Google:re Work「効果的なチームとは何か」を知る
 
「未来研アイデアよもやま話」とは
未来サービス研究所では、イノベーションについての調査研究や、アイデア発想のためのワークショップの開催などを行っています。
 
本コラムでは、これらの活動から未来研の研究員が重要だと感じるアイデア発想のノウハウ、ヒントになりそうなことやアイデア発想にまつわる試行錯誤についてコラム形式でお伝えします。 
 
新しい取り組みをしたいけどなかなかアイデアが出てこない、アイデアを組織的に出していくにはどうしたらよいのか、といった悩みにささやかなヒントをお届けできたら嬉しいです。

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