参加者なんと3,000名以上!大規模化するオンラインレクリエーションを運営するコツは? リモート介護最前線レクリエーション編 Part3
【「リモート」から見える未来 】vol.9
- ライフスタイル
2022年01月13日
- 高齢社会
2年目の今回はサントリーホール越え!3,000名を超える大コンサートに
Webクリスマスコンサートも2年目になりました。今年の参加状況をお聞かせください。
今年は130施設、約3,000人以上が参加しました。昨年は35施設850名の参加者を一部と二部に分ける一日2回の開催にしたのですが、今年はZoomを大人数向けプランに変更したこともあり、1回だけの開催にしました。
昨年に比べると、施設数も参加者数も3倍以上とはすごいですね!コンサート会場との比較でいえば、サントリーホールの大ホールで2,006名収容ですので、それを超えています。
たしか昨年の850名は紀尾井ホール並みでしたよね、年々大規模化が進んでいます(笑)。今年は、高齢者施設のほかに当社グループが運営している保育園も2園参加しました。
保育園も参加されたことによる違いはありましたか?
- ※ プライバシー保護のため、参加者にはぼかしをかけています。
確かに、可愛らしい子どもたちの笑顔が印象的でした!ところで接続面など、運営はスムーズにいったのでしょうか。
当社では、コンサート以外にも健康増進コンテンツを週一回のペースでZoom配信するなど、オンラインの活用に力を入れています。普段からこうした試みをしているため、オンラインに慣れている施設は今回のコンサートでもスムーズに鑑賞ができていたようです。
しかしまだ慣れていない施設もあり、接続に関するトラブルが発生しました。具体的にはPCからテレビに接続しても音や画面が出ないというトラブルが一番多かったです。あとは、普段は有線でPCをインターネットにつないでいるけれど、今回はPCをテレビの近くに移動させるためWi-Fiにつなげる必要があるのですが、そのやり方がわからないという問い合わせもありました。コンサートの冒頭では、ミュートの設定を忘れた施設からの雑音が入ることもありました。
施設からの問い合わせには個別に電話で対応していましたが、やはり電話だけでは詳しい状況が分からないケースもあり、すべての施設へサポートができたかというと難しい面がありました。
オンラインイベントに接続トラブルは避けられないものですからね。事前に、トラブルを想定した対策は取られていたのでしょうか。
運営に慣れてきたということもあり、今年はシステム部門の担当は配置せずイベント担当だけで本番に臨んだのですが、参加母数が昨年よりも大幅に増えたため問い合わせ対応が予想以上に大変でした。
本番が始まる前に、ミュートやスピーカービューへの設定のお願いを画面共有で表示していましたが、この時に音楽も流しておき「音楽が聞こえていない施設は設定をご確認ください」と表示しておけばよかったというのが反省点です。本番が始まってから音声トラブルを相談されても対応が難しいので、本番前にできるだけ多くのトラブルをつぶしておくべきでした。
また、昨年使わなかったチャット機能も今年は活用しました。これは、ふだんからオンラインで健康増進プログラムを配信している時に行っている習慣です。プログラムが終了し退出する前に、参加人数のチャット報告と、マイクをオンにして感想をひと言話して頂くようにしています。今回も、同じ習慣で感想をひと言いただいた施設もありますが、数が多いので全体的な終了時間がずるずると延びてしまいました。ここも、進行サイドで終わりの方法を決めておけばよかったと思いました。
イベント前の準備から、わくわく感を高める仕掛けづくりに工夫
演奏プログラムについては、今年ならではの工夫はありましたか。
今年は、施設利用者さまにペットボトルでマラカスを作ってご用意いただきました!用意できなかった施設は、何か音の出るものをご準備くださいとお願いしました。
これは、イベントの事前段階もマラカスづくりで楽しめるようにしたかったからです。参加に向けてのわくわく感を高めるのも、レクリエーションの大事な要素だと思っています。
ただ、本番で画面を通して見ると、マラカスが小さくてあまり目立たなかったのが残念です。これまではポンポンも作っていたのですが、ポンポンのほうがカラフルでわかりやすいですね。
また、マラカスを使う曲はコンサートの中盤からだったので、せっかく作ったのにあまり使わなかったという意見の施設もありました。冒頭の曲からずっと、マラカスを使っていただいたほうが十分に楽しめたかもしれません。
ほかには、昨年と同じ演奏曲のリクエストタイムや○×クイズを設け双方向性のあるプログラムにしました。ただ今年は保育園も参加したので、世代に関わらず楽しめるコンテンツをもっと充実させても良かったですね。
とくにリクエスト曲については、歌謡曲など高齢者向けに寄せた曲目にしていたので、誰もが歌える唱歌のようなものを増やすことも今後は考えたいです。
オンラインに慣れた分、クオリティーへの要求も向上。それに応える工夫を目指す
参加された施設の皆さまからは、どのような声がありましたか。
当社はLINE WORKSを導入しており、アンケートもLINE WORKSの機能を使って集めました。施設からは、「毎年ありがとうございます!」という感謝の声をはじめ、「アンコールをもっとしてほしかった」「今何を演奏しているのかテロップがあると助かる」などさまざまな意見がありました。また入社5カ月目の新人職員さんからは「このようなイベントがある会社に入ってよかったです」という嬉しいお言葉もいただきました!
設備環境面でいえば、大型テレビやWi-Fiを導入した施設の割合が昨年よりも各段に増え、施設のICT化のレベルが向上しています。加えて、オンラインでのイベント開催の実績も増え、2021年10月に124事業所が参加したリモート大運動会でも大いに盛り上がりました。
このように皆がオンラインでのレクリエーションに慣れてきた分、求められるクオリティーが高くなってきていると感じています。Webコンサートも、以前は「テレビから演奏が聴こえて、やり取りもできる!」というだけで新鮮に感じていただいていました。でも今は、各施設がよりよい演奏を楽しめるよう、接続トラブルの防止やプログラム内容の工夫にいっそうの配慮が求められています。私たち運営側も、Zoomの新機能など新しい動向をチェックしながらステップアップを目指します!
ますます進化するオンラインレクリエーションに期待します!本日はありがとうございました。
■ALSOK介護様のWebサイトでは、コンサートのより詳しい様子がご覧になれます。介護施設から発信されているブログからも、当日の楽しげな様子が伝わってきます!
リモート介護のポイント ~大規模レクリエーション編
①参加者の増加、オンライン慣れ...運営側は一層の工夫が求められる
今回のWebコンサートは聴衆が120施設・2,700名という大規模なものであり、高齢者施設だけではなく保育園も参加するなど聴き手の多様性も進んでいます。さらに、長引くコロナ禍の影響でオンラインでのレクリエーションが定着し、参加者が求めるクオリティーも向上しているとのことです。運営側がこれらの期待に応えるのは容易ではありませんが、アンケートによるフィードバックや、新しい技術を積極的に取り込もうとするALSOK介護様の姿勢に、今後の発展が期待できました。
②イベントの前から、わくわく感を高める仕掛けづくり
施設利用者さまはペットボトルのマラカスで演奏を盛り上げていましたが、このマラカスは、コンサートの前にレクリエーション時間を使って作成したものでした。このように、イベントの前から楽しめる準備作業を用意して、当日への期待感を高めていくことはとても大切だと思いました。
(インタビュアー:未来サービス研究所 八巻)
関連サイト
- 35施設の笑顔をオンラインでつなぐWebコンサートに挑戦! リモート介護最前線レクリエーション編 Part2
- オンラインでも利用者様を笑顔にできる!リモート介護最前線 ~レクリエーション編
- オンラインでも利用者様を笑顔にできる!リモート介護最前線 ~面会・見学編
- ALSOK介護株式会社
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2022年01月13日公開
(2022年01月13日更新)
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