ビル・ゲイツだけが僕らの味方

【未来研アイデアよもやま話 vol.5】

  • アイデア発想

2023年06月15日

  • ソリューション

未来研アイデアよもやま話も5回目になりました。まず、世の中一般にビル・ゲイツの言葉ということで流通しているアイデアに関する名言を紹介します。ビル・ゲイツが本当に言ったのかは真偽不明ですが、とても示唆深い言葉です。

自分が出したアイデアを少なくとも一回は人に笑われるようでなければ、
独創的な発想をしているとは言えない。
常識の打破とは、人に笑われることである。

 確かに、多くのイノベーションを巻き起こしてきたビル・ゲイツがいかにも言いそうです。

自慢じゃないのですが、私は自分の出したアイデアを人に笑われる経験を数多く重ねてきました!
ビル・ゲイツ的に言えば、間違いなく独創的な発想をしている人間です。

 しかし、現在は心理的安全性の重要性が認識され、人に笑われる経験が少なくなってきました。

ちなみに、心理的安全性とは、建設的な議論のために、批判的な意見も安心して発信できる環境づくりをすることです。よく「人の意見を批判しないこと」という定義で理解されているようにも感じます。しかし、その理解だと実際の心理的安全性の考え方と食い違ってしまいますので、アイデアよもやま話の心理的安全性に関する記事を読んで知識をアップデートしましょう。

ただ、心理的安全性が正しく理解されたケースでも、人を批判しないように意識したケースでも、その場の雰囲気は優しくなるのは間違いありません。

このような空気のなかで私のアイデアも笑われない環境が整ってきたのですが、私が笑われるようなアイデアを発信し続けているのは変わりありません。

つまり、みんな本当は笑いたいのに、心理的安全性確保のためグッとこらえているのです!

そこで、かつて滅茶苦茶に笑われてきた私が、「本当は笑われるはずだったのに、みんなが笑わないでいてくれる時のリアクション」を紹介していきます。皆さんも会議やワークショップで、こんなリアクションをもらったことがあると思います。

しかし、それはビル・ゲイツ的観点では非常に価値のあるアイデアを出している証拠です!この記事を読んだら、微妙なリアクションをもらった時も、強く生きていくことができるでしょう。

1.全くリアクションがない

 あなたがアイデアについて語った時、変な空気になることがあるでしょう。気まずい沈黙が続いた後に、「ところで…」と別な話題が始まるケースです。

聞き手の方が優しい時は、「うんうん」と頷いてくれますが、それ以上のリアクションは得られません。
聞き手があまり優しくないときは、「ふ~ん」でと言われます。正直しんどいですが、これはまだマシな方です。
 
さらに悪いケースは、とっても優しい聞き手が絞り出すように感想を述べてくれた場合です。その人の努力にもかかわらず、それ以上会話は展開せず、その人もスベった感じになります。
 
申し訳なさ過ぎて泣きそうになりますよね。

I'm so sorry, I feel like crying.
2.発言の機会が回ってこなくなる

上記の発言をした場合、おそらく司会の方や参加者の皆さんはあなたのことを「変な人」と心の奥底で思うかもしれません。でも、最近のビジネスパーソンは心理的安全性を意識していますので、そんな考えは引っ込めてくれます。

しかし、ビル・ゲイツ的な独創的なアイデアを発信した後、あなたに話を振られる機会はぐっと減ります。まるで、自分の存在がみんなから忘れられているかのようです。一体なぜでしょう?

かの有名なフロイト先生は無意識的の重要性について言及しています。うっかり仕事に遅刻をする人は、意識では気づいていなくても、無意識レベルで仕事を嫌っているそうです。つまり、話を振られないということは、みんなが無意識レベルであなたを避けているということです。

さらに悪い時は、ルール上自分が話すターンなのに、司会の方に飛ばされることもあります。議事録に自分のアイデアが書かれていない時でさえあります。

心が折れてしまいますよね。

My heart was broken.

でも、挫けてはいけません。心の中のビル・ゲイツだけはあなたに好感を抱いています話を振られないなら、強引に話の輪に入っていきましょう!

3.それでも笑われる

この世の中の風潮で、あなたのアイデアが笑われたらもう完璧です。あなたのアイデアの独創性は最高水準に達しています!おめでとうございます!本物です!

しかし、笑われる体験はとても辛いです。しばらく立ち直れません。

I will not recover for a while.

 でも、安心してください。こんな時もたちのビル・ゲイツだけは大絶賛しています。自信を持ってください。

 以上が、最近の優しい世界のなかで、あなたが独創的なアイデアを出している証拠です。実は本当に箸にも棒にもかからないアイデアを出しているのかもしれませんが、その可能性は全力で無視しましょう。

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私は今後も笑われるような独創的なアイデアを発信し続けていきます。心のなかのビル・ゲイツに「さすがにお前い加減にしろ!」と怒られるまで…。

 (未来サービス研究所 山田峰大)


「未来研アイデアよもやま話」とは
 
未来サービス研究所では、イノベーションについての調査研究や、アイデア発想のためのワークショップの開催などを行っています。
 
本コラムでは、これらの活動から未来研の研究員が重要だと感じるアイデア発想のノウハウ、ヒントになりそうなことやアイデア発想にまつわる試行錯誤についてコラム形式でお伝えします。
 
新しい取り組みをしたいけどなかなかアイデアが出てこない、アイデアを組織的に出していくにはどうしたらよいのか、といった悩みにささやかなヒントをお届けできたら嬉しいです。

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